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目で見て口で言へ(演劇篇)23本目「月の沙漠に駱駝はいるか」

下北沢のARK BOXで「月の砂漠に駱駝はいるか」を見てきました。朗読×ストレートプレイ。会場は普段飲み屋さんで、たまにお芝居もやったりする場所のようです。数年前まで、割と近くの「ARTIST」というお店で紙芝居をやらせてもらってたワタクシですが、このお店のことは初めて知りました(同じビルの一階の「ちょ美ひげ」というお店は気になっていました)。

ヨーソローヨーソローと知らない男の声が響く。

男が目を覚ますとそこは、船の上だった。

罪を犯した月の民の贖罪の儀式。
罪人は地上に落とされ、執行人の監視のもと、
お役目の家に厄介になりながら
犯した罪を贖っていく。
その儀式のため、罪人や執行人、お役目を運ぶための
「船」が 、今日も出航する。

コミュニケーションとディスコミュニケーション。

朗読とストレートプレイ。

相反するようで隣り合わせな表現を、
カフェバーというスペースで、間近で体感する。

まるで船上にいながら目の前の人物に巻き起こることを追体験をするような、感覚。

目を瞑っても、表情を見ても楽しめるお芝居です。

月の世界から、罪人を乗せて地上へ送る渡し船の船頭と客の対話。童謡「月の沙漠」が冒頭と終幕あたりに口ずされます。大まかな筋としては「かぐや姫は月で犯した罪のために地上に落とされた」という説に基づいているようです。公演では、役どころを変えたバージョンもやっていた模様。

船頭役の方の口調が若干気になって、どこが引っ掛かっているのかわからないまま終盤近く、これ田中邦衛さんじゃねえ?と思い当たりました。「仁義なき戦い」「若大将シリーズ」ではなく「北の国から」の田中邦衛さんというイメージ(といっても「北の国から」見たことないんですけどね)。浅倉さんは、やはり浅倉さんという感じで、この前に拝見した流山児事務所の舞台のときと同じく浅倉さんでありながら役の人物でもある、という印象です。そのキャラクターに入り込むというよりは、キャラクターを自分の中に引き込むというか。

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