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【台湾のジャズライブ】Cube Band

今回は、ジャズとは少し異なった面白いバンドを紹介します。中国の伝統楽器、琵琶、古箏、打楽器によるトリオ、Cube Bandです。
彼女達の音楽は、中国の伝統音楽をベースにしていますが、現代の台湾に生きる若者としてのオリジナリティーも充分で、とても新鮮なものだと思います。
バンド名の "Cube" は、3つの次元を持つ六面体をイメージしているのだそうです。3人のミュージシャンがそれぞれの次元でキチンと役割を果たすことで一つの形を音楽を作り出す、その様なコラボレーションをやりたいということで命名されています。

Cube Band

Cube BandのFBホームページ

吳妍萱

彼女の古箏(台湾では中国の琴のことをこの様に呼びます)の演奏は、2022年3月にピアニスト林亮宇とのデュオで聴いたのが初めてでした。林亮宇がクラシックの演奏をベースにして、作曲にジャズにと様々な活動をしているので、この中国の伝統楽器古箏と一体どんな音楽を演奏するのだろうと、興味津々で聴きに行きました。
そこで聴いたこの吳妍萱の古箏の演奏が素晴らしかった。彼女は古箏の演奏を学ぶために北京中央音樂學院に留学したのだそうです。そこで伝統的な古箏の演奏の表現を学びました。そこでは、非常に厳しく音楽のみに打ち込む生活を送ったそうです。彼女の古箏の演奏に入り込む様子は、とても集中力に満ちた、まるで別人格になる様な印象があります。

このCube Bandでは、古箏はピアノトリオのピアノの様な役割を担っています。主要なメロディーとバッキングに回った場合の伴奏の表現。ピアノデュオの場合と違って、同じ中国伝統楽器を演奏する仲間という気やすさはあるのでしょうが、演奏する時の集中力は同じ様にすごいものでした。

吳妍萱

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蘇筠涵

蘇筠涵は琵琶の奏者です。吳妍萱が古箏のヴィルトゥオーゾとは知っていましたが、彼女の琵琶の演奏も古箏に劣らずとても難易度の高いものでした。中国楽器としての琵琶は、トレモロ奏法にとても特徴があります。このトレモロを、蘇筠涵は素晴らしい速さと滑らかさで演奏します。
日本で聴く琵琶の演奏とは違い、軽い音をたくさん鳴らす印象ですね。それなので、アーティキュレーションの多い古箏と異なった表現になり、アンサンブルの妙がある様に思います。

蘇筠涵

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方馨

方馨は中国伝統楽器によるパーカッション奏者です。様々な楽器を鳴らします。音階を出すカリンバなども使っていました。古箏と琵琶が楽器として完成された伝統のスタイルなのに比べて、方馨の担当は、それ以外、変幻自在と言った様子です。
また、彼女はバンドのMCも担当しています。吳妍萱が専ら音楽の内容についての説明をするのに比べて、全体の進行係といった役割分担をしています。
諸々、彼女が優秀なソロイストの為の環境を整えている様な気がします。

方馨

方馨のFBホームページ

女巫店

このお店は、台湾大学の近くに立地しており、とても特徴のあるライブの企画方針を持っています。ここで演奏される音楽は、オリジナルの独創的なものでないといけないのです。他の人のカバーであるとか、スタンダード曲を演奏するとかでは、出演させてもらえません。ですので、ミュージシャンが新しいアルバムを作った時に、発表の会場にするケースが多いですね。
また、付近が住宅地なので、ロックの様な大音量の音楽は避けられ、ジャズやフォークソングの演奏が好まれています。

こういうライブハウスなので、ジャズミュージシャンのとてもユニークな演奏を聴くことができます。それで、僕はしょっちゅうこの場所に顔を出しています。

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Daydream

夜半聽潮

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