はじめに
この記事は死ぬほどアクセスの少ない私のHPにおいて2019年に公開した記事を加筆・修正したものです。
やったこと
日本の理科教育学研究のこれまでの歩みを調べようと思い,日本理科教育学会が編集した本とその目次をまとめてみました。
日本の理科教育学の俯瞰する際の一助となれば幸いです。
初学者のテーマ探しなんかにも使ってもらえると嬉しいです。
なお,目次は全てWeb上の国立国会図書館オンラインの書誌情報や公式HPから引用しています。
調べ方
2019年11月24日に下記方法にて検索しました。
・Amazonで「日本理科教育学会」で検索
・国立国会図書館オンラインの詳細検索の「著者・編者」に「日本理科教育学会」で検索
結果
全部で24件がヒットしました。具体的には下記の通りです。「書名(西暦)」で示しています。以下に,目次と簡単なコメントを付していきます。
・理科実験観察指導講座【シリーズ本:全4巻】(1955)
・現代理科教育体系【シリーズ本:全6巻】(1978)
・理科教育学講座【シリーズ本:全10巻】(1992)
・キーワードから探るこれからの理科教育(1998)
・これからの理科授業実践への提案(理科ハンドブック1)(2002)
・これからの理科学習を支える教材(理科ハンドブック2)(2002)
・今こそ理科の学力を問う(2012)
詳細
理科実験観察指導講座【シリーズ本:全4巻】
出版年:1955
出版社:東洋館出版社
日本理科教育学会が編集したおそらく最古?の本(自信がありません。違っていたらすみません)。
日本理科教育学会が発足したのが1952年なので,発足後わずか3年で出版ということになります。
リンクから国立国会図書館オンラインの書誌情報にジャンプできます。
より詳しい目次を見たい方はリンクからどうぞ。
現代理科教育体系【シリーズ本:全6巻】
出版年:1978
出版社:東洋館出版社
1978年に出版されたシリーズ本です。全6巻。
「体系」というタイトル通り,幅広い領域がカバーされていることがわかります。特に興味深かったのが,第5巻のタイトルの「理科授業の科学化と授業研究」です。「科学化」に関する議論は,理科に限らずどのような教科でもつきものだと思います。このタイトルから当時の先人達の課題意識を感じ取ることができます。
Web上では目次は公開されていないようなので,巻のタイトルのみです。
理科教育学講座【シリーズ本:全10巻】
出版年:1992
出版社:東洋館出版社
1992年に出版されたシリーズ本です。全10巻。過去の著作に比べ,さらに巻数,頁数が増えています。心理学系の知見が多く取り上げられている印象です。
キーワードから探るこれからの理科教育
出版年:1998
出版社:東洋館出版社
1998年に出版された本です。目標論,カリキュラム論,学習論,指導方法論,評価論について,コンパクトにまとめられています。
これからの理科授業実践への提案(理科ハンドブック1)
出版年:2002
出版社:東洋館出版社
2002年に出版された本です。次の『これからの理科授業実践への教材(理科ハンドブック2)』とセットになっています。
これからの理科学習を支える教材(理科ハンドブック2)
出版年:2002
出版社:東洋館出版社
2002年に出版された本その2です。さきほど紹介した本と違って,教材に特化しているのが特徴的です。
今こそ理科の学力を問う
出版年:2012
出版社:東洋館出版社
2012年に出版された本です。学力に着目していること,国際調査に関する内容が入っているのが特徴的です。
【追記】
理論と実践をつなぐ理科教育学研究の展開
出版年:2022
出版社:東洋館出版社
最新版です。出版社リンクはこちらです。目次は以下の通りです。方法論に関する章があるのが特徴的です。これから理科教育学の研究をしようと思っている方はぜひご覧ください!
番外編
そのほか,初学者に役立ちそうな理科教育学の本を紹介します。
書名:<重要用語300の基礎知識 6巻>理科重要用語300の基礎知識
出版年:2000年
編者:竹村重和,秋山幹雄
出版社:明治図書
理科に関する用語が網羅的に記載されています。出版社のリンクはこちら。
1用語1頁で読みやすいです。
おわりに
以上,日本理科教育学会がこれまでに編集した本などを紹介してきました。
もし,抜けている文献がありましたらご一報いただけると助かります。
最後までお読みいただきありがとうございました。