漫才「ガリガリ君」

（A：ボケ／B：ツッコミ）
A・B「よろしくお願いします～」
A「ガリガリ君って知ってますか？」
B「あー好きですよ、みんな大好きアイスのガリガリ君、当たりが出たら嬉しいやつね」
A「俺ね、今当たり棒持ってるのよ」
B「おー、よかったやん」
A「いや、よくないんだよな」
B「何でよ」
A「当たり棒を持っていくのが大変なのよ」
B「えー、簡単やん、お店に持ってったらすぐ交換してもらえるがな」
A「はぁ、全然わかってないな」
B「なに、どういうこと」
A「あのな、唾液がべっとりついた木の棒なのよ」
B「そりゃ唾液はついてるかもしれへんけど、そんなの洗ってから持ってったらええがな」
A「たとえ洗ったとしても元はおじさんがしゃぶった棒なのよ」
B「まぁそうやけど」
A「おじさんしゃぶり棒なの」
B「言い方やめろ！ラップにでも包んだら受け取ってもらえるから」
A「ラップ越しにおじさんの棒を触らせる気？」
B「きしょい言い方すな！もう、そんな気になるなら交換するのやめろや、家に置いといたらええやん」
A「え～だってこれ見ず知らずのおじさんがしゃぶった棒なのに」
B「え、それお前のちゃうの？」
A「うん」
B「見ず知らずのおじさんから当たり棒を貰ったってこと？」
A「そう」
B「え、キモくない？いつどこで貰ったん？」
A「さっき駅前で」
B「キモぉ！え、配ってる人いるの？！」
A「な？知らないおじさんからしゃぶり棒をもらうのはキモいだろ？」
B「説得力がすごい！お前もなんで受け取ったんや」
A「俺だって一応確認したよ？これ洗いました？って」
B「そしたら？」
A「それはどうかな？って」
B「キモすぎるやろ、そのおじさん！何なん！」
A「あのおじさんはな、定期的にガリガリ君の当たり棒を配ってるのよ」
B「え、どういうシステム？」
A「おじさんは自分がしゃぶった棒を誰かにもらってほしい、でもはずれ棒だと受け取ってもらえない、だから当たり棒を集めて配ってるんだよ」
B「どちゃくそ変態やないか」
A「小学生からはガリガリさんって呼ばれてる」
B「若干愛されてるやん！やめとけよ！」
A「小太りだけどガリガリさん」
B「それは許したれよ」
A「まぁタダでアイス貰えるからなぁ」
B「そやなぁ……でもお前は自分で買えるやん、大人やし」
A「うん」
B「なんでわざわざその棒もらってきたん？」
A「物的証拠ってやつだね」
B「おお？」
A「これを持って交番に行くの、動画も撮ってある」
B「おぉ、子供たちを守ってあげるんやな」
A「縄張りが荒らされるのは許せないからな」
B「縄張り？どういうこと？」
A「俺はこのへんでホームランバーの当たりを配ってるの」
B「いやお前もやってるんかい！やめさせてもらうわ」