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kintone CERTIFIED App Design Specialist(アプリデザインスペシャリスト)の勉強方法をまとめてみた

 みなさんこんにちは。サイボウズ公認 kintoneエバンジェリスト の前田です。先日に引き続き、私が挑戦したkintone CERTIFIED App Design Specialist(アプリデザインスペシャリスト)  の勉強方法についてまとめてみたいと思います。長くなりますがお付き合いくださいませ。※本記事では試験の具体的な内容には触れません。あくまで勉強方法のみお伝えします。

1.アプリデザインスペシャリストとは?

 アプリデザインスペシャリストは基礎スキルであるアソシエイトの次のレベルの試験です。アソシエイトの次は開発スキルと業務改善スキルに分かれて試験を受けることになります。ちなみに開発スキルの試験はカスタマイズスペシャリストになります。現在受験可能な試験はスペシャリスト試験までで、エキスパート以降は今後公開されることになっています。

kintone認定資格

※https://cybozu.co.jp/kintone-certification/level/ より

 さてこのアプリデザインスペシャリストですが、試験公式ページの説明によると「kintoneの特性を理解し、実践的な業務改善スキルがあることを証明します。」となっています。この文章を読むと業務改善の考え方が必要になるのかな?と思いますが、個人的にはそんなことはなく「アソシエイトでカバーしていなかったkintoneの一部の機能について正しく理解できているかを試す試験」だと思います。後述しますが、問題に対して適切なkintoneの機能を選択できるか…ということを試されます。

2.試験範囲は?

 公式ページによると出題範囲は

出題範囲

ということになっています。この出題範囲からkintoneのどの機能が問題にでるのか?ということを読み取るとプロセス管理、データ書き出し・読み込み、アプリ構築、通知機能、集計機能、レポート機能などがありそうです。

3.勉強方法はどうする?

 この試験ですが、正直かなり難しいです。難しい理由はいくつかありますが、アソシエイトのように公式のテキストがないということが最も大きな理由だと思います。試しにTwitterでアンケートを行いましたが、70%の方が勉強方法で困ったという結果でした(nが21で小さいですが…)。

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 公式のラーニングコンテンツというページには業務改善NOTEという冊子がアプリデザインスペシャリストのテキストとして掲載されています。この冊子はとても素晴らしいもので、実際現場であった事例を元に業務改善及びkintoneの構築をどう進めたかが記されています。しかし正直この試験の勉強には使えません。それはなぜか?1章でも書きましたが、この試験は「アソシエイトでカバーしていなかったkintoneの一部の機能について正しく理解できているかを試す試験」であり業務改善の考え方・スキルを問われるものではないからです(あくまで個人的な考えです)。ここを捉え間違えると点数が取れず試験に落ちてしまいますので、気をつけましょう。

 練習問題がない試験って難しいですよね。この考え方で正しいのか?正解なのか?というものがわからないまま試験に臨むしかありませんので試験を受ける時は本当に不安でした。アソシエイトは練習問題がありましたので、勉強するうちにわからないところがわかり、身についたところがわかりやすいのでとてもためになりますが、アプリデザインスペシャリストはそうは行きません。とにかく不安。それがこの試験です。

 さて、ではどう勉強すればいいのか?私が実践した方法を書いていきたいと思います。

➀ アソシエイトのテキストで全章60%を取れる状態を維持しておく

 こちらの記事に書いた方法で各章60%以上を取れる状態をキープしておきましょう。なぜこれが必要かというと、試験の中でkintoneの基本的な機能についての間違いに気づけない可能性があるからです(当たり前ですが…)。この試験では正しい回答を選べることも重要ですが、明らかに間違っている説明だと気づくことが出来ることも同じくらい重要です。

➁ 出題範囲で明らかになっている機能について学習しておく

 少なくとも出題範囲に出てくる機能については問題に出てくると考えられますので、一通り学んでおきましょう。学ぶときはkintoneのヘルプを参照すると良いでしょう。私はアソシエイトに引き続き下記のようなパワーポイントに知らなかったところをまとめていきました。

kintoneヘルプ:プロセス管理データ書き出し読み込みアプリ構築通知機能集計機能、レポート機能

あえて検索結果の画面のリンクを貼ってあります。検索結果の項目について理解できているか確認し、わからないところはまとめていきましょう。

4.練習問題を解いて考え方を身に着けよう

 公式問題集は一切ないこの試験ですが、唯一の公式練習問題がこちらのページに5問だけあります。こちらを解いて問題の考え方を身につけましょう。怒られそうなので画像は貼れませんが、1問ずつ解説をしていきたいと思います。設問1~5の解説は練習問題を見ながら読んでいただけると良いと思います。

 まず初めに問題全体への共通ルールです。基本的に共通大問の説明は初めに読みません。設問1の説明を読み、情報が足りなかった場合のみ共通大問の説明を読みましょう。なぜかというと、共通大問をしっかり読んでいるとどうしても試験時間が足りなくなってくるからです。ほとんどの問題は共通大問を読まなくても回答できますので、この方法をお勧めします。また、私だけかもしれませんが、この共通大問を読んでいるうちに余計なことを考えてしまいます。上述しましたが、この試験は「アソシエイトでカバーしていなかったkintoneの一部の機能について正しく理解できているかを試す試験」です。なので大切なのは設問の説明を読み、書いてある要件を満たせる選択肢を選ぶ。それだけが求められます。そこに業務改善職としての考え方(長い目で見たらこちらの選択肢のほうがよさそうだなとか…)は必要ありません。ただその場面に適した(サイボウズさん的にそう考えている)機能を選択するのみが求められます。このあたりは個別の問題開設で追記していきます。では設問1~5の解説をしていきましょう。

設問1:設問は「外出先からもスマートフォンで日報業務を行いたい。日報用雛型Excelファイルの項目をフィールドに配置した「日報アプリ」を作成および運用する方法として、正しいものを1つ選びなさい。ただし、過去のExcelの日報データは移行しない。」というものです。この問題の正解は2つ目なのですが、なぜ他の選択肢は間違いなのでしょうか?解説していきます。

選択肢1:日報アプリをはじめから作成するのは正しいが、添付ファイルにこれまで報告した日報用Excelを添付するという1文が余計なようです。なぜなら設問1の説明に「過去のExcelの日報データは移行しない」とあるからです。

選択肢3:Excel/CSVからアプリを作成するとフィールド名は自動的に読み込まれてしまい、フィールドタイプの設定のみしかできないため間違いです。

選択肢4:設問の説明に「日報用雛型Excelファイルの項目をフィールドに配置した」とありますので、テンプレートがその項目を満たしているかわからないので間違いです。

解説:恐らくこれが設問1の考え方です。選択肢1は要件を満たしていないので間違いで選択肢3はkintoneの機能の説明が間違っているから間違い、選択肢4は要件を満たせるかわからないので間違いです。このように要件を満たしているか、kintoneの機能の説明が間違っていないかということを試されますので気をつけましょう。

設問2:Excelファイルで行っていた日報業務を「日報アプリ」に移行した。業務開始時に各自が「日報アプリ」にレコードを追加し、業務の合間にそのレコードの業務内容を更新する運用にしたが、上司から「通知が多すぎて、いつ、どのレコードを確認すればいいのか分からない」という意見があった。アプリの通知設定と運用における改善点として、正しいものを全て選びなさい。この問題は1~3が正解です。間違っている選択肢4ですが、これは「通知が多すぎて、いつ、どのレコードを確認すればいいのか分からない」というニーズに対してリマインダーを設定するという解決策が合っていなので間違いです。リマインダー設定しても確認すべきレコードは提案できないですからね。次に正解の1~3の選択肢ですが、これは一応「上司」のニーズに応えられるため正解になっていると思われます。

 ただ、ここは考え方が難しいところで、考えすぎると間違えそうです。よく考えると選択肢1は通知は送れますが、一度確認した後は既読通知の欄に行ってしまう上に一定期間で消えてしまうため保管性は悪そうです。次に選択肢3は選択肢1と同じ課題を抱えそうです。なので選択肢2が一番よさそうだなぁと思ってしまいますが、それではいけません。何度も書きますが、説明文の要件を満たしていることが大切で、業務改善職的に長い目で見たらどうか…とかステークホルダーみんなにとって良い…みたいな発想は邪魔になります。試験だから当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、この点は引っかかってしまう方も多いのではないのでしょうか。設問のニーズを満たすことを第1に考えましょう。

設問3:「Excelファイルで行っていた日報業務を「日報アプリ」に移行し、日用品業界のニュースや競合会社の情報なども書き込むことにした。「日報アプリ」の通知先の上司以外の社員にも素早く簡単にこの情報を共有する方法として、最適なものを1つ選びなさい。」こちらの正解は選択肢3です。ここでは「素早く簡単に情報共有」できることが大切なので、何度もクリックしなくてはならない1,2,4は間違いなのです。

設問4:「営業部内の情報共有のため、スペースを作成した。「いいね!」の使い方にルールが定められておらず、承認の必要な場面で上司からの「いいね!」を承認と勘違いしてしまう者がいた。このような認識の違いを防ぐ方法として、正しいものを1つ選びなさい。」こちらは選択肢1が正解です。「承認の必要な場面で上司からの「いいね!」を承認と勘違いしてしまう者がいた」というのが課題なので承認を適切に行うための機能であるプロセス管理を選びましょうということです。選択肢2,3,4はそんな機能はないので間違いです。

設問5:「Excelファイルで行っていた日報業務を「日報アプリ」に移行した。業務開始時に各自が「日報アプリ」にレコードを追加し、業務の合間にそのレコードを更新する運用にしたが、ある社員が誤って他の社員のレコードを更新してしまった。他の社員のレコードのデータを復旧する方法として、正しいものを1つ選びなさい。」こちらの正解は選択肢2です。選択肢1,3はkintoneの機能の説明が間違っており、4はそんなサービスはありません。

以上が練習問題5問の解説です。いかがでしたでしょうか?

まとめると選択肢の選び方のポイントは

➀ 設問の要件を満たしているか?

 kintoneの機能の説明が間違っていないか

というところが大事になりそうです。そして気を付けておくこととして

 業務改善職的な発想は排除する

④ 大問ではなく設問の説明から読む

があります。これらのことに気を付けつつテストに臨まれるといいのではないでしょうか。このテストはテキストがなく、とても勉強のしづらいテストだと思います。ですが、上記のことを守っていけば恐らく最終的には合格できるのではないでしょうか。何か間違っているよ~というところがあれば教えてくださいませ。これからこの試験に挑まれるみなさんのお役に立てることを祈っております。

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それでは!




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