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二樓餐廳

台湾で台北を中心に若者の人気を集めているカフェがあります。"二樓餐廳"、英語名では"Second Floor Coffee"。このネーミングは、建物の2階にある見晴らしの良いスペースで、居心地の良いカフェを作りたいという意図からきているのだそうです。

このカフェは、今とても勢いのあるお店だと思います。南京西路や台北車站のお店はいつ行っても、待ち時間1時間といった状態で、普通に行ったのでは入れません。
人気の理由は、コストパフォーマンス。それなりのお金を払うのだけれども、それに見合うサービスを得られる。このカフェで食べる食事と飲み物はとても質が良いと思いますし、台湾人がこだわる満腹感も得られます。そしてお店の空間がとても居心地が良い。スターバックスの様なソフィスティケイトされたデザインをしています。店員さんのサービスと、お店自体の接客プロトコルも洗練されていると思います。

敦化南路店

初めてこのカフェに入ったのは、敦化南路で午前中の打ち合わせを終えて、ランチの場所を探していた時でした。同僚の女子社員がおすすめのカフェがあると連れて行ってくれました。敦化南路の大通りから中に少し入った、2階建ての小さなお店で、名前の通り客席は2階にありました。

メニューは、イメージとしてはヨーロッパのホテルで食べるコンチネンタルスタイルの朝食ですね。パンとサラダを中心に、ソーセージやベーコン、オムレツなどを合わせた、たくさんの種類のメニューを準備しています。
特徴的なのは、飲み物を食前と食後の2種類を準備していること。食前は牛乳とか野菜ジュース、食後はコーヒーや紅茶など、組み合わせを自由に選べます。
金額は250元から500元ほどですので、決して安い食事ではありません。普通の弁当が100元内外であるのを考えると、倍以上の値段です。しかし、これだけの料理と飲み物が供され、雰囲気の良いスペースで過ごせるなら、これはなかなか良いカフェだという印象でした。

道路に面した佇まい。
ハンバーガーセット。

仁愛店

次にこのカフェを見たのは、復興南路を散歩していた時でした。ランチをとる場所をと目ぼしいお店を探していたら、仁愛路と復興南路の交差点近くにSecond Floor Caffeeの看板を見つけました。
この店は、敦化南路のお店に比べるとかなり広く、建物もビルの1階と2階でした。広い分室内はゆったりと過ごせましたね。

仁愛路に面したお店。
オムレツとフレンチトーストのセット。

中山南西店

普段会社から家に帰る際に、MRTの上の帯状公園を歩いてゆくことが多いのですが、その途中でも二樓餐廳を見つけました。南京西路の三越の北の路地の中です。
この店はとても繁盛していて、店の前に行列ができていました。お店に席の具合を聞いたら一人でしたら1階のカウンター席にどうぞと通されました。後で2階席を見たところ、とても広い設えになっていて、グループだとこちらになるわけですね。

この日はスパゲティーとスープのセットを頼みました。

路地からセットバックしています。
2階の客席スペース
パンとスープ
スパゲティーもあります。

台北車站店

台北車站の2階微風廣場のレストラン街にも、Second Floor Coffeeはあります。このお店は昼の時間に行っても必ず行列しているので、ランチには使えません。(予約を入れておけば入ることはできます。)開店時間直後に朝食を食べに入ったことはあります。
広々とした店内にゆったりと席をとっているので、とても快適に過ごすことができます。

南港車站店

このお店は高層の駅ビルの中にあるので、他のお店のアットホームな感じとは少し異なっています。店舗展開を進めていて、この様な場所でも営業を始めたのですね。2023年6月にここを訪ねた時はそれほどたくさんのお客は入っていませんでした。

駅ビルの中の新しいスタイルの店舗。
ベーコンと卵焼き、フライドポテトのセット。

お店のコンセプト

このお店のHPに、何故Second Floorなのかを説明した文章がありますので、訳出してみます。このお店のHPに、何故Second Floorなのかを説明した文章がありますので、訳出してみます。

「隱密的巷弄間靜靜地倚著大樹的獨棟建築,這是我們的起點。
取名為「貳樓」是因為大樓林立的都市裡二樓不會是個商辦空間,也不會是個營業場所;二樓是一間間我們在精神上依靠的住家,同時一份份的溫暖也從二樓開始發生。
貳樓就想帶給顧客最純粹的『家的感覺』,裡面有我們希望營造的溫暖自在氛圍以及用心、創意的新美式料理。在這裡,用料理分享愛、用愛創造人情味。」

二樓餐廳HPより

「大通りからから離れた路地に、大きな樹木の傍に静かに佇む一軒家。これが私たちの出発点です。
名前をSecond Floorとしたのは、ビルの林立する大都市の中で、2階の空間は、オフィスでも商業空間でもない、温もりのある我々の生活空間になります。
その様な2階の空間はお客様に、"まるで家にいるような"感覚をもってもらえます。この場所で我々はアットホームで居心地の良いスペースをつくって、オリジナルな新しいアメリカンスタイルの料理を提供します。ここで、愛に満ちた料理と、優しさに溢れるサービスを提供します。」

このコンセプトからすると、仁愛路のお店が最もそのアイデアに近いお店の様に思います。単独の2階建ての建物で、その2階に客席を配置、お店の規模もそれほど大きくなく、アットホームな雰囲気があります。
しかし、このお店の強みは高い価格設定にも関わらず、お客さんを呼び込むことのできる商品力とサービスです。それで、現在はその名前にもかかわらず、さまざまな場所で店舗展開を図っているのでしょう。

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