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メンタルの弱さを考える          ホーリーホック戦レビュー

こんにちは。先日行われたホーリーホック戦、結果はご存じの通り1-1の引き分け、エスパルスはプレーオフに進むことになりました。
今回はその試合で秋葉監督が試合後のコメントで言っていたメンタルについて考えていきたいと思います。

試合の振り返りはこちらの御二人のをポストを参考にして下さい

試合の印象ですが、前半はエスパルスの攻撃は停滞しシュート0で水戸に攻め込まれることが多く、後半は逆にエスパルスが攻勢に出て失点はしたもののチャンスを多く作ったという感じになると思います。
秋葉監督は試合後のコメントで後半の躍動感あるサッカーを前半からやるべきだった、それができないのは心の弱さ、メンタルが脆弱だったからと言っています。
ではこのような試合、特にあのような前半になったのはメンタルが原因なのか、メンタルの弱さによって何が起こっていたのかを考えたいと思います。

前半と後半の違い

まず見ていくのは前半と後半の違いです。秋葉監督は後半が躍動感のあるサッカーと言っていましたが、それについてもう少し説明をしています。

エスパルスHPより引用

秋葉監督のコメントからは赤で囲んだところが前半できていなくて後半できた事になります。でもこれだとまだ抽象的なので、実際の試合では前半と後半でプレー面でどんな違いがあったかもう少し具体的に見ていきます。

①前線からのプレッシング
まず違ったのが高い位置からのプレッシングいわゆる前プレです。前半でも行われていましたが、並びを3421(システム変更自体は前半終盤から)にしたことで守備の時はカルリーニョスが一番前に出てCBにプレスにいけるようになりました。

前半でもプレッシングにいった際はカルリーニョスが相手のCBまで出てく場面もありましたが距離が遠い事も多くプレスのスイッチを入れるのは乾かサンタナでしたが、後半はこの並びからカルリーニョスがスイッチとなってプレスが始まりその頻度も増しています。

②前への動き
2つ目は選手の前への動きです。特にサイドでボールが収まった時にボールホルダーを追い越す動きです。
素早くサイドにつけてそれをSBが追い越すのもそうですが、水戸の方がブロックを作った状態のそこまでスペースがない時も前に抜けていきます。

山原が前へ抜ける

これは後半5分の場面ですが、水戸は既に4-4のブロックを敷いた状態で山原がボールを受けます。そこからサイドに開いた乾に預けてからスプリントしてそれを追い越す動き。ここでは乾はボールを下げたのでチャンスにはなりませんでしたが、山原が前にランをかけて相手を1人連れていっているので、乾は1対1の状態でスペースも生まれています。

白崎の前へのスプリント

53分には鈴木からのサイドチェンジのボールを中山が受けたところで白崎がゴール前にスプリントします。この動きに水戸の選手が少しつられて中山への対応が遅れて距離とスペースが空き、中山が中に入ってホナウドにパス。そこから山原に出て最終的に白崎のヘディングまでつながっています。続けて54分にも山原が乾に預けて前に抜けることで乾にスペースが生まれてクロス。
同じく54分には高橋から中山へ、そこで原がインナーラップをしています。(この時は同時に高橋も行こうとしてましたが)続けてその流れから今度は左サイドでもまた乾がボールを持った際に山原がその外を回ります。
また途中投入の北爪は入ってすぐ前への動きを見せています。

同点に追いついたシーンでも

山原にパスをした岸本が動かなかったら1対2だった状況を前に走る事で山原と相手SHの1対1にして、更にSHとSBの間にスペースを作り出しています。また山原と対峙しているSHが山原とゴールの間ではなく横にいる形になってしまっているのも岸本が前に走った副作用と考えていいと思います。

③差し込むパスとか即時奪還とか
細かく見てくとこの辺もありますが、長くなるので割愛します。ただどちらも自分たちから前に向けたアクションを起こすプレーになります。

①のプレスと②の追い越す動きが前後半の違いで一番目立った点ですが、③も含めてどれも前に向かうという動きが後半には見られ、これによってエスパルスが後半は主導権を握って試合を進めたと思われます。

メンタルか否か

前半と後半の動きの違いはこのようになりますが、問題はこれがメンタルに起因することなのかどうかです。
盤面上で見ると前半途中からエスパルスが3421の形にしてそれによって後ろ3枚が固定されてボランチが降りずに1列もしくは2列前でプレーできるようになっています。ホナウドも相手FWの背中側でパスを貰うことが増えています。
また、3バックに対して水戸のほうはSHも押し出してプレスにくるので中盤が薄くなりそれによってパスを通しやすくなった面もあるかもしれません。
システム変更によりカルリーニョスのスタート位置も高くなっています。
なので全てがメンタルの問題で前後半の違いが出たわけでは無いでしょう。

ただ試合の流れを順に見ていくと気づく事があります。
エスパルスにとって良くない前半でしたが、キックオフから試合が落ち着いた後の6分あたりからはエスパルスが攻勢に出ています。

  • 5分 カルリーニョスからプレススタートで最終的にGKまで追いかけて、GKからのボールがタッチを割ってエスパルスボール

  • 8分 高橋が降りてきた中山に縦パス、中山はターンしてマークを交わしてスピードアップしてカルリーニョスにパス、そこからクロスまで。

  • 8分の流れからボールを保持してサイドチェンジを混ぜて水戸のディフェンスを左右に振りながら鈴木から降りてきたカルリーニョスへ。カルリーニョスは横にいたホナウドにパス、ホナウドはカルリーニョスに戻した後に前にラン。これでカルリーニョスが前を向いてドリブル。そこからサイドの乾へ。

  • その流れでサイドでボールを受けた乾の外側を山原がオーバーラップ。水戸SBは1対2になるので、乾にいけず下がる。乾は裏に抜けようとしたサンタナへパス、クロスまで。

ご覧のように後半できていたプレーができています。
しかし前半のその後の展開はご存知の通り、エスパルスからは最初の積極性が徐々に失われえて押し込まれます。35分程からは3バックにしていますが前半終了まで流れは変わりませんでした。
逆に後半は3バックでもスタートから水戸を押し込んでいます。水戸のサッカー自体は試合を通して大きくは変わっていません。なのでこれらのプレーをしなかったのはエスパルスの選手自身の問題の部分も大きいのではないでしょうか。

前に奪いにいく・追い越しいく・狭いところに縦パスを通すのはリスクが伴います。しかしビルドアップには興味はないと秋葉監督が言っているように、エスパルスはチーム全体で組織的にパスを回す事はできません。相手が「こうしてきたからこう」ではなく自分達から何らかのアクションを起こさないと局面に変化をつくれず、水戸戦の前半のようなサッカーになります。
そのアクションを分かりやすく示したものが監督のがいつも言っている「超攻撃的に・アグレッシブに・前に」という言葉だと思います。
(この前にというのはまた別の機会で考察予定)

エスパルスHPより引用

監督は勇気がなかったと言っています。勇気持って前に向かう、ゴールに向かう、ボールを前に出す、これがエスパルスのサッカーの原則です。ますは自分達がやるべきことをどんな状況でもやる。そうしなければエスパルスは勝てません。
では今回はこの辺で、お読みいただき有難うございました。




























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