キタナカ、奄美を喰らう【第五夜】「主題」

長らく放置すると、風化するよ?
そんな先人の教えを知らないキタナカさんではありません。
日曜日。
朝からパソコンの前に座ったキタナカさん。
神々しいまでの輝きに満ちている。
なぜか家にあった「とある魔術の禁書目録」のDVDさえ見つけなければ。
「このツン娘はデレるの?」
「デレる…かも?」
「デレた!」(すげー嬉しそうに手を叩きながら)
「デロ・ル・レ」
その後。
ゲームしてニコ動タイムに突入し、就寝時間。
一週間の情報不足をリカバーするには、一週間じゃ足りないです。
自己正当化してるようで、「情報」ってのはアニメだったり漫画だったりウェブサイトだったり。
言い訳なんて聞きたくないの~。雨の赤坂、六本木~♪
どうも。
昭和歌謡の作詞も得意なキタナカです。
あ! チャンネルはそのまま!

【キタナカヒロユ奄美十番勝負】の8:「皆既日食編」

7月22日(水)
朝、6時半。
「夜にも弱いが朝にも弱い」のキャッチフレーズの俺が、スッと目覚める。
昨日は2:00就寝でも関係ない。
初めてのデートを心待ちにする乙女のように。
いそいそと準備を始める訳。
白いワンピースに麦藁帽子。
手にはサンドイッチの入ったバスケット。
生まれてこの方、一回も日焼けしたことが無いかのように真っ白な肌。
そうそう。
「避暑地に遊びに来た金持ちのご令嬢」イメージで。
語尾は「ですわ」な感じで、現地の男の子と一緒に「冒険」してお父様に怒られる。
そこまでイメージし、皆既日食を迎えようというキタナカさんに賛辞の嵐。
「惨事の荒らし」って変換されて、某掲示板のカキコミみてぇ、って思ったのは別の話。

そわそわワクワク。
現地の青年(赤銅色。逞しい体つきの漁師)との身分違いの恋。
海辺でのデート。
花火の日。
一緒に逃げるつもりが、父親にバレて軟禁状態。
「私! あの方が好きなの!」なんて、父親に初めての反抗。
初めて娘に手を上げる父親。

そこまで想像が飛躍した時点で、朝食タイム。
うむ、計算通り。
外に出ると、生憎のうす曇。
うむ、想定外。
そもそも。
俺は強固な意志の力(ウィルパワー)で旅行の際には自転車を持っていく。
「雨が降ったら予定はすべて白紙」。
そんな状況を、乗り越えてきた訳だ。
そう!
俺は、一般に言う「晴れ男」ではないのだ。
「雨が降らない男」なのだ。
実際、自転車に乗る上では「晴れ」よりも「曇り」の方が走りやすい。
暑いの嫌~い☆

この一点において、俺は自分のウィルパワーを軽視していた。
心の奥底で「殺人的に暑い天気」を忌避したがってる自分がいたのかも知れない。
同行者の皆さん、スマン…。
日食グラスを持参した訳だが、残念ながら雲越しの太陽はサングラスの方が観やすい。

朝食を終え、部屋で日食番組を観る。
本末転倒。
日食ハンターのカメラマン曰く。
●皆既日食が起こると
・犬が吠え出す
・鳥がいっせいに飛び立つ
・人間は我を忘れる
人間なんか、「今、撮ったばかりのフィルムをカメラから出して感光」させたりするらしい…。
それ、お前だけだろ。
我を忘れすぎだろ。

という訳で日食タイム。
デジカメで夜景モードにして液晶画面で見ると、一番欠けてるのがハッキリ分かるという…。
正直なところ。
80%くらい欠けた日食でも、「心なしか、陽光が弱いかな?」程度。
肉眼だと(よい子はマネしちゃダメだゾ!)若干、上の方が平たくなってる感じ。

「皆既日食」というと、「真っ暗な空にコロナ」という印象があると思いますが、間違い。
アレはね。
「日食グラス越しの光景」なので、空は漆黒にならない。
そりゃそうか…。
食堂(屋外)にあるTVで観て再認識。
こんなに暗くないよ実際んとこ。

とか言っている間に、皆既日食タイム。
99%程度の日食になると、流石に薄暗くなってくる。
午前中だというのに、周りは段々と薄暗くなってくる。
街灯が自動で点灯し、夕闇程度まで暗くなる。
生憎の曇り空ではあるが「おぉぉ!」と思わせる神秘体験ではある。
ダイヤモンドリングが見えるまで(つまり完全に皆既日食な)3分間ほどは、奇妙な風景。
島の向こう側は日が差しており、自分がいる場所だけ夕闇。
イメージとしては。
「真夏日、晴天俄かに掻き曇り黒雲が空を満たし豪雨が降る予兆を感じる」くらいに暗い。
くらいに暗い。
暗い。
位。
CRY~。
歌うよ~FOREVER♪

そして、三分くらいの時間が過ぎると、また陽光が差してくる。
天候に恵まれなかった件に関しては「むむむ」でしたが、これはこれで不思議体験☆
世界最大級の天文ショーは堪能できたかな?とか。
99%の日食と皆既日食には、大きな差がありそうだ。
あの唐突な薄暗さは「へぇ」と思うよ、うん。
だが、しつこいようだが「真っ暗」ではないけど。
ベースキャンプから大和村への移動と宿を取ってくれた人はGJ!と言わざるを得ない。

レンタカーの返却期限もあるので、ベースキャンプへと戻る。
帰りは、つつがなく進み返却期限一時間前に到着。
若手男性陣はウェイクボードに向かうも、俺は遠慮する。
疲れがMAXまで溜まってる。
部屋で午睡(シエスタ)。
HP回復。
ビールを飲む。
寝る。
欲望の赴くままに。
それが、キタナカスタイル。

――一大イベントをこなして、この旅も後半戦へ…。

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