2020-8-22 日記. ベンチャー企業の研究者: 好奇心に関する議論

加藤さんとカモメさんに議論を取りまとめてもらいました.

好奇心の議論をもっとも理論的に扱った人は, Berlyne [Berlyne, 1954&1960]になります. 1950年代に彼は2つの軸に分けました.

特殊/拡散好奇心: 特殊好奇心は特定の情報を得ることで不確実さを削減するような状態.  一方で, 拡散好奇心は, 色々な種類の情報をとるタイプの好奇心.
感覚的/認知的好奇心: 感覚的好奇心は新しい形とか刺激といった感覚的な刺激の新しさに引き寄せられるようなタイプの好奇心です. 一方で, 認知的な好奇心は知識の不確かさなどに対応するものです.

彼の議論を引き継いで,行動経済学者のLowenstein [Lowenstein, 1994]が

認知的な好奇心は, 不確かさの削減=エントロピーの現状と対応している.

というような議論をしています. 彼らは, その後neuroimagingもやっていて, トリビアの質問を利用して, その際の脳活動を計測しています. 

これらの研究とは別に徐々に, 強化学習の枠組みからneuroimagingをやろうとしている人たちも出てきているわけです.

その他にも, 心理学の中でも性格心理学では, 好奇心をパーソナリティとして捉えて特殊/拡散好奇心の項目で個人のスコアを算出することができるわけです[Litman&Spielberger, 2003; Nishikawa&Amemiya, 2015; Kashdan et al., 2018].

これらの定義は, 実は次元の低い好奇心なんではないかより高次元の好奇心のあり方があるのではないかというのが私の主張です. これについて少し動画では触れています.


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