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長く感じた一年

「今年一年早かったな」
例年、シーズンオフにはそう感じることが多いのですが、今年は「長かったな」と感じました。
正確には、開幕の頃がもはや記憶の遥か彼方、というニュアンスでしょうか。
昨年終盤に50%上限まで緩和された後に感染が再拡大し、5,000人上限で開幕を迎えたこと。
春先に入場者数上限が一瞬緩和されたのも束の間、またすぐに5,000人上限に戻ったこと。
ワクチン接種が始まり、少しずつ希望が見えてきたこと。
チーム状況以外にも色々なことがあり過ぎたので、それだけ濃密な一年だったと言うことだと思います。

今年もマーケティングに掛ける費用は最小限にせざるを得ず、必然的に優先順位を明確にする必要がありました。2020年に続き、意識したのは「コンテンツの質と量を上げる」ことと、「スタジアムならではの価値の訴求」の2点でした。

コンテンツの質と量を上げる


すでに2020年からLINE LIVEなどコンテンツは増やしていましたが、今年からコンテンツサイトである「TRICOLORE+」や、公式Podcast「SPEAK OUT」を新たにスタート。他にもJリーグさんやDAZNさんと共に制作した「DAZNドキュメンタリーシリーズ アタッキングフットボールの進化」やYouTubeや各種SNSでのコンテンツも出していきました(選手紹介映像の音楽をオリジナルの音楽に変えたこともその一環と言えます)。遅かれ早かれコンテンツホルダー側であるクラブがもっとコンテンツを作る流れは来ると考えていたので、コロナ影響によって予定を前倒しにしたというのが実際のところ。コンテンツを増やすために体制を整えたり、数年前とはリソースをかける分野が大きく変わったと改めて感じます。改善の余地は多々あるので、来年も引き続き魅力的なコンテンツを生み出していこうと思います!

スタジアムならではの価値の訴求


コロナ禍が2年続き、快適な自宅からでも試合が楽しめることが当たり前になったと言われています。これが習慣になると、スタジアムに戻って来る方々が少なくなるのではないか。常にそんな不安が頭から離れることはありませんでした。
「スタジアムならではの価値は何か」
基本的な問いに、改めて向き合い、自分達で問い続けました。沸騰ミーティングで実際にファン・サポーターの方々とも一緒に考えさせてもらったり、仮説をぶつけさせて頂いたりしました。
複数の仮説に行き着いた中、11月から50%まで上限が緩和された際に訴求したのは、「多くの人と空間を共有する臨場感や一体感」。もはや使い古されたコンセプトではあるものの、スタジアムへの来場経験のある方々が訴求対象であったことを考慮すると、このタイミングでは有効ではないかと考えました。
どう伝えるのか、という課題に対しては、空間音響という技術を使ってみました。

余談ではありますが、この空間音響の技術を紹介して下さったのは、戦略立案を共にして頂いている方々。中でも、少し前まで一緒に仕事をさせて頂いていた方が、異動された後もこのようにマリノスを気にして下さり、「マリノスさんに合うのでは?」と話を持ってきて下さったのは、嬉しかったです。

Brave & Challenging

そんな2021年も、頼りになる仲間達と共になんとな乗り越えることができました。熱を持って「これをやりたい」「こうきたらどうか」と自らの考えをぶつけたり、提案してくれる仲間たち。「より良いクラブになるため」という高い視座で部署の垣根を越えて支え合う仲間たち。クラブの外からの客観的な視点でアドバイスや提案を下さる方々。ホームゲームを共に創り上げて下さる方々。権利を使って下さり、エンブレムやチームを活用したアクティベーションを展開して下さるパートナー・スポンサーの方々。そして何より、どんな状況でもチームやクラブを支えてくださり、我々の励みになる存在であるファン・サポーターの方々。
どの立場の方々もやりたいことが全てやれるわけでもなく、言いたいことの一つや二つはあったと思います。その中で、お互いを尊重し、大きな目標に向かう過程はかけがえのないものだったと思っています。

来年も見通しの立て辛い一年になる可能性が高いと思っています。
その中でも柔軟性を持って、その時々に最適な判断をしていけるように準備をしていきたいと考えています。
現状維持は退化。
Jリーグクラブとして創設30周年を迎える来年、より良い一年に出来るよう、まずは1/9の新体制発表から突っ走ります。ここ数年で得た、クラブとして大切にする「軸」を胸に、より良いクラブを目指して、自分にできることを全力でやり切る所存です。

皆様、今年も一年大変お世話になり、ありがとうございました。
スタジアムの話を書きましたが、医療従事者の方々をはじめ、まだスタジアムにお越しになれない方々もいらっしゃると認識しています。それでも、DAZNやテレビで試合を見て頂いたり、SNS等を通じて応援をして頂いたり、本当にありがたく、勇気を頂きました。本当にありがとうございます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください!

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