不動産売却による譲渡所得税の削減方法とは?
7月中盤に入ってやっと梅雨らしくなってきました。私は趣味でサーフィンをしているのですが、毎年この時期は波がなく1ヶ月以上海に行けていないので、ストレスが溜まってきている状態です…台風シーズンが待ち遠しいですね…
サーフィン歴は10年以上なのですが、ここ数年の特徴として、明らかにサーファーの数が増えているなという印象です。テレワークの影響か、コロナ前は全く混まないポイントでも激混みすることもあります。今までは湘南や千葉方面がメインだったのですが、茨城方面が空いているという情報もあるので、少し足を伸ばしてお気に入りポイントを増やす必要がありそうです…
さて本日の本題ですが、譲渡所得税についてです。売却経験者はご存知だと思いますが、不動産を売却すると、個人の場合は譲渡所得に対して約40%(長期譲渡)or約20%(短期譲渡)の税金がかかります。これは分離課税なので、給与や不動産所得による税金とは別に支払います。
法人の場合は所得額によって変わりますが、最高税率は法人税等諸々含めて30%代後半ぐらいかと思います。こちらは分離とはなりません。
せっかく売却したけれども、思った以上に税金が高く手残りはそこまでだった…という思いをした方も多いのではないかと思います。このような方にまず検討頂きたいのが「事業用不動産の買い替え特例」という制度です。
簡単に行ってしまえば、ある条件を満たせば、譲渡所得税が削減できる制度となります。(正確には繰り延べ)その条件とは、個人で事業用の不動産を10年以上所有して売却し、敷地面積300㎡以上の不動産に買い替えた場合に適用されます。収益不動産は事業なのでOKです。※法人の場合は使えません。
具体的にどれだけ削減されるのか?ですがこれは買い替えた物件の価格によって変わります。仮に「買い替えた物件の価格」>「売却した物件の価格」の場合は80%削減されます。つまり、本来支払うべき税金の20%のみ収めれば良いということになります。
例えば、3000万円の税金が600万円だけで良いということになります。これはかなり大きいです。とは言え、繰り延べとなりますので残りの80%は買い替えた物件を売却する際に支払うことになります。
具体的にスタディしてみます。
・売却した不動産の価格:23,000万円
・売却した不動産の取得費:12,000万円
◯買い替えしない場合
・譲渡所得=23,000万円ー12,000万円=11,000万円
税率を20%とすると
・譲渡所得税:2,200万円…①
◯買い替えした場合
・買い替えた不動産の価格:25,000万円
・譲渡所得=23,000万円ー12,000万円=11,000万円
=11,000万円✕20%=2,200万円
※(20%=2,200万円)太字が削減部分
税率を20%とすると
・譲渡所得税:440万円…②
次に繰り延べについてです。繰り延べとは、上記で削減された80%分の譲渡所得を買い替えした不動産の取得費から引く、つまり買い替えした不動産を売却する際に80%分の利益が増えるという意味です。
・買い替え資産の取得価格:
25,000万円ー(23,000万円ー12,000万円)✕80%=16,200万円
※(23,000万円ー12,000万円)✕80%=16,200万円)太字が繰り延べ部分
特例を使わなければ取得費は25,000万円ですが、使うと16,200万円になってしまいます。一見「なんだ繰り延べだからあまり意味がないよね」と思われるかもしれませんが決してそんなことはありません。視点を変えるとその効果の大きさが理解できます。
繰り延べとは、現時点において①ー②=1,760万円のキャッシュアウトが無くなるとも言えます。このお金を再投資すれば、さらにお金を生み出すことができますよね?
属性や物件によりますが、全額初期費用に当てれば1億円程度の物件は購入できるでしょう。利回りで8%以上出て上手く運営すれば、毎年200万円程度のCFを生み出してくれます。これがお金の現在価値という考えです。
そしてこの制度のもう一つ重要な考えとして、買い替え物件を売却しない限り、繰り延べは発生しないということです。つまり、一生持ち続けるという考えで購入すれば繰り延べはそこまで考えなくても良いということになります。
その他、この特例は、以前お話した売却による資産拡大という考え方とも相性が良いです。削減された税金を物件購入の初期費用にあてれば、より大きな資産に買い替えることができますからね。ということで、収益不動産を所有して時間がある程度時間が経っている方は参考にして頂ければと思います。
それではまた。
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