不倫について話す週刊誌記者

「もうさ、不倫解禁したらいいんじゃないかなって俺は思うな」
「解禁ってなに?」
「いやだから、不倫してもいいってこと」
「いや、だめだから」
「だってさ、みんなしてるわけじゃない?結婚してるヤツと話したら8割してるもん、大げさじゃなくって」
「そうなったら結婚の価値がぶれない?」
「そこなんだよ。もうぶれてんだって現代社会では。そもそも結婚してても男は去勢しない限り性欲はあるわけじゃない?で、嫁さんひとりで満足するのかっていったらそういう風に男はできていないわけじゃん。なるべく子孫を残そうってなると多くの女と作ったほうがいいんだしさ」
「女の本能としては、子どもを守るためにも男に協力させなきゃいけないんだし、他の女のとこに行くような男は許せないもんだよ。女同士でもそこは暗黙の鉄則として、他の男を受け入れるのはいけないことだとなってるんでしょ」
「でも、それは建て前だってことがこれだけ不倫のニュースであふれてることからも証明されない?」
「優秀な人間であればあるほど、多種多様な異なる遺伝子を残したいわけか・・・まあ、そうかもね」
「結局、優秀な遺伝子はうずくんだよ。もうひとパターン違う遺伝子と結ばれて、違う道筋をつくっておくべきだと無意識に命令が出されるんじゃないかな」
「無意識っていうのが怖いね」
「そう・・・遺伝子が自ら宿主である人間を動かしてるんだよ。だから不倫しちゃったときはそういえばいい。『違うんだ、俺が意志を持って不倫したんじゃなくって、遺伝子が無意識に不倫させたんだ』って」
「納得はしてくれないだろうね・・・」