2022年、スーパーチャンク始動
速くてポップ、ノイジーなだけではない
2022年のスーパーチャンク
スーパーチャンクが動き始めた。
2021年12月には久しぶりの新曲「Endless Summer」を発表、2022年に入り1月には「This Night」、2月には「On The Floor」を発表している。
ここに来て3ヶ月連続で新曲を発表ということで、アルバムも今月末にリリースの予定で、もう間もなく聴くことができそうだ。
先行発表された新曲はどれも粒揃いの素晴らしいもので、今までの速くてポップなスーパーチャンク節よりは、少し落ち着いたミドルチューンが発表されている。
特徴的なのは、コーラスやストリングス、アコースティックギターが今までよりも目立って導入されている点だろう。
パンクやオルタナ出身のバンドがこうした所謂“音楽的成長”を目指すと何だかちぐはくなことになってしまうことも多いのだけれども、今回のスーパーチャンクの新曲3曲はどれも無理なく、新しい要素が楽曲に活かされている。
実直に活動した30年間
1989年の結成からは30年以上、1993年のファーストアルバムのリリースから29年になる大ベテランでありながらも今だに新鮮さを失わない作品づくりに取り組んでいる姿はファンにとってはたまらないものだし、こうした音楽に向き合う姿勢は、リーダーでボーカルのマック自らが主宰するインディーレーベル「マージ・レコーズ」でマイペースに自分たちの作りたい作品をコツコツと作り上げてきたからだと改めて感じるところだ。
スーパーチャンクは、オルタナティブな先鋭性を失うことなく、アメリカンロックの苦みや切なさを表現するバンドへと成長し続けているのだ。
これまでもストリングスやキーボードを導入して、速くてポップなだけではないバンドの側面を表現した作品はあった。その代表例は1999年リリースのアルバム『Come Pick Me Up』と言えるだろう。
このアルバムは、プロデューサーにジム・オルークを迎え、当時の最先端だった音響系のバンドからの影響が反映され作品だった。
自然体がもたらした変化が反映?
期待大のニューアルバム
しかし、2022年のスーパーチャンクの変化は、そうしたインディーロックの動向よりも大人になったロックバンドが自然体でアメリカンロックの苦みや切なさを表現するために必要であった音を導入した結果のように思えてならない。
ちなみに私の音楽仲間のK氏曰く、「スーパーチャンクはパンク界のジャクソン・ブラウン!オルタナ以降の世代が鳴らす真っ当なアメリカンロックになった!」と言っていて、妙に納得してしまった。
さて、自然体で音楽に向き合った約30年間の成果が反映されているであろう来たるべきニューアルバム!
ゲスト・ミュージシャンには、今やレーベルメイトでもあるティーンエイジ・ファンクラブのメンバーも参加しているとのこと。
今から期待マックスでリリースを待つことにしよう!
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