比呂とも巳

note初心者です。がんばって書きます。

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ぼる塾 あんりとの妄想デート

息を切らしながら、僕は待ち合わせの駅までまっしぐらに走った。すでに約束の時間を20分過ぎている。あそこで乗り換えを間違えなければ、こんなことにはならなかったのに。駅から駅へと繋ぐ連絡通路の人混みをかきわけて、僕は遮二無二走った。 ようやくの思いで僕は待ち合わせ場所に着く。駅の改札は平日とはいえたくさんの人が行き交っていて、忙しく歩く雑踏のどこにもその姿は見つけられない。瞼の上に溜まった汗を指ではらいながら腕時計を見ると、長い針は27分を指していた。約束の時間から30分が過ぎ

    • 宝鐘マリン船長との妄想恋愛小説

      僕は海が嫌いだ。途方もない広さと底の見えない深さ。光の届かない深海には、どんな不気味な生物が棲んでいるのだろう。もしかしたら、血に飢えた三つ目の怪物が手ぐすねをひいて待ち構えているのかもしれない。ひょっとしたら、人をあっという間に死に至らしめる凶悪なウイルスが塊となって沈んでいるのかもしれない。そんなことを考えるだけで額が汗ばみ、足がすくむ。泳げない僕にとって海は魔境そのものであり、そんな場所を船などという、木材と少々の鉄で構成された不確かな乗り物で漂うなんて、およそ正気の沙

      • ぼる塾あんりとの妄想恋愛 後輩編

        ああ、とうとうやったぞーーー 神保町よしもと漫才劇場の騒がしい楽屋をぬけ、自販機でコーラを買うと僕はすぐ後ろにあるベンチに腰を下ろして喜びを噛みしめた。 僕の名前は武威あーる鈴木。芸歴2年目のピン芸人だ。尊敬するR藤本さんを真似してこの芸名にしたが、DB芸人ではない。 一般企業への就職をやめて芸人を目指し、がむしゃらに突っ走って早一年。僕はようやく月クラスから風クラスに昇格できた。 側から見ればたいしたことではないかもしれない。それでも試行錯誤しながら積み重ねたこの一

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