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Twitterの写真投稿キャプションは8割〇〇〇〇〇説→答えは本文で!!

あなたのココロのスキマ♡ライカと写真でお埋めします、hirotographerです。

以下のTwitterの投稿を目にして、「確かに言いたいこと、めちゃめちゃよくわかるな・・・」とヘドバンするほど思ったのは私だけではないだろう。
この文脈で「キャプション」というのは写真に付けられるコメントなのだが、Twitter独特の進化というかメタモルフォーゼを遂げていることは否定できない。

「xxxが美しかった」「xxxのワンシーンのようだった」「xxxが絶景だった」「ジブリのようなxxx」というな写真投稿のキャプションを一度は目にしたことがあるだろう。キャプションでなくても #ファインダー越しの私の世界 のような異世界の呪文も割と一般化しているほどだ。

写真表現は非常に微妙でステートメントなどで写真の意図や展示のテーマを適切な補足・方向付けをすることがある。一方、昨今のTwitterの写真投稿キャプションのように捉え方まで必要以上に説明することは野暮であるし、もはやアートが求める対話ではないだろうという指摘はよく理解できる。

ただ、一方で「発信者のトップダウン的押し付け」というところはアートの観点からはそうかもしれないが、視点を変えると実はプレゼンテーションの基本的なテクニックに近い。「今から何を説明するのでこういう理解をしてください」という前置きをした上でスライドの説明を始める、というやり方があるのだが、端的にいうと理解を促すハコを頭の中に作って、そこに情報を流し込む、という手法だ。
写真投稿で言えば、まずはどういう写真なのか、どう捉えたらよいかをキャプションで端的に説明した上で、写真を見てもらうという流れになる。この最初の流れで理解されないものは数秒のうちにTLの中で、もしくはスワイプされ、 Twitterの片隅へと追いやられていく。
写真をより多くに見てもらう、いいね、リツイートをもらうというゴールを達成するためには、流れていくTLで瞬間的な勝負をしなくてはいけないのでこのやり方がいわゆる勝ちムーブになることは想像がつくだろう。(それがSNSの唯一最大のゴールでは決してない、ということは念のため補足しておく)
おそらく冒頭のツイートをした方もその点は十分理解しているのだと思う。さらに言えば鑑賞者として見る側のコンテンツ型消費との共犯関係も指摘しているのでその洞察は深い。

だがしかし、量でもスピードでも真摯な鑑賞を乞うというのは悲しいかな、SNSという濁流に竿を刺すようなものだ。また、嫌悪してしまうという気持ちも分からなくもないのだがそんなことはお構いなしにTwitterはあらゆる投稿を飲み込み母なるガンジスのようにひたすらに流れていく。

それでも違和感を感じるのであれば結局は自分の中で整理をつけるしかない。
私個人としては
「作品」につけるのはキャプション or タイトル orステートメント
「SNS向けの投稿」につけるのはキャッチコピー

だと整理している。
同じSNS空間にあるので「本来鑑賞者に委ねるべき」という嫌悪が生まれてしまうが、鑑賞者に委ねる、対話をするのであれば対話のできる距離感・時間軸・展示方法でしかるべき場所に配置せざるを得ない。そしてそのしかるべき場所を残念ながら広く浅く届くSNSで探すのはかなり難しい。

というようなことを考えていたら、

Twitter写真投稿のキャプションはキャッチコピーを超えてもはや"マンションポエム"でないか、という結論をふと思い至った。


参考. 典型的「住まう」系マンションポエム

マンションポエムというのはマンションの広告でよく見られる「xxxに住まう」といったような詩的なキャッチコピーのことである。
これらは他のキャッチコピーと異なり、マンション広告というプラットフォーム上で最適化され、独自の進化・変化をとげているのも共通点だ。
マンションポエムはよく馬鹿にされるが結果マンションがちゃんと売れる限り、否定されるべきものではない。なぜならそれが作られた目的をきっちりと遂げているからだ(少なくとも邪魔していない)。

SNSの写真界隈というガラパゴスで独自の進化を遂げたキャプション・ハッシュタグにイラッとする方も「あれはマンションポエムなのだ」と思えば心の安寧が保てる筈だ。そういった投稿の中にも当然優れた写真もあるので、キャプションを理由に写真ごと否定するのは流石に的外れだ。
マンションポエムもマンション自体の出来やブランド、実際の住み心地とは最終的に切り離される。後から購入者が「あんなマンションポエムで騙しやがって!」などとクレームなど入れようものなら失笑ものである。

というわけで、ここではマンションポエムとそれに近しいTwitter投稿キャプションを紹介していく。なお、Twitter投稿の方は露悪的な選出と取られるのは避けたいので、検索して拾えた中から、いいねが多く、私が好きな写真だなと思ったものをピックアップしてみた。写真も含めて楽しんでもらえると嬉しい。

例1. ドラマ・映画といった非日常キーワード

マンションポエム「ドラマへ誘う」
人はマンションを買うんじゃない、ドラマを買うんだ!とでも言いたげなこのポエム。迎賓の造形という言葉の意味をいまだに僕は探し続けている(ポエム返し)

Twitter「映画のワンシーン」
こちらは夕暮れの八坂の塔にあたる光の階調が美しい。望遠ならではの建物の密集感も相まって映画のワンシーンの中に入り込める感じが確かにある。


例2. 「天空」

マンションポエム「天空の世界」
高齢者向け物件にはとても使えない「天空の世界へ」というコピーだが海との対比でタワーマンションの聳え立つ様子を表現することに成功している。あえて天と海の間に存在するはずの幕張の街については語らない、安定の「みなまで言わすな」スタイルである。

Twitter投稿「天空の鳥居」
・・・さらっとキャプションで絶景と書いているもののこの場所に至るまでの想像を絶する登り坂と階段のキツさには天空通り越して昇天するかとガチで思うレベル。その舞台裏の過酷さ1mmも見せないしふぉんさんに改めて敬意を評したい。


例3. 「美しい」

マンションポエム「美しい」
何がすごいってマンションはおろか地域の特徴や一切触れていないというところ。
地球は丸いし、そして美しいからどこでどんな暮らしをしようともうオッケーじゃん?人類皆兄弟!っていう開き直りすら感じる突き抜けたマンションポエム。推したい。

Twitter投稿「美しかった」
さすが10選、秋の彩りを直球で木々の色づきで見せるのではなく、水面の紅葉で語るという奥ゆかしさ。彩度が抑えられているが故に、旅情や静けさも演出されて電車が鉄橋を渡る音すら聞こえてきそうなほど。

例4.「別世界・異世界」

マンションポエム「別世界」
(人気の)田園都市線で駅近(という好立地なのにも関わらず)別世界(のような優雅な暮らしができますよ)という言外のコメントが言わずとも溢れ出てしまっている名ポエム。それを3、4、6というリズミカルな音で謳いあげるのもにくい。

Twitter「異世界だった」
ブレずにSNSフォロワーを伸ばし続け、ついには写真集まで出すという偉業を成し遂げたもはや別世界へ到達した人が写す異世界がこちらだ。

例5. xxx美

マンションポエム「邸宅美」
「ていたくび」を変換しようとしてもうまく変換できない。マンションポエムという様式がそれに合わせた言葉を自ら生み出すという逆説的歪みの縮図がここにある。凛として時雨ぐらい高音でシャウトしたくなる次世代ポエム。

Twitter「曲線美」
他人の投稿ばかりあげていては著しくフェアネスに欠けるので最後に自分の投稿
を持ってきしまいましたがごめんなさいごめんなさい。

最後に

SNSはあらゆる情報の坩堝るつぼとなっているからこそ、自分の頭の中で流れてくる情報の棲み分けを行う必要がある。そうでなければ溢れ来る情報に心や精神状態を乱し、いわゆるSNS疲れに陥ることになってしまう。
このTwitter写真投稿のキャプションはマンションポエムとほぼ一緒、という提言が日々何かしらの問題や炎上が起こりがちな写真界隈にひと時でも平和をもたらす一助となれば幸いだ。ちなみに私自身も見てもらうことを目的にこういった表現を使っていることをお伝えしておく(9/20追記)。

違和感はストレスではなく、言語化した上でエンタメとして昇華するというのが私個人として心がけていることだ。みなさんもよかったら、今日からTwitter投稿のキャプションを見る際にマンションポエムを想起しながら見ることで新しい楽しみ方が見つかるはずだ。ぜひ、試してみて欲しい。

もちろん、マンションポエムっぽくないキャプションの投稿を見つけた際にはいつもより写真の語りかけてくる内容に耳をそばだててもらえたらこれもまた同様に幸甚である。

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後までお読みいただきありがとうございました。興味を持っていただけたり、少しでもココロのスキマ♡埋まったな♡→❤️、と思ったら、スキ、シェア、フォロー頂けると嬉しいです。

・・・ちなみに
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