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良いスピーチに触れる

今大学で英語講師をさせてもらっています。本格的に教え始めたのは、3年前くらいです。その授業の一つの柱がスピーチを使った授業です。スピーチというのは、その人がいわば自分を曝け出して自らの哲学を述べている。そういう貴重なメッセージに触れつつ、英語も学びましょうという内容です。

そういう授業をしたいと思ったきっかけの一つが、今日紹介するスピーチです。2007年当時、彼の大学で行ったスピーチが、全米で大変な評判になったのですしかし、その名講義を行った人は、この世にいません。ガンで亡くなりました。Steve Jobsではありません。Randy Pauschという、カーネギーメロン大学の先生です。

ランディ・パウシュ

この講義、"Really Achieving Your Childhood Dreams"(子供の頃の夢を本当に実現する)という題名ですが、別名"Randy Pausch's Last Lecture"(ランディ・パウシュの最後の講義)として有名になりました。

翻訳も出ましたが、日本ではそれほど広く知られたような記憶がありません。

この講義、1時間半にもわたるので、本当にさまざまな内容が入っているのですが、今日はひとつだけ紹介します。いろいろな夢をかなえてきた彼ですが、次代に夢を託す教職を天職と考えていたようです。

ある時、学生にプロジェクトを出すと、そのできがあまりに素晴らしいので、彼らにどういう言葉をかけるべきか迷ったようです。月並みの褒め言葉では、彼らのやる気をそぐのではないかと懸念したようです。また、このままでは全員がAになるし、次のプロジェクトの目標をどう設定していいのかも分からない。

そこで恩師に相談した。その下りです。

Anyway, so I taught the course. The first assignment, I gave it to them, they came back in two weeks and they just blew me away. I mean the work was so beyond, literally, my imagination, ..............and they came back on the first assignment, and they did something that was so spectacular that I literally didn’t, ten years as a professor and I had no idea what to do next.

So I called up my mentor, and I called up Andy Van Dam. And I said, Andy, I just gave a two-week assignment, and they came back and did stuff that if I had given them a whole semester I would have given them all As.

Sensei, what do I do? [laughter] And Andy thought for a minute and he said, you go back into class tomorrow and you look them in the eye and you say, “Guys, that was pretty good, but I know you can do better.” [laughter] And that was exactly the right advice.

恩師のアドバイスは、“Guys, that was pretty good, but I know you can do better.”(みんな良くできた。でも、君等なら、もっとやれる!)だったそうです。学生の無限の可能性を信じてやれということだったのでしょう。これを告げられた学生は、さらに素晴らしい結果を出したそうです。

リーダーの資質には、こういう言葉を発することができることも含まれていると思います。

You Tubeビデオでは、34:00-35:00 あたりです。お急ぎの方は、その辺りだけでもご覧下さい。


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