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共享汽車/カーシェアリング

先日、大直にある友人のオフィスに行きました。行く時はUberで車を呼んで行ったのですが、帰りはカーシェアリングサービスを使いました。

Uber

台湾ではタクシーの代わりにUberを使うことがよくあります。特に女性はUberに乗ることを好みます。台湾ではタクシーに女性が単独で乗った場合、暴行に遭うというニュースが跡を絶ちません。そのため、女性が一人でタクシーに乗るのはタブーに近い。特に夜はご法度です。
そんな中、Uberですと運転手と車両は一応管理されていますので、女性としては安心して乗れるわけです。
男性は特にタクシーでも問題ないのですが、日本人駐在員は中国語で行き先を伝えるのが難しい場合があり、やはりUberを多用しています。また、地方都市で流しで走っているタクシーが捕まらない時もUberのサービスを使います。

そんな訳で、台湾で暮らしていると、Uberに乗る機会はとても多いです。この日も復興南路から大直の友人のオフィスに向かうのにUberを使いました。

帰りは"共享汽車"

オフィスでの用事を済ませて帰る段になると、友人は僕を連れて歩き出しました。中国語で"共享汽車"のサービスを使うと言っていたのですが、この言葉の意味するところがよく分からず、ただ付いていきました。タクシーを捕まえるわけでもなく、Uberでもない、一体何処に行くのだろうと不思議でした。
10分くらい歩いて、そこの車に乗りますと伝えられました。それは、路上に停めてあるUberと同じ赤いナンバーの乗用車でした。
エッ、この車に乗るの?とちょっとビックリしましたが、友人は車のドアを開けて、エンジンを始動させました。
これが中国語で"共享汽車"と呼ばれるサービスでした。

僕はこのサービスのことは何も知らず、初めて"共享汽車"の車に乗ったので、友人はサービスの概要を説明してくれました。

台北では、Ubikeの様な自転車のシェアリングサービスと同じ様に、今は"共享汽車"というカーシェアリングサービスがあるのだそうです。業者は3社ほどあり、もうしばらく前からこのサービスを行なっているとのこと。
このサービスの会員になると、台湾で路上駐車してあるその業者の車に自由に乗ることができるのだそうです。サービスはスマホのアプリを使って、車の検索/申込み/費用の支払いをします。台北の街では,このサービスはかなり普及していて、歩いて10分程度のところに車を見つけられることが多いそうです。
ポイントは、料金の発生しないフリーの路上駐車エリアに停めること。そうしないと駐車時に料金が発生することになり、それはマナー違反なのだそうで、一定期間サービスが受けられなくなるそうです。

友人は、大直でこの車をゲット、一緒にドライブして中山北路まで僕を送り届けてくれました。その後家の近くまで行って、適当なところに車を停められばそれで終了。僕は、こんな風に車を使うサービスがあるのだと、とても感心しました。

日本にもあるカーシェアリング

このサービスは、実のところ日本でもある様です。単に僕が知らなかっただけですね。"共享汽車"をWikipedia で検索すると、"カーシェアリング"という言葉が出てきました。これはヨーロッパで始まったサービスで、2000年ごろからあちこちの国でも利用が始まっている様子です。

ただ、読んでいる限り、駐車場の利用方法が台湾とは異なっている様です。台北で利用したこのサービスは、公共の無料路上駐車エリアであれば、何処でも駐車できるようになっています。そのため、とても広い範囲で利用できます。これが特定の駐車場、でしか使えないのでは、利便性は全く異なります。

Ubikeの成功体験を活かした新しいサービス

このサービスのことは、一度同乗者として助手席に座っただけなので、詳しいことはよく分かりません。ですので、印象だけの話です。

日本のカーシェアリングサービスが、経営モデルをレンタカーに置いているのにくらべ、台湾の共享汽車は、自転車のシェアリングサービスUbikeをモデルにしている様に思えます。Ubikeのサービスステーションはとても数が多い。これはという観光スポット、MRTには必ずサービスステーションがあります。そのため、路上駐車できる場所ならどこにでも駐車できるようになっている。
それに比べて日本のカーシェアリングサービスは、レンタカーのように特定の駐車場に車を停めるようにして車を管理している。その方が車を管理する側にとっては便利でしょう。逆に車を置く場所が台湾の路上駐車エリアの何処でも良いとなったら、車の管理はどうなっているのか。とても大変なことであるように思います。

台北市内のUbike station

台湾のカーシェアリングサービスの行方

台湾の自転車シェアリングサービスは、何処に行っても少し探せば自転車を置く場所がある。そのために利便性が上がり、さらに利用率も上がる。そのような好循環に乗ったため、現在台湾の主要都市でのUbike の利用率は上がっています。僕も鉄道で行った先の街でよく利用しています。
そして台湾のカーシェアリングサービスは、このような利便性を目指しているように思われます。

今後このサービスが流行っていくのか、それとも何らかの理由で廃れていくのか、とても興味があります。とてもフレキシブルに対応していく台湾なので、このサービスも,上手く使いこなしていくような気はします。


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