エッセイ グーグルレンズで種を同定する 2024年7月7日

私は蛾の羽根模様に惹かれる。なのできれいな羽根の蛾を見かけると、保存したくてつい写真に撮ってしまう。もちろん、いつか種を同定してやろう、とも思っていた。

1年ほど前に書店で「くらべてわかる蛾」山と渓谷社という、よく見かける蛾だけを載せたお手軽な写真図鑑を見つけ、これなら同定できるのではないか、と購入した。

結果、明らかな特徴のある蛾はページをめくっていくと辿り着くのだけれど、個体差の大きな種や、科をまたいで同じような形の蛾はお手上げであった。何度もページをめくりながら時間だけが過ぎていく。

10年程前、植物の同定にグーグルレンズを使ったことがあった。全く役に立たなかった。植物検索アプリも試したが同じであった。似たような技術を使っていたのだから当然であろう。

今日、ふと思い立って、蛾の写真をグーグルレンズにかけてみた。即座に答えが分かった。で、次々と試したのである。結果ほとんどすべての種が同定できた。もちろん検索サイトでも確認しながら種を決めていくのだけれど、個体差の大きな種は決して図鑑では分からないな、と思った。

グーグルの生成AI「gemini」に、グーグルレンズに生成AIが内装されているか、を尋ねてみると、内装されているという。少しずつバージョンアップして行ってるようなので、いつから精度が上がったのか分からないが、現段階で、きれいに蛾の写真が撮れていれば、かなりの確率で正解に辿り着けると思う。

種を同定できた、と言うのは、その個体に記号を振りつけたの同じなので、特に理解が深まったわけではない。

大切なのは、その種の生態や、更には周囲の生き物との関係だろう。

が、やはり名前が分かるのは正直嬉しい。


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