2021-2-4 日記. ベンチャー企業の研究者: コンサルへの視線

研究者の中には, コンサルタントという仕事がなぜ高い給与をもらえているのかわからないという人が多い. 僕もその一人だ.

「スキルがとてつもなくあるというわけでもないのに高給を得ている」という偏見を何度か聞いたことがあるが, それが偏見だとしても, 「コンサルタントという職業がそれなりに高給取りとして成立する条件は何か」というのは考えておく必要がある.

ただ, 色々教えてもらううちに言語化できてような気がするので, ここに残しておく. 繰り返されている議論だと思うが一応自分のためだ.

以下自分なりの回答を置いておく.

結論として「大きな組織には, 小さく使い勝手良く提案をしていくれる組織がお手軽だから」というのがまとめになろう.

以下で少し詳しく解説していく.

問題のポイントとして, 「いかなる組織も組織が大きくなると情報統合のコストが増大する.」がある. つまり, 新たな部署を作るとそれを統制するのにはコストがかかり組織が増えるとまた部署ごとの統合にはお金や時間がかかるというわけだ.

間にいるプレイヤーが増えるほど, 社長やその下の部門が何を目的として行動するのかを一致させるのかが難しくなってくる (これを目的の不一致というらしい). 目的の不一致による調整がなされる可能性があり, 組織の編成を行うコストは高い. 

また新たに部署を作り, 新たに社員を雇用しても将来的には使わない人材になってしまうかもしれないというところもポイントだ.

そのため意思決定ができる決裁権を持つ人たちは, 自分の予算が少々割高になろうとも外部からのアドバイスや提案が欲しくなるというわけだ.

したがって, コンサルタントが高額になる理由には今の所少なくとも3つのポイントがあるように思った.

1.  意思決定の決裁権がある人間にアプローチしているため少々高めの金額でも決裁できる.

意思決定の決裁権があるような人物には, 大企業の場合それなりに予算がつく. 少々高めに金額がなったとしても気にしないし, また価格が異様に低いとクオリティに問題が出るためのそのようなリスクを犯す必要がないというのもポイントだろう.

2. 経費を固定費ではなく変動費として計上できるため少々割高でも受け入れらる.

また, 先ほど挙げたように, 人材を長期に確保するためには経費を固定費にしないといけない. 変動費を回して, 短期間で使いまわせるなら将来のリスクを下げることができるというわけだ.

3. 新たな組織を作る認知的なコストを下げて対応できるため, 割安に感じられる.

人件費だけでなく, 新たな部門や専門の部門を作っておく認知的なコストがあり, それらを一から作るよりは外注した方が割安に感じられやすいという事情はありそうだ.

以上, コンサルタントが高給になる仕組みを自分なりに解説してみた.

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