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【ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023】挑戦者の紹介VOL.1⦅CIA株式会社⦆

「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げたひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトの一環であり、事業の急成長を伴走支援する「ひろしまユニコーン10  STARTUP ACCELERATION 2023」に挑戦中の16社に、改めて事業の概要や今後の展望などをインタビューしました。

■CIA株式会社 代表取締役 長岡 秀樹さん
「犯罪により涙する人を世界から無くす」

代表取締役 長岡 秀樹さん

プロフィール
三次市で代々続く専業農家の長男として生まれる。中でも畜産は幼少期、県北で有数の規模だったという。しかし父は、息子たちには家業を継がせたくないという想いがあり、手に職を付けようと職業訓練校で電気設備技術を履修し、広島市内の電気工事会社に就職。約3年の勤務を経て、配電線保守業務で独立。本業の傍ら、店舗の万引きなど不明ロスの原因を追求するカメラの開発を続け、2015年9月にCIAを設立し、現在に至る。


― 事業内容は ―

 国内の万引きによる被害総額を試算すると年間約8,089億円にのぼり、一日換算で約22億円となります。万引き被害は利益損失のみならず、店舗のイメージや信頼性が損なわれるリスクもあり、小売事業者にとって店舗の防犯対策は欠かせません。当社は犯行映像を録画する独自の特許技術「あいシェア」を運用。犯行時特有の心理行動を分析することにより、犯行映像をただ録画する従来の万引き対策とは一線を画したサービスとすることで、防犯に関するコスト削減と、利益向上をサポートしています。 

「あいシェア」の概要


― 創業のきっかけは ―

小売業のお客さまに飛び込みで防犯カメラの営業に行ったことです。当初はカメラの機材販売が目的でしたが、熱意が伝わり、万引きロス対策に本気で取り組んでほしいと東京の本部につないでいただきました。それから約2年間、店舗につきっきりで5,000以上の犯行データを分析。そこから導き出した犯行時特有の心理行動を、映像として捉える技術を発明したことでCIAを創業しました。

サーベイランスセンターでの取り組み


― 他社サービスとの違い、強みは ―
防犯リスト登録者が来店すると、店側に通知。過去の分析データに基づき、登録者にだけ意識をさせる音声や、いらっしゃいませの声掛けで万引きを未然に防ぐ仕組みです。これで万引きに及ぶ機会を防ぐことができ、平均で不明ロスを3分の1以下に抑えられました。今では世界展開する小売業者さまともお取引をさせていただけるようになりました。今年3月には、スタートアップ企業のIdein(イデイン)と業務提携を締結し、さらに事業を加速させていく構えです。


― 事業拡大により世の中にどのようなインパクトを残したいか ―

「犯罪により涙する人を世界から無くす」をミッションに掲げています。万引きはさまざまな犯罪の入り口という意味で、ゲートウェイ犯罪と呼ばれており、これをきっかけに最終的には、殺人に手を染めてしまう人がいるかもしれません。そうするとその人に関わる周りの人も、不幸になってしまいます。松下幸之助さんは幼少期に毎日手洗いで洗濯する母を見て、自身の母だけでなく「日本中のお母さんを楽にしたい」と強く思い、のちに洗濯機を開発したといいます。私たちの手掛ける万引きの抑止も将来、重犯罪で悲しむ人たちを減らすという、大義があると考えています。

CIAのミッション


—     プログラム参加のきっかけは ―
  広島から世界に挑戦できるという点に引かれました。,
特に出身地の三次市に対する思い入れは人一倍強く、将来は三次に最先端の映像解析センターを設け、日本の治安を守る拠点を作りたいと思っています。これまで青年団活動や、花火大会の実行委員を務めるなど、まちおこしに力を入れてきましたが、頑張っても頑張っても人口は減り、衰退する一方でした。地方を元気付けるには、豊かな自然の中で、グローバルに活躍できる場所を作り、雇用を創出していくことが必要不可欠です。田んぼや山々に囲まれた場所で、長靴と麦わら帽子を身にまとってカメラ分析をしているような、他に類がなく全国から見学に来られるようなビジネスモデルを作りたいと考えています。また、今後は当社の特許技術を万引き以外の防犯にも活用したいと考えており、県警や自治体とのつながりができればと期待しています。

長岡社長が率いる、三次の青年団


—  編集後記 ―

「犯罪により涙する人を世界から無くす」という大きなミッションを持って本プログラムに臨んでいるCIA株式会社。広島、特に出身地の三次に対する熱量の高さに圧倒されました。確かに祭りなどのイベントでは一時的に観光客が訪れますが、人口減少で疲弊する地域の根本的な課題解決にはつながりません。長岡社長がおっしゃっていた「長靴を履くような農作業と、最先端テクノロジーが共存する映像解析センター」の実現に期待しています。エコバッグの普及やレジの無人化などで万引き対策が難しくなる中、独自の特許技術「あいシェア」の需要はますます広がりそうです。

★☆ CIA株式会社についての参照サイト ★☆
https://www.cia-j.co.jp


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