意外だがいま東京の実効再生算数は下降傾向である。(1月17日現在)
こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。
テレビをつければサイタサイタ(最多最多)と何かと騒がしい世の中ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
そんな中、意外ですが実は、ここ1週間ほど東京の実効再生算数は下降傾向なんですね。
出典:https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
この傾向は全国でも同じ。
出典:同上
毎日サイタサイタの報道に触れている皆様にとっては意外におもわれるかもしれませんが、これは紛れもないファクトです。
ちなみに実効再生算数と言うのは、
「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を示す指標です。この数字が高いほど感染が急速に拡大していることを意味し、逆に1未満の期間が続けば「感染が収束しつつある」といえます。
と元サイトで解説されています。まだ1以上なので、「収束」ではありませんが、下降傾向であることは確かで、これは間違いなくいいことですね。
ではなぜここ1週間で下がってきたのでしょうか?考えられる理由は以下でしょうか。
1、緊急事態宣言が出て都民の行動自粛が徹底されたおかげ?
2、毎年のインフル同様の季節性の傾向?
1,の緊急事態宣言について言えば、宣言が出たのは1月8日。通常、行動変容の結果がでるのは2週間と言われてるので、宣言の直後から下降傾向になってるのを見ると、ちょっと反応が早すぎますね。2週間前の行動と考えれば、クリスマス・年末・年始あたりのことでしょうから。
では、実際の東京都民の行動履歴を見てみましょう。Appleが公表しているiPhoneを持ってる人の移動データを見てみるとこんな風な傾向になっております。
出典:https://covid19.apple.com/mobility
実際のデータを見てみると意外や意外、クリスマス・年末・年始の都民の移動データはかなり減っているんですね。その影響が出てきているのかもしれません。
ちなみにこの緊急事態宣言下の15日の最終移動データが爆上がりしてるのが気になりますが…ま、一瞬上がるとかはよくあることなので、そういう事かもしれません。
ちなみに、2,の「毎年のインフル同様の季節性の傾向?」ですが、実は例年のインフルエンザは、1月中〜下旬くらいがピークです。ですので、もし季節性の下降ということでも、もうひとつ小山くらいありそうな気もしますね。
まあ、国民の行動自粛・行動変容に関しては、こんな論文もありまして‥日本や東アジアについて言えば、「だからトータルの死亡率が減る」というわけでもなく、感染拡大を先延ばしにする、程度の効果なのかもしれません。
とにかく、大事なのはサイタサイタで恐怖を感じるばかりでなく、実際にこうした良いデータも見ながら、冷静に社会全体を見てゆくという思考だと思います。
以上、「意外だがいま東京の実効再生算数は下降傾向である。(1月17日現在)」でした。
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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)