青春の終わり。人生の区切り。開かれた大人の扉。 〜「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観て(ネタバレなし/考察なし)
喪失感。
人生の大事なものを無くしたような、
心の支えを失ったような、
親友との別れを経験したような。
言葉にすれば"喪失感"なのだろうけれど、
たぶんこれはそれとも少し違う感情な気がする。
きっとこれは真正面から向き合ったほうがいいような、
そんなとても大切なものな気がする。
だから、筆を取ることにした。
この想いを吐き出さなければ、前に進めない気がするから。
エヴァンゲリオンという作品は、多分ボクの青春そのモノだったんだと思う。
しかし、実はこれまでそのすべてをみたことはなかった。
アニメは最終話までみたことないし、これまでの映画作品はエンディングまで見れなかった。
物語に没入しすぎるきらいのあるボクには、碇シンジという存在はキツすぎたから。
物事に真正面から向き合うことはなく、
事実に真正面から向き合うことはなく、
家族に真正面から向き合うことはなく、
友人に真正面から向き合うことはなく、
そして、なにより自分に真正面から向き合うことはない。
愛を理解することができない。したくないわけではなく、できない。
他者から向けられる愛を錯誤し、
それでも愛されたいと思い、
しかし自ら愛することはない。
この作品に自分を投影した。
だから、最後までみれなかったんだ。
"さらば、全てのエヴァンゲリオン。"
これで終わりだという。
だからボクは最初から見ることにした。
そのすべてを見ることにした。
自分と、自分を投影し、
逃げ続けてきた作品と
逃げ続けてきた人生に向き合うことにした。
・TVシリーズ 全26話
・コミックス 全96話
・新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
・新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
・REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に
・ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
・ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
・ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
時間を見つけては繰り返し、繰り返し、最後まで繰り返し観た。
そして
・シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
彼らと同じ14歳に、
彼らと同じように自分に悩み、
人間関係に悩み、それが解決されぬまま過ごした25年の時。
紆余曲折を経たボクの"青春"は
ここでやっと区切りがついた。
やっとこれで大人になれるのかもしれない。
「𝄂」は、終止線。
エヴァンゲリオンという物語は、ここで終わり。
「𝄇」は、曲頭に戻る反復記号。
ボクらの人生という物語は、きっとまた同じことの繰り返し。
期待し、絶望し、克服し、そしてまた期待する。
きっとそのすべてを受け入れることが愛なんだろう。
ボクはエヴァンゲリオンによって愛を考えさせられ
そして、エヴァンゲリオンによって愛を知ることになった。
25年の月日はそれを知ることができるには十分すぎる経験を与えてくれた。
またいつか、庵野秀明の気が向いたときに
エヴァンゲリオンの新作が作られることを淡く期待している自分もいる。
このループからはきっと抜けたくないと心のどこかで思っていたんだろう。
それでもこの物語はここで一区切りをつける必要があったんだ。
彼にとっても、彼ら彼女らにとっても、もちろん、ボクらにとっても。
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