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クリエイティブディレクターの役目とは?【後半】

本日はこちらの記事続編。

クリエイティブディレクター役割、について、私なりの意見を綴ってみたいと思います。

自分でも、依頼者でもない、
知らない誰かに憑依する役割

上記記事の文末にこう書きました

私たちクリエイティブディレクターが中小企業様とお仕事する上で提供できる価値って、おそらくこういう切り口や目線に気づいてあげられることなんじゃないかと。

PRを依頼された商品・企業・サービスをどうPRするのか、その切り口や目線に気づくこと、それがクリエイティブ・ディレクターとしての役割なんじゃないかと常々思っています。むしろそれしかないんじゃないかと。

その上で、気をつけているのは「松本裕美の目線」を捨てること。いま私が伝えたい人は、「松本裕美」という人物像じゃないから。
この広告で「伝えたい人」って誰なんだ?どんな暮らしをしている人なんだ?何に困ってるんだ?何を喜んでるんだ?何を求めてるんだ?お財布事情はどうなんだ…(略)、ってのを延々、諸々想像して、出来るだけその人の目線にたって企画を考える。そんな作業をしています。

時には、ママ友とのランチや付き合いが苦痛な主婦だったり、
時には、娘が思春期でいろいろ戸惑う団塊ジュニアの会社員だったり、
時には、60歳を迎える直前の高齢者だったり。

できるだけ「松本裕美」の目線を捨てて考える。
「ワタシ的に(松本的に)はぁ〜、こっちが好きでぇ〜」とか、そんなんどうでもええねんと、自分で自分にツッコミ入れつつ企画しています。

まず必要なのは、コアなファンとしての「熱視線」

憑依しつつも、もちろんお仕事はするわけで。クリエイティブディレクターに立つ時、いつも私は以下2つの目線を持つように心がけています

そのひとつが「ファンとしての目線」

私はいつもクライアントの販促に携わる時、その会社のこと、商品のいいところを探します。好きなところ、いいなあと思うところを見つけられないと、どうしても「嘘」の広告を作ってしまう気がして。
ただ先にも「松本裕美」を捨てる、と述べたように、あくまで伝えたい人にとって好きなものでないとだめで。

言い方はイマイチですが「松本は要らんけど、この商品を好きになるであろう〇〇な人にとってはこれ、きっといいよね!」を探す。
そうやって、私もペルソナに憑依して、ファンになってみる
「あぁ、これがあると(〇〇な人は)きっといいんだろうなあ、これこんな風にもつかえるなあ♡」なんて妄想が膨らんだりして、じーっと見つめてしまう。
やっぱり自分の好き嫌いだけでなく、誰かにとっての「良さ」を見いだせると、クリエイターはガチで「伝えたいー!」と頑張れてしまう生き物なんだと思います。(個人差はあるかも)

次に必要なのは、
通りすがりの一般人的「客観視」

ふたつめに必要な目線は「客観視」。冷静さもファンになるのと同じくらいに必要だと思っています好きなものを紹介する時は、無駄に熱量を伝えてしまいがちなんですよね
例えば、以下いささか極端ですが、友人・知人からモノを薦められる時、これに近しい言われ方をされたご経験はないでしょうか?

「これね!凄く良かったの!私も使ってみたんだけど、すっごい良くって、ホント感動しちゃった!〇〇と△△が使われてて、タレントの●◎がCM出てて可愛いーと思ってさ。で、とにかく一度使ってみてー!」

もう内容はさっぱりわからんけれど、あぁこの人は、この商品のことすごい好きなんだな、ってこと「だけ」は伝わってくる。かといってその商品ほしくなったか、と聞かれるとそうでもない。むしろひいてしまうケースも。
オススメしてきた人物を、こちらがリスペクトなり、崇めたりしてるなら別だと思いますが。
しかもこれが全然素性も知らない、どっかの一企業が売り出してるものならどうでしょう?尚更な話だと思いませんか。
無駄な熱量とかどうでもいいから、とさえ思ってしまう。(酷い言い草…)
だからこそ知らない人、利害関係の無い人の目線も大切で。ファンじゃなくても、当事者じゃなくても「おっ。これでいいや」くらいには思ってもらえるかな、という冷静さはとても大切。
イメージは「通りすがりの一般人」。そのくらいまで自分の中で温度を下げる、客観視してみる
それでも尚、「これでいいかも」くらいに思えたら、そこにはニーズなり、必要としてくれる人たちなりが、一定層いるんじゃないかと思うんです。

ちなみにこのあたりの冷静さは、先日の私のnote内でもご紹介した、コピーライター鈴木さんの記事をご覧下さい。

鈴木さんの「知らんがな」の目線、個人的にはめっちゃツボです。広告に関わる・関わらんに関係なく、みんな読んだら世の中平和になるのに、とさえ思ってます。超わかりやすいし。

クリエイティブ・ディレクター=船頭さん、みたいなもの

ディレクターって早い話が、伝えたい人の気持ちや情報を「整理整頓」をする人。そして、クライアントが向かいたい方向へ、遭難すること無く連れて行く役目の人です

いわば船頭さんのような存在。どんな船でも舵取りする人がいなくなったら、遭難しまいますよね。下手したら沈没することも。
そうならないために、荒波を乗り越えつつ、時に休憩しつつ、着実に進み続けて、お客様と目的地へ到達するために船頭さん…、もといクリエイティブ・ディレクターは存在するんだと思っています。

大変そうに見えますか?いいえ、これが結構面白いんですよ、この仕事。これからも無事、目的地に到達できるよう、不運な遭難事故を起こさないよう、日々精進していきたいと思います。

本業の話で無意識に力が入ったのかもしれません、
前後編とても長文になり失礼いたしました。


ではまた。

●地域×リモートワーク×専門スキル「@homeディレクター」6/1.Release



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