あいみょんがおじさんに好かれる理由
あいみょん、すっかり国民的シンガーソングライターですね。
はじめて、あいみょんの曲を意識したのは、20歳の女性ADが教えてくれた「きみはロックをきかない」と「生きていたんだよな」でした。
「きみはロックをきかない」は、キャッチーなサビが印象的に残った事と、「若い子はロックなんか聴かないんだ…」と淋しく思った事を覚えています。
私はUK、アメリカン、日本のロックバンドも大好きなので、ロックなんかと言われると少し凹む。
ロックいいじゃんねぇ。
楽しいから聴いてくれよ。
そして、あいみょんの「生きていたんだよな」。
単純に良い曲だと思いました。
こういう曲は中高年が書くと「病んでるね。はやく病院行ってきな」と心配される恐れがある。
10代、20代の若者が書いて歌うことで説得力が増す曲だ。
そしてデビューのタイミングじゃないと、世間に受けいられる事もなかった楽曲だと思う。
今リリースされるには、曲の影響力と刺激が強すぎるもの。
あいみょんは大きくなりすぎた。
あのタイミングでリリースする事ができて本当に良かった。
私にとって「生きていたんだよな」が、1番ガツンと心に響いたあいみょんソングです。
その後、「マリーゴールド」の大ヒットで、あいみょんは国民的人気を獲得してゆくのは、皆さんご存知の通りだ。
おじさんにもわかる
あいみょん
あいみょんは、30代、40代のおじさんディレクターに人気があった。
特に「マリーゴールド」。
単純に良い曲だからというのはひとまず置いといて、何故なのか考えてみる。
曲のテンポがおやじ向き
あいみょんの曲は基本、あんまり「早口」じゃない。
最近の若い才能はボカロP出身の人が多い。米津玄師しかりYOASOBIしかり。
息継ぎ無しでも歌えるボーカロイドは、めっちゃ高音でも早口でも自由自在。
だからだろうか、ボカロP出身アーティストの曲は、畳み掛けるように歌ったり、急激な転調が多い印象がある。
それが魅力のひとつだと思うし、私は大好きだ。
あなたは昔、おっさんに言われた事がなかっただろうか「最近の曲は全部おんなじに聞こえる」と。
自分が通ってこなかった新しいカルチャーについて、人はどうしても否定的になる。
漫画、アニメ、ビートルズの曲だって、当時の大人達は否定した。
大人はボカロ系のよくわからないのだ。わからないので「みんな同じように聞こえる」と、新しいものをくだらないものとして扱うのだろう。
それが、あいみょんにはない。
あいみょんの曲はおじさんにも分かりやすい。
彼女はギターをかき鳴らして歌う。
イルカ、中島みゆきに通じる、ストロングスタイルの女性シンガーソングライターである。
おじさんが見ても聴いても安心だ。
そして声質。
あいみょんの声質は、甘ったるくない。
90年代を代表する女性シンガーソングライターのCocco、2000年代のyuiに比べると、あまり女性を感じられない中性的な声質をしている。
おじさんにも聴き取りやすいテンポと女の子っぽすぎない声質が、彼女がおじさん世代にも支持される理由ではなかろうか。
音楽ルーツがおじさんと一緒
あいみょんのインタビューを読むと、スピッツ、尾崎豊、吉田拓郎、浜田省吾、ブルーハーツなど、平成生まれでは珍しいアーティストを好んで聴いていた事がわかる。
そんなあいみょんの作る曲が、70年代から90年代にかけて青春時代を過ごした人に刺さらない訳がない。
だから、あいみょんの曲はおじさんにも好かれるのだろう。
ガッテン、ガッテン!
ちなみに、あいみょんのライブは、10代の若者と、ちゃんとお仕事していそうな若い女性が多かった印象があります。
本当にあいみょんは老若男女に愛される素晴らしい才能の持ち主だと思います。
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