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目で見て口で言え「慎ましきヴァニタス」「UTM」

恵比寿で観劇。エビスSTARバープロデュース「April Assemble」。3本の中編のうち2本「慎ましきヴァニタス」「UTM」。一本目、現代ではないアメリカのダイナー(と思われる場所)に、記憶を失った状態で現れた女性。彼女に記憶を呼び起こさせるために、三人の人物が語る話は、それぞれまったく別の話かと思われたが、しかしやがて……。ヴァニタスとは「空しさ」を示す静物画(とそれが象徴する概念)のことであるみたい。ひとつの誘拐事件を核に、欲望と現実逃避の果てに突きつけられるモノ。最後のもうひと捻りは、うーん、付け足し感の方が強かったかなー(あのままだとあの子があんまり可哀想すぎるではないですか)。もうひと展開あるのなら痺れたけど。シガレット、シェケル、ランタン三人の口調はあざとさギリギリ(もっと大きな空間用みたい)で耳に心地よく残る。他の出演者との対比が際立っておりました。二本目は打って変わって今の日本を舞台にした特撮物語。あー初代マンでありながら(効果音が)アイテムはセブンなのか、と中途半端なオタクっぽいツッコミをしつつ、そういえばどちらもハコありきのお話だなーでもそういう点を気付かせないの凄いなーと感心した(今更)恵比寿の夜であります。

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