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人間は考える葦である【思考も進化も止めたくない】

あっちでも「筋膜」こっちでも「筋膜」言ってるけど…

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言ってる言葉が違うだけで、やってることは「筋肉」に焦点が当たってて

まぁ「筋膜」って言葉があると、それっぽく聞こえますからね。

「筋膜リリースをして体幹を鍛える!」とかまじで意味不明ですから…

と、ぼやきや嘆きはこの辺までにして。


じゃあ改めて「筋膜」ってなんなんだ?ってことになるんですが

誤解を恐れずいうと、風船みたいな薄い膜なんですね。

それをコントロールしたり、それを鍛えたり、それを剥がしたりできますか?ということを聞きたいわけです。

特定の筋肉だけを単離して(ひとつだけ独立させて)動かせないのに、それ以上のことはできません。

そしたらますます「筋膜」って何だ?ってことになるんですが

筋膜ってのは概念、あるいはイメージ、またはひとつの情報に過ぎないんですよ

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例えば、パソコンやケータイのOSアップデートをして、新機能が加わったとして、その新機能を理解していないと使うことはできないのと同じです。

あくまで、その情報によってからだとの関わり方(動かし方・トレーニングもしくは身体訓練のやり方・ケアの仕方etc)に変化が現れないことには、ただの宝の持ち腐れ。

「iPhoneのiOS14.4.2になったんだよね〜!」と言いながら、使ってるのは初代iPhoneだとえっ!?ってなってしまいますよね。

まして誰かに筋膜をリリースしてもらったり、筋膜を剥がしてもらったりしたとして、自分のからだを誰かに任せてアップデートできるのなら誰でもおオリンピックで金メダルが取れるんじゃないでしょうか。

そんな他力本願でいいんでしょうか。

ちゃんと理解しようとする姿勢でいること、わからないことはわかるまで聞こうとすること、それをサポートしてくれる人と関わりを持つことが大切なんじゃないでしょうか。

所詮ビジネスだしと割り切ってるならそれでもいいかとは思いますがね。


改めて言いますが、大切なことは新たな概念で既存の情報をより深化して理解することです。

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概念ひとつで、世界は大きく変わるわけですから…

言葉ひとつでわかったふり、できているふり、やってる素ぶりをするのはやめませんか?

時間も労力ももったいないですよ。

『L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature ; mais c'est un roseau pensant. Il ne faut pas que l'univers entier s'arme pour l'écraser : une vapeur, une goutte d'eau, suffit pour le tuer. Mais, quand l'univers l'écraserait, l'homme serait encore plus noble que ce qui le tue, puisqu'il sait qu'il meurt, et l'avantage que l'univers a sur lui ; l'univers n'en sait rien. Toute notre dignité consiste donc en la pensée. C'est de là qu'il faut nous relever et non de l'espace et de la durée que nous ne saurions remplir. Travaillons donc à bien penser : voilà le principe de la morale.(B.347, L.200)』 Blaise Pascal, Pensées
『人間は一本の葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である。これを押しつぶすには、全宇宙が武装する必要はない。一吹きの蒸気、一滴の水だけで、殺すには十分である。だが、たとえ宇宙が押しつぶそうと、人間は彼を殺すものよりも尊いだろう。なぜなら人間は自分が死ぬこと、宇宙が自分よりもまさっていることを知っているからである。宇宙は何も知らない。 だから、われわれの尊厳のすべては考えることにある。われわれが立ち上がらねばならないのはまさにそこからであって、われわれが満たすことのできない時間や空間からではない。だから、よく考えるようにつとめようではないか。そこに道徳の原理がある。 (B.347, L.200)』
ブレーズ・パスカル『パンセ』(戸口民也訳)

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