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水戸戦をメンタル面に注目しながら振り返る

 水戸戦について。
 前半の劣勢は監督がコメントしたようにメンタルが原因なのか。試合後、もやもやした気持ちでいましたが、アルマジロさんのnoteやspuse39さんのツイートである程度は腹落ちしました(本当にありがとうございます)。

 お二人の見解でかなりすっきりしたのですが、自分でも考えていたので一応メモしてみます。完全に自分用で、内容自体も大したことはないので拡散はしなくていいです。

前半の入り

 試合の入り、水戸の保持はボランチを降ろして後ろ3枚。対するエスパルスは4-4-2の守備組織です。
 清水は前半、かなり積極的にプレスに行っていますが、水戸のボール保持が上手くボールを奪えません。
 特に水戸の右サイドハーフの武田が降りてくる動きにカルリーニョスが引き付けられ、そこから剥がされているように見えました。

 ここは気持ちの弱さ関係なくサッカーのやり取りで相手に上回られている状態に見えました。頑張って前から行ってはいますがはまっていません。
 その後、スペースを消すように構え始めますが、これも弱気とは思えません。選手もプロですから、お互いのやり方的に前に出ても奪えないのがわかっていたはず。より危険な背後のスペースを消すのは当然の判断です。

前半システム変更後

 エスパルスは35分頃、4-4-2から3-4-2-1にシステム変更。後ろを3枚、前も3枚でプレスに行ける形にしました。この判断は選手が自発的に行なったわけですが、戦術的にベターだったと思います。システム的には噛み合うのでバシッと前に行けばプレスがかかったかもしれません。
 しかしこの時、カルリーニョス、乾らシャドーの選手は前に出ずに後ろを埋めるような動きを見せました。

 ここは心理的な影響かもしれません。それまでの流れの印象が強く、後ろのスペースを消したい意識が働いたのではないでしょうか。
 というのもエスパルスは3バックにしたものの、明確なプレッシングの方法論があるわけではありません。上手くいかないなと考え形を変えても、どうプレスすべきかあいまいなのは否めません。
 一方、水戸はエスパルスが形を変えてもやり方に変化はありません。保持の方法論が明確なので、このままの動かし方で前進できる確信があったのでしょう。

後半の流れ

 後半に入りエスパルスは攻守に前への圧力を強め、アグレッシブな姿勢を見せていきます。
 おそらくハーフタイムにどうプレーするかの確認があったと思われます。盤面とやるプレーが整理されれば本来やりたいプレー「前に、アグレッシブに」が表現できるようになっていきます。
 まず非保持では噛み合っているので、前に出ていけばプレスで捕まえやすくなります。
 そしてボール保持では、左右に大きく振って相手の守備を広げる。広がったらシャドーや白崎がギャップにどんどん飛び出して相手の守備ブロックを押し下げていきます。

 盤面的にはエスパルスの後ろが3枚なので水戸はサイドハーフが出てきます。サイドハーフが出てくると、ウイングバックがフリーになりやすくなります。
 髙橋からウイングバックへのパスをカットされて失点はしましたが、意図としては間違いはありません。
 相手の一列目のプレスを外せれば、白崎や乾が下がる必要が無いのでその分、前に出ていけます。後半は白崎が左のSB-CB間に何度も飛び込んだり、乾が山原と絡んでサイドの高い位置を崩したりといったプレーを見せていきます。

結局メンタルが弱かったのか

アグレッシブさにも確信が必要なのでは

 こちらが前に出たから相手を押し下げられたのか。それとも相手が出てこれない状態を作ったから前に出ていけたのか。卵が先か、鶏が先かの議論のようですがここは両面あると思います。
 確かに無理やりにでも前に出ていったことで、水戸を押し下げることができた。そういう面もあったと思いました。メンタルの影響は確実にあります。
 その一方、何らかの心理的な保証がないと、前に出ていくのは難しいのではとも思いました。
 非保持で言えば、前に出て奪えるから前に出ていけます。また保持では、ウイングバックが逃がしどころになり、そこにサイドバックが出てくればセンターバックとのギャップが空く。多少なりとも、こうやればこういう結果が出るという期待値が無いと行動は起こせません。
 前半のようにプレスがかからず後ろを使われてしまう状態では、前に出て行けと言ってもそれは無理な要求です。そして出ていったとしても効果はなかったでしょう。

時間、そして相手の影響

 試合開始から3-4-2-1で前に圧力をかければ良かったのでは。そう思いたくなりますがサッカーは90分で行われるスポーツです。スクランブルな状態を90分は続けられません。
 実際、これまでのエスパルスも後半にシステム変更をして、試合終盤に向けて選手交代でパワーを出していくゲームプランで勝利を掴んでいます。
 またサッカーは相手がいる対戦ゲーム。心理面の影響は相手にもあります。
 後半、水戸が押し込まれたのはエスパルスの圧が強かったのはもちろんですが、前半と流れが変化したことへの戸惑いもあったのではないでしょうか。

結論として

 結論としては、spulse39さんのポストとほぼ同じです。

・エスパルスのサッカーは前にアグレッシブに向かっていく姿勢によって実現する。
・そのためにはアグレッシブな姿勢が効果に繋がるよう条件を作り出すことが必要。

 まず試合においてメンタルの与える影響が大きいのは間違いありません。特に強引にでも前に出ていく姿勢が重要になるエスパルス。この試合でも足りてないところはあったのかもしれません。
 と、同時にそのメンタルが効果に繋がるよう条件が揃ってなかったのも否定できないと思います。
 結局、どちらかではなく両輪です。単一の要素だけでなく様々な要素を考慮して試合を解釈していくしかないのだと思います。

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