キタナカ、奄美を喰らう【第一夜】「邂逅」

ハブに噛まれて死んだんちゃうか?
それ、テレビ版の「寅さん」。
いいえ、生きてます。
そして、それがケフィアです。
どうも。
浦島太郎の名産地、奄美より生還して日焼けで剥けた皮を食べ食べしてるキタナカです。

という訳で。
7/18~25までの一週間もの間、奄美で戦い続けていました。
ある時は未知の動植物と。
ある時は坂道と。
そして、終生のライバルであるアマミノクロウサギと!
全身を覆う火傷や擦過傷が、戦いの凄まじさを物語ります。
魔境。
幻獣。
冒険。
挫折。
号泣。
失禁。
そして、伝説へ。

【キタナカヒロユキ奄美十番勝負】の1:「アマミノクロウサギ編」
7月18日、夕刻。
空港に降り立った、険しい顔をした男。
つまり、キタナカヒロユ。
っつか俺々!(オレオレ詐欺の第一人者です)
来るべきアマミノクロウサギとの戦いに向けて体調は万全に仕上げてある。
イメージトレーニングでは、2勝13敗。
勝てる!
いや、負け越してる。

タクシーで今回の旅における前線基地となる古仁屋へと向かう。
なんかね、島の中では空港の正反対側なの。
加計呂麻島の近く。
まぁGOOGLE MAPでも見て調べてくださいよ。(非常に投げやり)

「慎重にしてダイタン」を身上とするキタナカさんのこと。
もちろん、情報収集は怠らないですよ。
タクシーの運ちゃんに、「アマミノクロウサギって見れるもんですか?」などとジャブ。
「この島に三十年いるけど、見たことないねぇ」
緊張の糸がプツリと切れる。
「特別天然記念物ですもんね。3,000羽くらいしかいないみたいだし…。ですよね~」
ホッとなどしてない。
断じて、してない。
「キタナカとるねぇど☆すぺしゃる」をお見舞いできなくて残念だ。
うん、実に残念。

ハブは普通にいるそうだ。
役所に持っていくと、4,000円で買い取ってくれるらしい。
タクシーの後ろのトランクに入っていたのは、ハブ箱とハブ取り棒だそう。
生活に密着した毒蛇。
今回は、残念ながらハブとの戦いは想定していない。
対ハブ戦用に編み出したサブミッション「ハブツイスト」完成直前の渡航となったからだ。
なんか、噛まれたら大変そうだしな。
痛いの、キライ。

そんなこんなで、古仁屋に到着。
現地入りする前に、ビールで勢いを付けていたキタナカさん。
いかにアマミノクロウサギと戦い、そして倒すつもりかを力説。
「キタナカとるねぇど☆すぺしゃる」の構えを取りながら解説。
架空の武勇伝を語らせたら、右に出る者はいない。
それがキタナカヒロユ。
そこに痺れろ憧れろ。

「ウサギ、見るっちょ?」
俺の話を聞いた、現地の若い娘さんの一言。
軽っ! そんな軽口レベルの動物じゃないんだよアマミノクロウサギは!
多分さ。
「アマミノクロ…」
「しっ! ココで生き残りたかったら、それだけは言わない方がいい」
ってレベルだと思うんよ。
老人は腰を抜かして拝みだし、力自慢の若者たちは俺の挑戦を鼻で笑う。

大体、だ。
現地に詳しいタクシードライバーですら見たことが無いという幻獣。
こんな小娘が、その所在を知る訳が無い。
冗談は休み休み言ってくれよ。
それとも、ふふ…。
俺に惚れっちまったのかい?
モテ系ヲタクは辛いねヲイ!
「ん~、今晩は月明かりも少ないから見れると思う」
えと、マジで?

明日の仕事が忙しいらしく、酒は飲んでなかった娘さん。
信じてもらえないのが悔しかったのか、車を出してきて俺を後部座席に誘(いざな)う。
酒の勢いも手伝って、後部座席に身を沈める。
明らかに国道ではない、狭い道を流す。
ちょ!
ココって車が走って良いところなん?
しばらく走っていると、茂みから影が!
ま さ か ! ?

「続きはCMの後で」と引っ張って、実はイノシシでした~。
そして…。
番組終了直前、スタッフが見つけた影は!!
なんて言いたいところだが、現実は都合良くはできていない。

と、言いたいところだが、どう見てもアマミノクロウサギです本当にありがとうございました。
あっるぇぇぇ~?
Wikiで調べたら、奄美本島でも3,000羽くらいしかいないはずなのに…。
などと考えている間に、出るわ出るわ。
都合五羽のアマミノクロウサギに遭遇いたしました。
とは言え、光に驚く性質らしく一瞬で茂みへと跳んでいく。
写真なんか撮る暇はございません。
「ねー。結構いるっちょ。30羽くらい集まってるのも見たことあるよぉ」
マジか!
「触ると意外とゴワゴワしてて、毛並みは固いっちょ」
触ったんか?

残念ながら。
奴らは素早く、戦いに持ち込むことは不可能だった。
しかしながら。
3,000羽中の5羽を見たというコトは、約分すると600分の1。
特別天然記念物の600分の1を一晩で目撃するって凄くね?
パンダは2,000頭弱しかいないけどね。(ここぞと珍獣っぷりをアピール)
おっと。
あまりのインパクトに、書き漏らしそうだったが。
同ルート内でウリ坊(イノシシの赤ちゃん)も二頭見れた。
可愛かった。
恐るべし、奄美の大自然。
恐るべし、現地を知り尽くした娘さん。
「夜道でハブを見かけると、『お金(4,000円)が落ちてるっちょ』思うんよ」
…。
スイマセン負けました。

そんなこんなで、初日からド肝を抜かれる展開だった訳です。
う~ん。
本日、すべての勝負を書ききるつもりでしたが、初日だけで終わってしまいました。
そもそも、「10」という数字の根拠が無いんですわ。
ま。
でも、きっと10くらいは勝負してきたはず。
多分。
だといいな…。

究極のインドア派であるキタナカを襲う、刺客たちの姦計。
次々と現れるイベントに、キタナカは太刀打ちできるのか!?
次回。
「バナナボートと日焼けは、加計呂麻の輪舞曲(ロンド)」
「恐怖!マングローブ群生地に潜む甘い罠!!」
の二本で、俺と奄美!

――普通の日記に、ならざるを得ないインパクトでした。

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