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【台湾のハイキングコース】台北グランドトレイル

台北は、ほぼ四周を山に囲まれている盆地にあります。そのためMRTやバスで30分も移動すると、あちらこちらに登山口を見つけることができます。

台北市は、沢山ある台北郊外のハイキングルートから8つのルートを選び、台北グランドトレイルとして普及を進めています。
僕はこのルートはSection 8のサイクリングルートを除いて全て歩きました。どのルートも、アクセスが容易で特徴的、そして楽しく歩けます。
台北市のホームページをご覧いただければ、中国語と英語で詳しく説明がありますので、ここではコースの概要と僕の感じた印象を紹介します。

8つのコースが紹介されています

Section 1

MRT關渡駅から二子坪までの7〜8時間コースです。
二子坪というのは、大屯山登山の北側の拠点となっている場所ですので、標高がとても高く、700mほどもあります。關渡の駅は淡水河の近くですので、ほぼ海水面と同じ高さから、延々と700mも登っていくことになります。僕は、このコースを關渡から晴天宮までと、二子坪から晴天宮までの2回に分けて歩いています。それでもそれぞれ4時間近くかかる距離ですので、そこそこ大変です。この距離を1日で、しかも河辺から山の上までというのは、結構しんどいと思います。

Section 1

Section 2

これは二子坪から大屯山の3つの峰を全て踏破し、七星山の麓の小油坑まで歩くルートです。時間は6〜7時間と書かれています。
これは、この台北グランドトレイルでは最も難易度の高いコースでしょう。というのは、大屯山の主峰、西峰、南峰というのが陽明山の中では最もチャレンジングなコースだからです。そもそも、大屯山の主峰は1,092mの高さを誇る、陽明山系の第二の高さの山です。それに加えて、この西峰、南峰というのも曲者で、急勾配のためローブを駆使しないと登るのも降りるのも困難です。まるでアスレチックコースの様な印象の山登りです。
この山々を越えて6〜7時間歩くというのは、相当にしんどいコースだと思います。

Section 2
急勾配の大屯山西峰

Section 3

これは小油坑を出発して七星山を踏破、擎天崗を抜けて尾根沿いに風櫃口まで歩くルートです。所要時間は7〜8時間。
このルートは初級者にもおすすめのコースです。小油坑がそもそも高い所にあるため、ここから七星山を登るのは、他の七星山登山ルートよりも楽です。七星山は陽明山系の最高峰で、1,120mありますが、ここに辿り着いた後はずっと降りですし、擎天崗から風櫃口まではとても緩やかな下り道です。無理せずに歩いて行くことができます。
七星山から見る台北のパノラマは絶景ですし、擎天崗の高原の散策では、とても開放的な風景を楽しめます。風櫃口までは緑に覆われた森林の中を歩いていくことになります。

Section 3
七星山からの眺め

Section 4

これは風櫃口から五指山を経て、大崙山に達し、そこから内湖まで降りてくるルートです。所要時間は7〜8時間。
このルートも僕は2回に分けて歩いています。丸一日歩くのは大変ですね。山の高さは大屯山や七星山ほどはないので、相対的には楽ですが、距離が長いです。
途中の白石湖吊橋の辺りにレジャー施設があり、きちんとした食事ができるので、ここでお昼を食べる4時間のハイキングコースとしてよく歩いています。

Section 4

Section 5

これは僕が最もよく歩いているハイキングルートです。MRTの劍潭駅からスタートする手軽さと、最終的なゴールを疲労具合によっていくつかに設定できる柔軟性から、よく使っています。
標準的なコースとして設定されているのは、碧山嚴まで歩く7〜8時間のコースですが、これはこの最後にちょっとした登りがあり、結構しんどかったです。
途中、大直に抜けるコース、内湖に抜けるコースなどがあり、そちらで金面山に登るルートをよく歩いています。

Section 5

Section 6

これまでの5つのコースが全て台北の北側にあるのに比べて、Section 6と7は、東南の方向になります。ですのでこの台北グランドトレイルは台北の街の北側と東側をぐるりと半周回るルートになります。
台北のハイキングルートとしては象山が最もポピュラーですが、このSection 6は、その象山を含む四獸山の東の端を掠めて大きく迂回するルートです。スタート地点をMRTの麟光駅、ゴールを中華科技大學とありますが、このゴールはほぼ南港の駅の近くですね。
山としてはそれほど高くなく、比較的容易なコースです。

Section 6

Section 7

これはモノレールで有名な貓空にモノレールを使わずに登って降りるルートです。政治大学の周辺をスタートにして、指南宮を目指して貓空に到達。そこからまた山を迂回して政治大学に戻ってきます。
このコースは、ちょうど登った先が貓空なので、そこで一休みしてゆっくり食事ができるのが良いです。所要時間は5〜6時間とありますので、まるまる1日かけなくても踏破できます。登った先にモノレールもあるので、半分だけ足を使い半分はモノレールで直接降りてしまうという計画もできます。

Section 7
貓空から北側を眺める

Section 8

このSection 8は、最近加えられたルートです。これはハイキングルートの起点關渡と終点動物園を、サイクリングロードで繋ぐという趣旨のルートです。途中は淡水河と新店溪のサイクリングロードを走っていますね。
全長は38キロとありますが、走行時間は4〜5時間ということで、天気が涼しければ快適でしょう。日差しの強い夏には、厳しいことになりそうです。
このルートだけは、まだ走ったたことはありません。

Section 8
河沿いのサイクリングルート

台北市が選んで整備したハイキングルート

以上の8つが台北グランドトレイルと名付けられたハイキングルートとサイクリングロードです。

台北にはこの他にもたくさんのハイキングルートがありますが、台北市はこの8つを代表的なルートとして整備し、外国人向けにもアピールしています。実際歩いてみると、このルートではサインがしっかりと整備されており、迷子になる心配をせずに安心して歩くことができます。山道も大体において整備が進んでおり、とても歩きやすい状態になっています。

僕が台北郊外の山登りを始めた際は、この様なルートが整備されていることは知りませんでした。しかし、たくさん歩いた中で、ここに紹介されているルートは確かに、風景の変化に富み、また一繋がりの連続した登山道として、チャレンジのし甲斐があります。

おすすめは、取り掛かりとしてはSection 5、次にSection 3が良いように思います。皆さんも是非、台北でのハイキングに挑戦してみてください。ほんの30分も山の中に入ると、街中の様子とは全く異なった台北を楽しむことができます。

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