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HIROSHIMA UNICORN10 ASIA CO-CREATION PROGRAMキックオフミーティング開催

広島からユニコーンに匹敵する企業を、10年間で10社創出することを目標にしたプロジェクト「ひろしまユニコーン 10」。県内のスタートアップ企業などの裾野は徐々に広がりつつあり、企業の成長フェーズも進んできていますが、ユニコーン企業への成長には、より大きな市場の獲得が必要であり、海外進出が不可欠です。

今年度は、世界で急速に成長している経済圏の一つである東南アジアへの進出を志向するスタートアップや中小企業に対して、現地での事業展開に必要なネットワークの構築や人材の獲得、拠点設置などを支援するプログラムを実施し、海外進出のスピードを早め急成長を促すことを目指します。

そのキックオフミーティングを7月2日、広島市中区銀山町のHiromalab(ヒロマラボ)で開催。当日の様子をレポートします。

東南アジア進出を支援するプログラムが始動

まずは広島県商工労働局イノベーション推進チームの安部さんが、プログラムの狙いを語りました。「県内企業のアジア進出ニーズはとても高い。そうした企業のネットワークをつくり、実際に海外に渡航する機会も提供することで、広島から世界へ羽ばたく企業を創出したい」

広島県 安部さん

次に、運営事務局を務めるJSIP(ジェイシップ)の中村さんがオンラインであいさつ。シンガポールに拠点を置くJSIPは「Japan SEA Innovation Platform」の略称で、日本と東南アジアをつなぐイノベーションの社会インフラとして、日本企業の事業の立ち上がりと拡大のスピードを加速させることを目的に活動しています。

JSIPのビジョン「立ち上がりの1年を1カ月に」

JSIPは「立ち上がりの1年を1カ月に」というビジョンを掲げています。日本企業が海外展開する初期段階で共通して苦労するのは、現地のマーケットの理解や関係性構築です。そうした、普通なら1年以上かかる準備を1カ月で終えることができれば、メリットは非常に大きい。海外の情報やネットワークを集めて使える形で共有する、インフラのような存在を目指しているのが私たちです。商社や不動産、物流などさまざまな経験を持つ運営メンバーが、皆さんの挑戦を後押ししていきたいと思っています。

続いて、同じく運営事務局を担う、広島銀行営業企画部法人企画室の原さんがマイクを握りました。「われわれは2020年に発足したひろぎんホールディングス傘下の地域金融機関として、幅広いサービスで地域の未来を広げるべく活動しています。東南アジアでも今年に入ってシンガポールに現地法人を設けるなど、4拠点体制で地場企業の海外進出をサポートしていきます」

広島銀行 原さん

その後、JSIPの沖本さん(広島県出身)がプログラムの内容を説明しました。まず7月18日にオンラインで、進出に必要な情報の提供やマインドセットを実施。8月になると、東南アジアにいる有識者へ事業ピッチを行うことで、計画へのフィードバックや資金調達の相談、ネットワーク構築支援などを受けられます。
そして9月、いよいよシンガポールへ渡り、フィールドワークによる事業の仮説検証、ネットワーキングイベントへの参加のほか、事業会社・ベンチャーキャピタルらへのピッチの機会を設け、事業展開の手法や流れを明確化できる内容となっています。
また、プログラムを通じ、専門のメンターチームが必要な支援を提供します。

JSIP 沖本さん

採択企業6社の紹介

イベント後半では、会場とオンラインで参加した採択6社が、本事業を通して達成したいことを発表しました。

株式会社ZIPCARE  仲本さん

株式会社ZIPCARE  仲本さん

見守り介護ロボットのメーカーである弊社は、福祉業界の業務改善などコンサル事業も進めています。こうした取組は海外の関心も高く、グローバル展開を目指して各国の調査を進めるほか、タイなど東南アジアへの進出を加速させたいと思っています。

プラチナバイオ株式会社  伊丹さん

プラチナバイオ株式会社  伊丹さん

創業5年目の広島大学発ベンチャーとして、ゲノム解析・編集技術で社会課題の解決を目指しています。東南アジアは非常に重点を置いている地域で、既にマレーシアなどの大学・企業と関係を築いていますが、このプログラムでシンガポール市場へも挑戦していきます。

株式会社トロムソ  上杉さん

株式会社トロムソ  上杉さん

弊社は近年、バイオ炭製造機の海外展開を進めています。そのバイオ炭が農業にどのように役立ち、二酸化炭素排出削減に貢献できるか調べるため、ベトナムに構える現地法人の人材確保や、協力企業があるシンガポールでの関係性構築を進めたいと考えています。

合同会社Setolabo  岡田さん

合同会社Setolabo  岡田さん

予防医療を手掛ける私たちはこの7月、シンガポールに遺伝子解析拠点を設けました。背景には、遺伝子解析は国内ではさまざまな事情からハードルが高いという事情があります。シンガポールでの研究を進め、得た成果を日本へ持ち帰りたいと思っています。

native.合同会社  川本さん

native.合同会社  川本さん

インドの若者向けに、占いの要素と統計データを掛け合わせたマッチングサービスの開発・運営を手掛けています。占いのマーケットは東南アジアでも成長すると考えており、特にインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国での市場開拓を目指しています。

野村乳業株式会社 山川さん

野村乳業株式会社 山川さん

社名に乳業とある弊社ですが、現在は発酵技術を生かし、腸内バランスを整える飲料開発が中心の会社です。海外でも乳酸菌への注目が集まる一方、これまでは協業先がなかなか見つかりませんでした。このプログラムで、東南アジアでの事業化を実現したいです。

6社の発表が終わり、今回のキックオフミーティングは閉会となりました。
最後に採択企業とスタッフの皆さんで記念撮影。世界というフィールドで、どんな出会い・発見があるか、本プログラムの今後にご期待ください。

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