骨抜き志願

朝9時にスポーツクラブから帰ってきてPCに電源を入れると、友人に音声チャットで話し掛けられたのです。
「今晩、鍋を食おうぜ」
どうしてこう、いきなりなんでしょう?
「あぁ、いいね」と答えてしまう俺も、どうかとは思うのですが。

そんなこんなで仕事も終わって、夜の22:30。
再度、3人目を加えて音声チャットを開始。
「場所は?」
「キタナカんちでいいだろ」
あぁ、構わん。だが、鍋もコンロもないぞ。
「俺、持ってますよ」
「じゃ頼む。俺は家が遠いから、すぐ出るよ」
うん。じゃ、駅についたら俺の携帯に電話をくれ。
「キタナカの電話番号を知らんぞ」
お前、どうやって合流するつもりだったんだ?

そんな、やり取りをしつつ。
日付が土曜日に変わった頃。
鍋の材料(鍋含む)を買った、3人の勇者が集まった訳で。

「部屋汚なっ!」
勇者達は、俺の部屋を掃除しはじめました。
テレビ画面を拭いています。
PCの液晶画面を拭いています。
床のものを片しています。

一段落ついて鍋の準備。
「で、包丁は?」
さっき買った。
「まな板は?」
包丁がないのに、まな板があるわけなかろうもん!(可愛らしくほっぺを膨らませながら)
「うわ、逆ギレだ!」

そんなこんなで、豚肉メインの味噌味の鍋をいただきました。
美味しゅうございました。

ふと、考えたんですけどね?
これで。家に来たのが女の子だったら、相当イケてる状況だったんじゃないでしょうか?

「もうキタナカったらこんなに部屋を汚してぇ!ホラホラ掃除したげるからどいてどいて!」

「どうせロクなもの食べてないんでしょ? よーし、私がご飯を作ってしんぜよう。えぇっ! 包丁もまな板もないの?」

みたいな展開でお願いしたいです。

実際は。
メチャクチャに衛生感覚について説教されました。
後輩君も、あっけにとられてました。
で。
布団が一組しかない部屋で、布団を横にして男が3人並んで寝ている状況。
そして。
雨は夜更け過ぎに、雪へと変わりましてね。
震えて眠った訳ですが。
布団を巻き込み独り占めしようとする俺に、2人は閉口していたそうです。
危うく、俺の部屋で凍死者を出すところでした。

――談笑中に「お前、本当にメイドが好きだったのな」と言われました。

タメになるコトは書けていませんが、サポートいただけたら励みになります。よろしくお願い申し上げます。