2020-8-20 日記. ベンチャー企業の研究者: 研究のデータ/コード共有はメリットがあるか?1
最近, 科学の科学に関する議論が高まっている. 科学をどうやったら効率的かつ再現性が高いフォーマットにできるかという議論がある.
この枠組みについては, 別途議論が必要だと思っている.
その1つとして, 結果に再現性があるか, データやコードに間違いはないかというチェックができることで再現性を高めることはできそうだ.
別の議論として, そもそもこれらをやるためのモチベーションは何だろうかと考える必要がある.
理想論ではなく「市場の結果として引用数が高まっている」可能性がある [1,2,3]. この点を強調するのは重要と考えている.
さらに, Twitterなどを経由して論文を共有することは, 引用数を伸ばす可能性があるという議論もある. この一部の結果には疑義が上がっているけれど, その一部については検証されているようだ.
アフターコロナの状況では, このようなオンライン環境を用いてどこまで研究の議論をすることができるのか, 実際の科学を進められるのかは重要な観点だと思う.
参考文献
[1] Christensen G, Dafoe A, Miguel E, Moore DA, Rose AK (2019) A study of the impact of data sharing on article citations using journal policies as a natural experiment. PLOS ONE 14(12): e0225883. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0225883
[2] Colavizza G, Hrynaszkiewicz I, Staden I, Whitaker K, McGillivray B (2020) The citation advantage of linking publications to research data. PLOS ONE 15(4): e0230416. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0230416
[3] Drachen, T.M., Ellegaard, O., Larsen, A.V. and Dorch, S.B.F., 2016. Sharing data increases citations. LIBER Quarterly, 26(2), pp.67–82. DOI: http://doi.org/10.18352/lq.10149
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ベンチャー企業の研究者日記
研究について日々考えていること、ベンチャー企業で働いている中で研究とビジネスの関連性について気づいたこと、人生について考えていることについ…
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