いとうひろゆき
【イトログ_008】 起点
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【イトログ_008】 起点

いとうひろゆき

※この記事は2016.03.16に書かれたものです


今、僕は中米ニカラグアにいる。

毎年恒例のコーヒー豆の買い付けが目的なのはもちろんなのだけれど、今回はいつもとは少し違った気持ちでこの地に来ている。


6年前から僕はこのニカラグアとエルサルバドルという2ヵ国を訪問し、農家さんたちからの直接買い付けを開始した。

でも、もちろん全くつながりがない無謀な状態で始めたわけではなく、僕をコーヒー産地に連れて行ってくれ、一緒に農園を周り、それぞれ買いたいコーヒー豆を一緒に輸入してくれる仲間がいた。

この仲間がいなかったら僕はコーヒー産地になんて行けていなかっただろうし、今カリオモンズコーヒーで販売している素晴らしいコーヒー豆を生産している農家さんたちとの出会いもなかっただろう。

全てはこの仲間との出会いから始まった出来事だ。


そして、みんなで話し合って、今回の共同買い付けで僕たちはこのグループを解散することを決めた。


グループでやっていると自分の力以上の力が出せる。これはとても素晴らしいことだ。

しかし、ずっと続くとそれが自分の力だという勘違いを少なからず起こしてしまう。

今の僕自身がまさしくそれで、当たり前に素晴らしいコーヒー豆が手に入るということを自分の力のように発信してしまっているのではないかという不安に駆らながら、ここ最近を過ごしていた。

とくに輸入に関しての業務はほぼ完全に仲間に頼りっきりで、正直なところ僕は自分が買ったコーヒー豆がなんという船に積まれてどんなルートでやってくるのさえ知らない。

どこにどれだけの経費がかかるのか、どの時期にどういった手続きが必要なのか、それすら今の僕は全てを把握していない。


今の僕たちの立ち位置を身を持って知り、その上で改めて自分たちの力に挑戦するということが必要な時期にきていると感じたのだ。

同時に、ダイレクトトレードと謳いながらこれまで農家さんたちを取り巻く環境を本質的に考えていなかったことを戒め、これからはそれを第一に、本当の意味での『美味しさ』を追求したいと思った。


幸い農家さんたちも、そんな僕らの意向を前向きに捉えてくれていて、継続して取引ができそうな検討もついている。

欧米の大きなマーケットで戦う同業者たちと比べると、これっぽっちの購入しかできない小さな僕たちを客として認め、取引をしてもらえることに言葉にできないほどの感謝を感じている。

前途多難だし、やらないといけないことは格段に増えるけれど、これからは本当の意味で農家さんたちとのつながりを感じることができると、内心わくわくもしている。

これから本当の『ダイレクトトレード』が始まるのだ。


この6年間、カリオモンズコーヒーを、そして僕自身を成長させてくれたグループの仲間にはとても感謝している。

そしてこのつがなりはなくなるわけでなく、これからも形を変えながら続いていくことだろう。

最高の仲間に恵まれたことに感謝しながら、残りの産地訪問を楽しもうと思っている。

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いとうひろゆき
カリオモンズコーヒー代表。 カリオモンズコーヒーロースターとKARIOMONS COFFEE NAGASAKIを運営中。