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渓流ポートレート撮影に行ってきた話

あなたのココロのスキマ♡ライカと写真でお埋めします、hirotographerです。突然ですが渓流は好きですか?

心地よいせせらぎの音、降り注ぐ木漏れ日、透き通った水の流れ、水面に影を映しながら悠々と泳ぐ魚たち。イメージするだけでどこか懐かしい様な、心癒される様な、そんな気持ちに帰れる場所。それが渓流です。
国土の75%が山地に囲まれ、大部分が森林に覆われた日本だからこそ、数多く存在する渓流。それは日本の宝!ジャパンのトレジャー!日本的宝藏(リーベン パァォヅァン)!!

・・・すみません、取り乱して使えないはずの中国語まで解き放ってしまいました。特に名前はなくても映えスポットでなくても、そんな渓流で写真を撮ったらさぞ楽しかろう、ということで行ってきましたよ、かのガンナムスタイルで一世風靡したPSY(サイ)の国、さいたまけん。。

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見よ、このあふれ出る透明感!
先程のよく分からない話PSYのくだりも忘れてしまうほどです!

駐車場からは1分でアクセスの好立地。15mほど階段でくだっただけですが、そこはひんやり、2~3度気温が下がった様な涼しさに包まれます。それだけであふれ出る異世界転生感、いや別世界観。
今回もHiRo @sora2hoshi8 さんのワークショップに参加する形での渓流撮影です。モデルは ちさとさん。
モデルでも被写体でも自称は個人的にはどちらでもよいのですが、最近B’zの稲葉さんのインタビューをみて感銘を受けたので載せておきますね。

稲「僕の中の意識はあまりアーティストというのもないし、実はミュージシャンという意識もあまりないですね。ましてや音楽家というのもあまりないですね。」
インタビュアー「稲葉さんは何ですか?」

(・・・絶妙な間)

稲「・・・ビーズのシンガーですね(シンプル)。」

稲「・・・ビーズのシンガーですね(シンプル)。」

稲「・・・ビーズのシンガーですね(シンプル)。」

稲「・・・ビーズのシンガーですね(シンプル)。」

頭の中でリフレインするフレーズです。音的には「ビー↑ズ↓」でも「ビー→ズ↓」でもどっちでもいいそうです。以上です。
いつかインタビューされた暁には言ってみたいセリフです。

ごめん、何の話でしたっけ?

渓流おすすめレンズと設定

渓流の背景を活かして撮影するのであれば
個人的には35mm、50mmあたりがおすすめです。足場が不安定だったり前後の動きが難しかったりする場合も多いので慣れない場合は標準ズームがあるとよいですね。iPhone 12の広角・望遠でもOKです。
ビーズから唐突な機材紹介。ジェットコースター展開です。

【今回の機材】
Leica M10-P
Summicron 50mm F2
Carl Zeiss Distagon T* 35mm F1.4 ZM
Summarit 90mm F2.4

今回はほぼ35mmレンズが私はメインでした。背景が木だったり、岩、小石などで煩くなる可能性があるのでできるだけボケがなだらで癖のないレンズを選ぶと安心です。

せっかくなので画像を中心に振り返っていきます。今回はフィルムっぽい現像を意識してみました。最初は苦労したライカのRawも割と手懐けられてきた感があります。

お昼ご飯と構図の美味しい関係

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右上から差し込むトップライトが綺麗で肌や髪、シャツにハイライトがのってます。これは三角構図(赤枠)で安定感を図りつつ、人物から手前〜クネクネしながら画面奥という視線誘導(青線)を狙って奥行きを感じられる様にしています。

L1003679のコピー

この日のお昼はツナマヨとチャーシューの具が入ったおにぎりでした。食べ物のインスピレーションはとても大事なので次回はホットサンドにチャレンジしてみます(

フルマニュアルのライカで撮った理由

渓流だと基本的に足場が悪いので基本はオートフォーカスのカメラがおすすめです・・・が、今回はライカM10-Pで全部マニュアル撮影。事前にHiRoさんとこんなやりとりをしていたにもかかわらず、ライカを持ち出す暴挙にでました。絶対にやるなよ!と言われると絶対やってしまうタイプです。

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理由は簡単でピントが合ってない写真も撮りたかったから。ピントがあってなくても雰囲気が伝わってくる素敵な写真ってあると思うんです。どこまで外してOKなのか、どこからダメなのか、その範疇も見極めつつ、いい感じに普段の撮影の感覚をぶっ壊したいなという衝動に駆られたのです。ちょっとピントの外れたファジーさが淡い記憶の様に見えてくる・・・ハズレ具合もいろいろ合って、絶妙なやつ、やりすぎなやつ、レンズや焦点距離によっても変わってくるので言語化しづらいのですが、「ちょうどいい」「気持ちいい」感じがゴールです。これってオートフォーカスのレンズのマニュアル操作だとちょっとコントロールしづらいんですよね。

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渓谷と警告のハイライト

ちなみに渓谷になっていて両側が切り立っており、お昼の光が上から差し込んでくる構造になっているため、光が当たったポイントがめちゃくちゃ白飛びするのでいつもに増して光の読み方が大事です。ライカはシャドウが強い分ハイライトがすぐ死ぬので、アンダー目を心がけて白飛びしないギリギリを攻める必要があります。ただ、特に石とか白いシャツとかはぶっ飛びまくりなのですが、それに合わせるだけだとシャドウがつぶれてなんだかわからなくなるケースも出てくるので、バランスみながら時には敢えて一部ぶっ飛ばすくらいの気持ちは必要です。写真は選択の連続ゥッ!選択した結果の白飛びや黒つぶれは愛してあげましょう。

渓流では木々の間を縫って光が降り注いでいるのですが、露出をハイライトに合わせてこんな感じでスポットライトっぽい撮影も可能です。露出オートでカメラ使う場合はスポット測光などにして、一番明るい部分で露出を合わせておくと間違いないと思います。


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五感で渓流、あるいは語感が係留

水面の光の反射や水飛沫、風などを活かした五感で渓流を感じられる写真も撮れるが魅力ですね。ちなみに水面の玉ボケを使った1枚目もマニュアルフォーカスじゃないと撮りにくいはずです。動きがあるポートレートも撮りたいところですが足場の問題で結構難しかったりするので、その分水に動きを出してもらう、という方法もあると思います。
写真なので視覚はもちろんのこと、風の触感や水の音が聞こえるようなそんなイメージをすると色々撮れます。ただ、味とか匂いとか言い出すと沢蟹とか岩魚とかを焼いているところまでやらないといけなくなるので五感とか余計な事言わなきゃよかったと5mmくらい後悔しています。代わりに今回はコーヒーを淹れました。渓流で飲むコーヒーは最高 of 最高ですが、ゴミはちゃんと持ち帰りましょう。コーヒーの写真?撮り忘れました、ええ。

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野生のライカ

ちなみに特に水の綺麗な渓流では野生のライカが釣れる可能性がワンチャンあるみたいですのでよかったら狙ってみてください。気を取られて自分のカメラが水没しないように十分注意が必要です。特に2台持ちだと1台で撮っている間にもう1台が絶賛水没中で息してない!はい、文字通り「水(見ず)の呼吸」ってうるせーわ!!みたいなことも多々あるようなので楽しい撮影が惨劇に変わらないようみなさまにおかれましてもご注意されたい。

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この一本釣りされそうな1枚ですが、構図的には以下のように黄金比を意識して撮ってます。

スクリーンショット 2021-05-06 1.36.53

さらば渓流の光

今回は渓谷状になっている場所でしたので、時間帯や木立との干渉で光が当たる範囲が限られますが、日陰でしっとりとした雰囲気を出したり、逆光、半逆光などを活用するなど結構バリエーションのある写真が撮れるのが渓流の面白さじゃないかと思います。

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渓流撮影の注意点

いいところばかりに見える渓流撮影ですが、注意点も多数あります。
・水難事故、転倒事故、
・岩場での切り傷、擦り傷
・危険な生き物(蚊・ブヨ・スズメバチ・蛇など)
・急な天候の変化
・増水、転石
自分だけならまだしも同行した他のフォトグラファーやモデルさんを危険に晒すのは絶対に避けなくてはいけません。川の状態含めた下見は必須ですし、ちゃんと装備がないと対策ができません。怪我をさけるのはもちろんです。濡れた衣装は動き辛さが増しますし、体温を奪い、つらい撮影経験になったりするのも不幸です。私は生きとし生けるありとあらゆる生物に好かれがちなので今回も数箇所虫に刺されて結構足が腫れました。これが翌日撮影を控えているモデルさんだったりするとそれだけでも迷惑をかけることになるのでちゃんとした事前のコミュニケーションがめちゃくちゃ大事です。街中で撮影するよりも格段にリスクが上がるので、お互い信頼できる人たちでチームを組んで臨むべきですし、少なくとも「初めまして」の撮影から渓流を提案してくる人には気をつけたほうがよいでしょう。

ちなみにどういった装備が必要で何に注意すべきか、というのは調べてもなかなか出てきません。私もちょくちょく参加してますが、HiROさんの渓流ポートレートワークショップに参加すると注意点や安全対策について学べるのでおすすめです。

このnoteで渓流ポートレートに興味を持っていただいた方は楽しい撮影が事故でトラブルになったりしないよう、十分な準備・計画の上、注意しながら実施いただけたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。これからも撮影や旅に関するnoteを定期的に発信していく予定です。興味を持っていただけたり、少しでもココロのスキマ♡埋まったな♡→❤️、と思ったら、フォロー、いいね、頂けると嬉しいです。
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