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ダウ理論ちゃんと理解できていますか?

今回はダウ理論について解説していくと同時に、トレードをするという観点で絶対に押さえておかなければいけないポイントについて話をしていきます。

ダウ理論とは

環境認識の重要性については以前の記事でも解説しました。

改めて説明しておくと、環境認識とは現在の相場が上昇トレンドなのか下落トレンドなのか、はたまたレンジ相場かを見極めること。

この精度が高ければ高いほどトレードで利益を上げられる確率は高まるというのが私の考えです。

その上で皆さんに最初にマスターしていただきたい環境認識の方法がダウ理論になります。

ダウ理論とは、米国のジャーナリストであるチャールズ・ダウ(1851年~1902年)により考案されたマーケット理論で、主に6つの基本原則から構成されます。

基本原則①平均株価は全ての事象を織り込む
基本原則②トレンドには3種類ある
基本原則③長期トレンドは3段階からなる
基本原則➃平均は相互に確認されなければならない
基本原則⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない
基本原則⑥トレンドは転換の明確なシグナルが出るまで継続する


ダウ理論自体は、株式市場を念頭に考案されたものですが基本的に為替市場をはじめどの金融商品にも当てはまると言われています。

詳しくはネットや書籍等で各自調べていただくとして、ここでは私がFXにおいて重要だと思うものに絞って解説していきます。

ダウ理論①平均株価は全ての事象を織り込む

まず基本原則①平均株価は全ての事象を織り込むについてですが、これは言い換えるとファンダメンタルズも含めて相場の事情は全てチャートに織り込まれている。

つまり、チャートだけを見てトレードをするテクニカル分析を推奨するものになります。

ファンダメンタルズの考え方については改めて別の機会に解説する予定ですが、私自身株式投資も含めて相場歴は16年になりますが、ファンダメンタルズの解釈は未だに難しいと感じていますし、プロのアナリストでさえその見解が分かれることがしばしばあります。

また、仮に正しい解釈ができたとしても、私一般人の下にそれらの情報が降りてくる時には、すでに相場が動いていることがほとんどです。

であれば、無理にファンダを考慮したトレードなんてする必要はないんじゃないのか。今ではこのように考えるようになりました。

私自身もファンダを理由にトレードすることはなく基本的にチャートだけを見てトレードしています。

なので少なくともまずはチャートだけを見て勝てるようにならないかを模索する、それでダメだったり利益をさらに最大化したりする際にファンダも考慮するというのが正しいアプローチの方法だと思います。

ダウ理論⑥トレンドは転換の明確なシグナルが出るまで継続する

次に基本原則⑥トレンドは転換の明確なシグナルが出るまで継続する
これがダウ理論の肝であり、全てのテクニカル分析のベースになってきます。

というのも、ダウ理論におけるトレンドの判断は主要な高値と安値に注目していきますが、私のトレード手法である通貨強弱やエリオット波動トレード、その他のテクニカル分析においてもどこを高値や安値と見るかが重要になってきます。

なので、インジケーターや細かいテクニック等を学ぶ前にこのダウ理論で基礎を身につける。

ここを最初のステップとして次に進んでいくも良し、もちろんダウ理論を極めるだけでも十分な利益を上げることは可能です。

そこでダウ理論におけるトレンド判断の方法ですがとてもシンプル。

高値と安値が切り上がっていれば上昇トレンド。
高値と安値が切り下がっていれば下落トレンド。
これだけです。

トレンド転換のサイン①

一方トレンド転換の見極め方ついては、大きく2通りあります。

1つ目が、上昇トレンド中に直近安値を下回ったら上昇トレンド終了(=下落トレンドに転換)、下落トレンド中に直近高値を上回ったら下落トレンド終了(=上昇トレンドに転換)したと考える見方です。

こちらは高値と安値が切り上がっていれば上昇トレンド、切り下がっていれば下落トレンドというダウ理論の定義を素直に考えた場合、その定義が崩れた瞬間、次のトレンドの定義に該当することが確定すれば転換したと見ることになります。

例えば上昇トレンド中に直近安値を下回った瞬間、高値と安値の切り上がりというトレンドの定義が崩れます。

そしてそれと同時にすでに高値は切り下がっていた場合、直近安値を更新した時点で安値の切り下がりも確定しているので、高値と安値が切り下がっているという下落トレンドの定義に該当するというわけです。

トレンド転換②

一方で2つ目のトレンド終了の見方は、「押し安値」「戻り高値」という概念を取り入れ、上昇トレンド中に押し安値を更新したら上昇トレンド終了、下落トレンド中に戻り高値を更新したら下落トレンド終了と考えます。

ここで押し安値とは上昇トレンドにおいて直近の高値を作った起点の安値、戻り高値とは下落トレンド中において直近の安値を作った起点の高値のことを言います。


さらにこの押し安値や戻り高値を更新した時点でトレンド終了=トレンド転換という考え方と、押し安値や戻り高値を更新した時点ではトレンドが終了したのみ。その後、高値安値の切り上がり、切り下がりを確認してトレンド転換するという考え方があります。


トレンド転換の見極め方

押し安値や戻り高値という概念を取り入れてトレンド転換を判断する考え方は、「明確なシグナル」というダウ理論の定義をもう少し突き詰めた考え方になり、最終的にどこでトレンド転換するかはまた意見の分かれるところですが、日本ではこの考え方を採用されている方が多いようです。

一方で欧米のトレーダーは純粋に高値安値の更新があったらトレンド転換と考えるトレーダーが多いと言います。

そして私も同じ見方をしています。
それは、押し安値、戻り高値という考え方に納得がいかないから。

色々な説明がされますが、なぜ押し安値、戻り高値が重要なのかという問いに対しては、多くの市場参加者が見ているからという説明に収斂されます。

ではなぜ多くの市場参加者は押し安値、戻り高値を見ているのかと言うと押し安値と戻り高値は重要だからと説明されます。

この結論をもって理由を説明する循環論法が個人的にどうしても肌に合わないというのが一つ。

そもそもダウ理論の考案者であるチャールズ・ダウは書籍等を残しておらずこの押し安値や戻り高値という概念も本来のダウ理論には存在しません。

そして一番大きな理由は、押し安値や戻り高値という概念を採用しなくても「検証上、自分のトレードには影響がないと判断した」から。

むしろシンプルに高値安値の更新だけを見ていた方が勝率や利益率が最大化した。ここに尽きます。

正直、循環論法やダウさんが言ってないという理由は気持ちの上で居心地が悪いというだけのただのイチャモンです(笑)。

本質は、「自分のトレードにとって」ポジティブな結果を生むのかネガティブな結果を生むのか。テクニカル理論的に正しいかどうかは二の次です。

ダウ理論においてトレンド転換をどう考えるかのアイデアはご紹介しました。

あとは皆さん自身で検証してどれが自分にとっての最適解かを確かめてみてください。

今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。



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