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咲きそめし桃の香りのただよへる庭も静けし日だまりの朝

水戸のわが家の庭には、一本の幹に赤と白の花をつける「源平」という桃があった。わが家は少し奥まったところにあったのだが、表通りを行く人が「わぁきれい」と言って、わざわざ入ってくることがあったほどだ。

水戸では厳しい冬の寒さのあと、まず梅が咲き、桜が咲くまでの間を埋めるかのように、桃が季節に彩りを添えてくれたものだ。

1994年 水戸


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