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宇都宮ブレックスは、どう変わったのか?

この記事では、2024年3月30日に17連勝と40勝・CS進出一番乗りを果たした宇都宮ブレックスがどう変わったのかについて書きます。

昨季は32勝28敗(勝率.533)でCS進出を逃しましたが、今季は48試合を終えて41勝7敗(勝率.854)と圧倒的な強さを誇ります。

端的に書くと超攻撃的になりました。
※この記事に出てくるスタッツは、2024年3月31日 15:05TIP OFF試合終了時の40分換算の数字となります。

1.失点最少・得点7位なのに、なぜ超攻撃的なのか?

40分あたりの得点:81.1点(7位)
40分あたりの失点:69.1点(1位)
なのに、なぜ超攻撃的と書いたかというと、今季はeFG%が暫定1位だからです。

得点は、(攻撃回数) x (1回あたりの得点)に分解することができます。

・圧倒的な守備力が故に相手チームが攻めあぐねる
・攻撃パターンが多彩で、より確率の高いシュートを慎重に選ぶ
ということがあると、攻撃回数が相対的に少なくなることが起こります。

攻撃回数の少なさの影響で気付きにくいですが、攻撃1回あたりの得点は0.99とリーグ2位なのです。

2.超攻撃的なフィールドゴール配分

3点シュートの数が2点シュートとほぼ同数です。
2点シュート試投数:リーグ最少
3点シュート試投数:リーグ最多
と、かなりアグレッシブ(超攻撃的)なフィールドゴール配分と言えます。

3点シュートは決まれば大きいですが、多投すれば良いというものでもありません。宇都宮のスタッツを見ると、2点・3点シュート成功率が共にリーグ3位です。これは、コートを広く使い、多彩な攻撃パターンで確率の高いシュートを慎重に選べていることの表れではないかと思います。

3.得点期待値を使った数字遊び

3点シュート試投数・成功数:リーグ最多
3点シュート成功率:リーグ3位
ですが、興味深いデータがあります。

レギュラーシーズン48試合を終えた時点で、3点シュート成功率のTOP10に複数選手が名を連ねているクラブは宇都宮だけです。それも2名ではなく、3名がランクイン。

1位 比江島 選手(43.9%)
3位 遠藤 選手 (41.1%)
8位 ニュービル 選手(39.4%)
※因みに、渡邉選手は38.5%

バスケットは算数じゃありませんが、宇都宮のゴール下に鎮座する「フォト選手の2点シュート成功率(62.5%)」と、3点シュート成功率も高い「ニュービル選手の2点シュート成功率(60.4%)」も持ち出して得点期待値の計算をして高い順に並べてみました。

【得点期待値】
1.比江島選手の3点シュート:1.317
2.フォト選手の2点シュート:1.25
3.遠藤選手の3点シュート:1.233
4.ニュービル選手の2点シュート:1.208
5.ニュービル選手の3点シュート:1.182

ニュービル選手にシュートを打たせれば良いかというとそう単純な話ではなく、彼がディフェンスを剥がすから他の選手が活きての数字だと思います。

おまけに、ニュービル選手に対して、間合いを詰めると置き去りにされてドライブ、距離を与えると理不尽な位置からでもスリーと、これまた究極の選択に悩まされます。ひとつ言えるのは、宇都宮と対峙するクラブは守備の都度タフな選択を迫られているということ。

宇都宮が堅守のクラブであることに変わりはありませんが、超攻撃的な要素も持ち合わせるようになり、それが17連勝に大きく貢献したのは確かです。

4.昨季と比べてどう変わったのか?

シュートセレクションが良くなり、相手にはそれをさせていません。

強固な守備の土台の上に、得点効率の高い攻撃が加わり、CSが待ち遠しいですね。

今シーズンが始まる前の8月には、こんなことを書いていました。

Bリーグを2回制した実績と受け継がれてきた経験。粘り強い守備の上に加わろうとしている攻撃力。どんなクラブになるのか楽しみですね。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

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