見出し画像

私的 #Bリーグの楽しみ方 ~スタッツ収集の沼にハマって~

B1クラブの本拠地が近くにあるという幸運にも恵まれ、100試合以上のバスケの試合を観戦してきたように思います。

会場で試合を観ることも好きですが、スタッツを収集してアレコレ比較することにも楽しみを見出しています

文章だけで伝える技量を持ち合わせていないため、ここから先は自問自答形式で進めさせて下さい。図表の力も借ります。

問:そもそもスタッツに興味を持ったのは何故ですか?

答:試合に勝つという目的は同じでも、クラブによって何を重視するかが違くて、同じ競技なのに面白いなと感じました。

バスケの試合では様々な数字を記録に残して公開しています。それらの数字を集計して比較することで、各クラブが重視する何かを浮き彫りにできたら更に面白みが増すのではないかと思った訳です。

あと、『マネーボール』も好きだったりします。特に、従来の評価軸とは違った基準で考えようという姿勢が。残念ながら、今のところ画期的な発見には至れていませんが。


問:具体的に、どのようなことをされていますか?

答:百聞は一見に如かずですので、ごく一部ですが図表を紹介させて下さい。

例えば、B1クラブの4Factorsランキングを作っています。

B.LEAGUE 2023-24シーズン B1 第35節 (2024.4.28開催試合)終了時

どんなカラクリかも説明します。

Bリーグの公式サイトで
「日程・結果」 ⇒ 各試合の「試合レポート」
と潜っていくと「試合成績」としてスタッツが公開されています。

選手をはじめ、クラブ関係者や試合運営に関わられている皆様、そしてテーブルオフィシャルズの皆様ありがとうございますm(_  _)m

試合終了後に、各試合のスタッツを収集してスプレッドシートに蓄積しています。最終節直前の第35節終了時点では696試合分のスタッツが集まりました。集計したスタッツの計算結果を関数で並び替えさせて、4Factorsランキングは作られています。

他にも、クラブ別に攻撃・守備面のスタッツと順位・偏差値を並べた図表も作っています。オーバータイム(延長)があるため、40分換算して条件を揃えて比較しています。

B.LEAGUE 2023-24シーズン B1 第35節 (2024.4.28開催試合)終了時

「攻撃1回あたりの得点」・「守備1回あたりの失点」は、特にお気に入りの項目です。

例えば、中地区王者の三遠は40分あたりの失点では平均を若干下回りますが、守備1回あたりの失点という物差しで測ると6番目に低いことが分かります。失点が平均よりも多いのは、攻撃のテンポが速いものだから、守備につく回数が多くなることが要因です。

気付いたら、周りに伝えたくなるのが人情ってもので矛盾(ほこたて)対決と形容された三遠とA東京の試合前日に、ペースにも注目と呟いたりもしました。


問:自己満と自慢が過ぎやしないですか?それはさておき、偏差値がちょいちょい登場するのは何故ですか?

答:スタッツの0.1%や1.0%の違いが、他のクラブとの比較でどれだけ凄いのかを伝えるのにうってつけで大変便利な尺度だと考えているからです。

ここで、B1クラブの4Factors守備編ランキングにも登場願います。

B.LEAGUE 2023-24シーズン B1 第35節 (2024.4.28開催試合)終了時

例えば、

A東京はDRB%(ディフェンスリバウンド獲得率)がリーグトップで、2位の宇都宮よりも2.63%高いです

というよりも、

A東京のDRB%は偏差値換算78.0で、2位の宇都宮の62.5と比べても他を圧倒していることが分かります

と表現した方が、凄さ一層伝わると思いませんか?

あと、順位以外に偏差値も出してみると、シーズン終了後の楽しみが増えます。各クラブの強みと弱みが鮮明になるので、獲得したい選手像を勝手に考えたり、新加入の選手からクラブの意図を汲み取ったりして来たるシーズンに思いを馳せることができます。

今年はパリ五輪や、渡邊選手がどのクラブを選ぶかなどシーズン終了後もバスケの話題に事欠かなそうです。渡邊選手が入団するクラブが決まり、B1クラブを選ばれた場合は、スタッツを眺めながら、何を期待しての決断なのかや、何を期待されているのかを推測しようとするかも知れません。


問:話の途中ですみませんが、先程から出てくる守備のスタッツはどうやって集計しているのですか?

答:こちらこそ、すみません。調子に乗って余計なことを語り過ぎました。

守備スタッツを出すにあたっては、Opp(opponent = 試合相手)の情報を紐付けて集計しています。

元データ 内側を晒してみました;

問:他にも面白いと感じている切り口はありますか?

答:同一クラブの昨季比ですかね。

2022-23シーズンの718試合のスタッツも収集していて同じような集計を行っているので、2シーズン分のスタッツを並べることで改善した部分などが浮き彫りになります。

B.LEAGUE 2023-24シーズン B1 第35節 (2024.4.28開催試合)終了時


問:スタッツ収集の原動力は何ですか?

答:なんでしょうね。頼まれもしないのに何でやっているんだろうと思うことはありますし、離れたらどう感じるかを試したことも何度かあります。


問:離れてみたものの、再開したから続いている訳ですよね。何がそうさせたのですか?

答:今シーズンも2月のバイウィーク明けに中断していたのですが、宇都宮が連勝していたからですかね。21まで伸びた連勝記録ですが、勝ち続けるのは相当難しいことだと思います。

最終節の2試合を残してチャンピオンシップ出場の残り3枠を6クラブが争うほど実力が拮抗している中で、23クラブもあれば相性の悪い相手もいるはず。おまけに、シュートがなかなか入らなかったり、苦しい展開の試合も少なからずあったはず。

そんな困難をもろともせず、勝ち続けることができたのは何故なのかに興味を抱き、行動に駆り立てられました。

そしてできたのが、この記事です。

問:これからもスタッツ収集を続けていくのですか?

答:正直言うと分かりません。ただ、会場に足を運んでバスケの試合を観ることは続けていくはずです。

実は、スタッツで捉えられないプレー、気持ちの込もったプレーや振る舞いに触れたくて試合会場に通っています。

スクリーン、ボックスアウト、ルーズボールへのダイブや前線での激しい守備などには自然と熱い拍手を送る気持ちが芽生えますし、応援しているクラブの選手が勝負所でスリーを決め切ったり、果敢なドライブで点が決まったりすると、両手を突き上げて喜ぶタイプです。相手クラブの選手のビックプレーにもうっとりしてしまい、凄いものが観れたと喜んでしまうタイプでもあります。

プレー以外でも、7年前のBリーグ2シーズン目に、こんな光景を目にしました。判定にイラつく若手選手に対して、中堅選手が手を大きく叩いて切り替えていこうと伝えていました。

彼のチームを鼓舞する行動も貢献度が高いよなと感じました。因みに、応援しているクラブの試合相手の選手間でのやりとりでしたが鮮明に覚えています。

問:最後に何か伝えたいことがあればどうぞ!

答:先日、B1クラブのリバウンド獲得率の散布図を公開したところ、とあるクラブのトレーナーの方から いいね をいただきました。

コンディションを整える面から選手たちを支えるお仕事をされている方に、良いパフォーマンスを発揮することに繋がっていますよという伝わり方をしたのかも知れないと勝手に思っていて、スタッツ収集を続けていて良かったなと感じました。


最後になりますが、対価が発生すれば続くのかと試したものの上手く昇華できない自分がいて、一方でせっかく作ったものだから多くの人に見てもらいたいし分かち合いたいという気持ちもあります(エゴなのかも知れませんが)。

もしスタッツ収集を続けていくのであれば、通り沿いで花を育てるような感覚で続けるのが理想形かなと思っています。自分もやっていて楽しいし、目にする人を明るい気持ちにさせられるような。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?