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台湾鉄道東幹線には単線区間がある

先日、台東の嘉明湖に行く際、台湾鉄道の台東駅を使いました。台北から飛行機で台東まで飛び、そこから前日入っていたチームと關山駅で合流するためです。

台東始発の列車の出発が遅れた

飛行機で8時20分に台東飛行場に到着、荷物をとってすぐにタクシーで台鉄の台東駅に向かいました。9時前には駅に到着、駅前の広場で珍しいおにぎりの様なものを食べました。"小米阿粨"というのだそうです。粟を葉っぱで包んで蒸したものでした。なかなか美味しかった。

小米阿粨

9時40分の自強号の切符を買って、ホームで待っていると、30分ごろには列車が入ってきました。台湾鉄道の東幹線では台東駅が最南端のターミナルステーションになっているので、この自強号はここが始発駅だったのですね。それで、早々に列車に乗り込み出発するのを待っていました。

台湾鉄道の切符

ふと気がつくと、9時45分になっていました。あれ?まだ出発しないのと不思議に思い窓の外を見ていると、列車が入ってくる様子があり、窓の外に下り列車が見えました。その列車が停止した直後、我々の自強号は出発しました。

それで気がつきました。台湾鉄道の東幹線にはまだ単線区間が残っているのだと。

花東線鐵路複線化計画

嘉明湖への旅から帰って、一体台湾鉄道の東幹線にはどれだけの単線区間が残っているのか調べてみました。Google Mapでははっきりしたことが分かりませんでしたが、"台湾鉄道_東幹線_複線化"をキーワードにして検索すると、いくつもの関連したリンクが見つかりました。そのうち最もオフィシャルであろう、交通部鉄道局のものを紹介します。

計畫緣起
因應花東地區未來不斷增加的運輸需求,加強臺鐵花東鐵路運輸能量,並兼顧環境永續與觀光發展,以保有花東地區獨有的生活型態與觀光遊憩特色,符合東部永續發展構想、滿足民眾 返鄉及觀光需求與落實節能減碳政策,期能以鐵路建設作為東部地區公共運輸主軸,爰辦理花東地區鐵路雙軌電氣化計畫。

交通部鐵道局

計画の由来
花蓮台東地区において将来的に鉄道輸送の需要の増加が予想されることから、花蓮台東地区の台湾鉄道の輸送能力を強化し、さらに将来永続的に観光の発展に寄与しできるよう構想する。花蓮台東独特の生活様式観光レジャーの特色に合わせ、東部地区の永続的発展に寄与できるよう、そして市民の帰郷と観光のニーズを満足できるよう、鉄道建設を進め交通運輸体系の主軸とすべきであり、花蓮台東地区鉄道の複線化と電気化を進める。

下の図の赤い線路区間はすでに複線化が終わっている部分です。花蓮から知本までの範囲で複線化がなされているのは、半分に満たない状態であることが分かります。
電気化はすでに2014年6月の段階で工事が完了しているので、現状はこの複線化が待たれている状態だということですね。

花東線鐵路複線化計画

ということは、花蓮から台東までの間では列車がすれ違う際は、それを設定された駅でどちらかの列車が待っていないといけないということです。上の図を見ると台東から次の上りの駅"山里"まで複線化は終わっています。しかし、その先"東里"までずっと単線になっていることが分かります。この様な状態なので、僕の乗った自強号は下りの列車がホームに入ってくるまで出発しなかったのでしょう。台湾鉄道の花蓮台東区間の路線は、現在この様な状況にあるということです。

プユマ号事件のこと

2018年10月にプユマ号の脱線事故が起こった際、僕はたまたま宜蘭にいて、台北に戻る台湾鉄道の列車を待っていました。そのため、一つ間違えると僕はこのプユマ号に乗っていたかもしれないと思い、この事件の経過について調べたことがあります。その内容は下記の記事にまとめてあります。

そこで書いているのは、列車の高速化を図るより前に、線路の状況を先に改善すべきであった。台湾鉄道はその方向で考えていたのだが、政治的な動きのために日本から高速列車を購入することになってしまった。それがこの事件の遠因であり、そして根本的な問題だろうと考えています。

たまたま、台東駅でこの様な事に気が付いたので補足の記事としました。複線化、路線の改善を図らずに高速列車を走らせるのは本末転倒だという印象を免れません。

今は台湾鉄道は安全運転を是としているのでしょう。台東を10分遅れで出発した列車は台北に到着する時刻もほぼ10分遅れでした。線路がこの状態では無理にスピードを上げて遅れを取り戻すということを強要しない。安全第一の運転にシフトしている。そのように感じました。



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