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【ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023】挑戦者の紹介VOL.14⦅株式会社Stayway⦆

「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げたひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトの一環であり、事業の急成長を伴走支援する「ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023」に挑戦中の16社に、改めて事業の概要や今後の展望などをインタビューしました。

■株式会社Stayway(ステイウェイ)代表取締役 佐藤 淳さん
「補助金関連業務の効率化で中小企業を支援」

代表取締役 佐藤 淳さん

プロフィール
奈良県出身。東京大学経済学部を卒業し、有限責任監査法人トーマツに入所。スタートアップのIPO(新規株式公開)支援、監査、シアトル駐在など5年間の経験を積み退所。2017年に株式会社Staywayを設立した。23年3月に東京から大阪に本社を移した。同7月、名古屋と福岡に支店を開設。24年度中に広島にも開設予定。


― 事業内容は ―

士業、金融機関、事業会社、ファンドなど補助金申請を支援する事業者向けに、補助金の検索・レコメンド、申請支援などを提供するウェブサービス「補助金クラウド」を2020年から展開しています。
23年9月、生成AI「チャットGPT」を活用した補助金・助成金の申請書類の自動生成機能をリリースしました。事業や雇用の状況などの必要項目を入力すると、経験の浅い新入社員なども一定レベルの書類を作成できるようになります。検証では通常20時間かかる事業計画書の作成がわずか12分で完了しました。

プロダクトイメージ


― 創業のきっかけは ―

当社は宿泊施設の検索比較サービスを提供するオンライン旅行事業からスタートしましたが、競合が多く、コロナが追い打ちとなって厳しい経営を強いられていました。運転資金の確保へ、コロナ関連の補助金・助成金を申請し、計数千万円を調達。すると、知り合いの経営者などから次々にコツを聞かれ、補助金獲得に苦労している企業の多さに驚きました。調べてみると、「3000種以上ある補助金から自社に合うものが見つけられない」、「省庁や自治体によってフォーマットがバラバラで書類作成が煩雑」といった課題があると分かりました。そこで、金融機関が顧客企業の補助金申請を支援するためのナレッジ(知見)をクラウドで提供するサービスを思いつきました。


― 他社との違い、強みは ―

一般に補助金の採択から入金までには1~2年かかることが多く、すぐに資金を得ることはできません。そこで、当社がシステム上で債権を買い取ることで「前払い」を可能にしています。企業は採択から時間をおかずに資金を調達でき、スピーディーに事業を行えるようになります。
また、私をはじめ公認会計士などの有資格者が在籍し、補助金検索や書類の生成などのウェブサービスに加えて、チャットなどによる個別のアドバイスも提供しています。利用者の採択率は平均の2.5倍以上の80%を誇ります。「プロフェッショナルに相談できるので安心」という声を頂いています。


― 今後の展望、夢 ―

生成AI関連の開発を加速し、中小企業を支援する金融機関の工数削減につながるサービスを充実させていきたいです。いくつかの銀行と連携して、融資審査や顧客対応などの自動化を検証しています。現在は補助金に特化していますが、将来は事業承継など中小企業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つサービスも提供したいと考えています。銀行での導入実績は北陸銀行やメガバンクなど11行。25年3月までに30行まで伸ばす目標です。
広島県などの協力を得て、補助金を募集する自治体側の業務効率化につながるサービスも開発中で、2024年の夏にリリースを予定しています。
より多くの中小企業にサービスを届けるためには、事業規模の拡大も重要です。23年4月の1億円に続き、近く追加の資金調達を予定。近い将来、IPOも見据えています。

佐藤社長とスタッフ


― 解決したい社会課題など ―

創業来、「中小企業や地域のポテンシャルを開放する」をテーマに掲げています。多くの補助金や助成金が公募されていますが、平均40時間超にもなる書類作成の手間などがハードルとなって全国に350万社ある中小企業の3割が申請すらしていません。当社は経営の危機を補助金に救ってもらいました。経験を生かして、中小事業者が本来持っている力やチャンスを最大限発揮できる社会の実現に役立ちたいと考えています。


― 編集後記 ―

旅行事業の失敗という大きなピンチの中で、自社の補助金採択をきっかけに補助金制度の課題に目を付けて事業化に成功された株式会社Stayway。光熱費の高騰、人手不足など中小事業者を取り巻く環境は依然として厳しく、同社の成長を通じて1社でも多くに支援が行き届き、地域の経済が活性化するよう願います。

★☆ 株式会社Staywayについての参照サイト ★☆
https://stayway.co.jp/

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