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男気と狂気と呑気? 木原さんという生き方

このところ文春砲が飽くことなく火に燃料をくべる木原誠二官房副長官を巡る一連の記事にすっかり魅了されています。

全国紙やテレビのワイドショーが一切触れないので、水曜日ごとの週刊文春電子版を楽しみにもし、これを深掘りする何人かのYouTubersをひたすらフォローもする日々ですが、結果、ネット論壇そのものにもだいぶ精通したように思います。薄っぺらさでは史上稀に見る岸田内閣の中枢にあって、人間の本性というものの深淵を一人いかんなく見せつけてくれているかのよう。木原誠二という生き方そのものに興味が尽きません。

そもそもなぜ銀座の女性たちを次々と本妻にもし、愛人にもするのか。そこがまったくもって理解できません。身長こそ知りませんが、学歴、職歴、収入、能力、プライド……と三高も四高も揃っているわけです。銀座で遊ぶこと自体を否定するものではありませんが、仮に子どもができるなど不測の事態に陥ったとしても、そのことをして結婚したり、別宅を設けたりで落とし前をつけるのはにわかには理解し難い。キャリア官僚上がりの代議士としては、それだけは最後の最後まで避けようとするものではないのか。小市民過ぎて僕などには到底想像できません。結局のところ、あれで木原さん、問題から決して目を背けない、思いのほか責任感が強い男気に満ち満ちた人物なのかもしれません。

一連の文春砲では、2006年当時、後に木原さんと再婚することとなる現在の奥さんが、前の夫の不審死に深くコミットしていたのではないかが疑われているのですが、これはなにぶん木原さんと出会う前の出来事でありまして、木原さん自身は本件にはまったく関係していません。では、木原さん自身の関与はと言えば、その後、2018年に事件が再び掘り起こされ再捜査が開始された際、政治的な圧力をもって捜査を打ち切りにしたのではないか、こちらの方に疑惑の目が向けられているわけです。

ただ、ここでも再び疑問に思うのですが、そもそも結婚相手の前夫が不審死しているということ自体がそうそうあることではなく、しかもその「前夫」は暴走族上がりで、風俗店の黒服で、しかも覚醒剤の常習者。その後、再婚することとなる木原さんとはあまりにも釣り合いが取れないではないか。言ってみれば、それが「銀座」という装置がなし得るマジックなのかもしれませんが、叩き上げの成金社長でも、タニマチにヨイショされ慣れた役者や歌舞伎役者でも、そこのところは大概はぎりぎり回避するように思えて仕方ありません。

翻って当の木原さんとて、その目眩しの美貌から見え隠れする彼女のある種の影の部分にまったくもって鈍感だったとも言い切れません。失礼ながら、教養や品格を身にまとうことを遠ざけてきたような彼女の人生であったわけです。言動や思考パターンの端々にそのことは見え隠れしていたとしても不思議ではありません。そんな影の部分を飲み込んでなお政治家としての熾烈なキャリアパスを追い求めることに支障なしとしたのであれば、「男気」と呼ぶより狂気と呼ぶに相応しいのかもしれません。

さらには、2018年に奥さんが連日、警視庁の任意出頭要請に応じて取り調べを受けていたまさにその時期に、選挙区内の、別宅マンションに引きこもっては、次々と女性を家にあげいっときの買春(かいしゅん)に興じていたとも文春砲されています。まさに泣きっ面に蜂とはこのことです。「男気」、「狂気」に加えて呑気の人・木原誠二の一面もいかんなく暴露されるありさま。同性としては御愁傷様と言うより他ありませんが、その振幅の大きなキャラクターにはただただ脱帽です。

KYの岸田さんは、そんな木原さんを庇い続け、来月にも予定されている内閣改造でも留任を申し渡すのでは……と取り沙汰されていますが、木原さんがふたたび人生を歩み直しするためには、ここは最低でも閣外に出ること、さらに理想的には、一度議員を辞めることが肝心かと思います。ただ、木原さんの人生にはまだその続きがあることは誰も否定できないわけで。そこから先の「生き直し」がなかなかに難儀です。ただ、そもそもは有能で(色んな意味で)マルチタスク仕様。木原さんなら、政治家としても、あるいは政治家以外でも、見事にやり直しがきく、と踏んでいます。ただ、課題は山積であることに間違いはありません。

例えば、デフォルトで家庭が2つあり、それぞれにお子たちがいる。趣味の銀座通いや買春はこの際、当分は控えるとしても、本宅も別宅もなかなかにハイメンテナンスそうです。ここは、それぞれの「伴侶」とよーく協議の上、まずは危機感の共有が肝要かと。バーキンを売っぱらうまでの共感と共鳴までは得られないかもしれませんが、当分はデパートの外商からの誘いには軽々に乗らない程度の協力は仰ぎたいものです。

ただ、家計の立て直しの前に、信頼の紡ぎ直しが急務かもしれません。誰しも、配偶者に寝首をかかれるかもしれない、という不安の中にいては平穏で幸せな家庭生活は望めません。換言すれば、二度あることは三度あるとでも言いましょうか……。仮に、過去の出来事を警察や社会が不問に付したとしても、当の本人同士が事実関係を確認し合い、事情を納得し合うことなしには前には一歩たりとも進めません。

男気も、狂気も、呑気さも併せ持った木原さんのこと、軽々に本妻と離婚したり、別宅を解消したりすることはないかとは思いますが、もはや当分は破格の閣僚級報酬を望めない以上、よるすべは(広い意味での)家族相互の信頼に根ざした謙虚さと節約、すなわち本当の意味での学び直し、家づくりです。木原くん、能力のある君のこと、きっとできる!

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