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手数料をケチることの浪費

1995年にマイクロソフトがウィンドウズ95というのを発売した。あの秋葉原では、とても話題になり、新しいウィンドウズを求めて、あらゆる人たちが新製品をいち早く買おうと押し寄せた。押し寄せたのはよかったものの、パソコンというハードウェアを持っていない人がきて、新しいウィンドウズを買い求めるということもあった。ひとは新しいものを常に求める。

そして1995年というのは、インターネットのはじまりであり、ブラウザにより探索、探検をしながら、宝物を掘り当てる。これは人間の本能をそそる。そうした仕掛けをほどこしたものが次々とあらわれるた。ネットのブームにあわせて、スマホが開発された。2007年のアイ・フォーンというデバイス革命だった。デバイスシフトは一気に起きた。

デバイスシフトに平行して電子マネーによるキャッシュレスが進んだ。イベントチケット、ATMの現金引き出し、そして駐車料金の支払いがスマホや電子マネーで行われるという便利性が増した。イベントのチケットがスマホで買えて、電子チケットになった。そしてネット銀行からATMを通じて現金が24時間365日引き出せる。駐車料金も電子マネーで簡単にできるようになった。

この便利性にあわせて、人々の節約志向が助長された。なんとか少しでも安く買いたい。サービスを受けたい。決済したい。そうするとイベントチケットでは、手数料の安い決済を無理やり選ぶようになる。ATMで課金される手数料はとられたくない。そして都内でなるべく安く駐車できる駐車場を探す。

探しまわる時間の方が無駄であろうという文章を書いてみます。

まずは、スマホによるチケット購入。私の場合はスポーツ観戦をするときに使う。手数料にはさまざまなものがある。

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読者の皆さんはどの種類のチケットを選ぶだろうか。おそらく、一番手数料の低いクレジットカード、チケットレス(スマホ)というのを選ぶであろう。手数料の合計は、1枚110円。

わたしは、この電子チケットがはじまってからいろいろ試した。試したかぎりで一番、あっているのは、クレジットカード、コンビニ発券というものだった。なぜかというと、スタジアム会場では、電波がうまくはいらないことがあったため。そして、スマホのバーコードを入口の人が持っているリーダーですんなりと読み取れることがなかったことがあった。そのため、コンビニで発券をして会場に入る。入口でもたもたするのはあまりいいことではない。

ただでさえ、試合開始近くになると大勢のひとたちが押し寄せてくる。そんなときには、コンビニ発券のチケットを首からぶら下げて、すぐにでも見せれるようにする。さすがにコンビニで決済をして220円余分にとられるようなことはしないけど、入場がスムースにいくのであれば、110円の追加費用は惜しまないことにした。

つぎにATMによるさまざまなネット銀行からの現金引き出し。わたしは、少なくとも10種類くらいのネット銀行にはいっている。そこでいろいろと手数料の違いを調べながら使ってみた。すると月5回までなら、無料で引き出せるサービスがある。月1回なら無料。それ以降は、3万円以上であれば、無料であるというサービスもある。

すると数千円の引き出しをするときに3万3千円を引き出して、すぐさま、3万円を入金する。そうすると3千円を無料で引き出したことと同じで、手数料はかからない。そんなこともしてみた。ただ、これは、よく考えるととてもかっこうのいいものではない。なるべく混んでいるATMではしないほうがいい。

この数千円づつ引き出しては、電子マネーに入金をするのは、あまりよくないであろう。1回で5千円くらいチャージしておけば、なかなか減らない。

実店舗のある銀行であれば、ATMの現金引き出しに手数料はかからない時間帯が多い。その時間帯をあらかじめ調べておいて、数千円でなく、5千円とか1万円とかを引き出す。そしてそれを電子マネーにチャージする。場合によっては、低額のオートチャージを設定しておく。そうすることで使いすぎを少し抑えることができる。

そして最後に都内の駐車場。これは安いところはまずない。平日であればどんなに安くても30分で250円はする。首都高直営の駐車場であれば、250円で駐車ができる。それより安くはさがしてもないであろう。

それをもっと安いところがあるだろう。1日の最大料金が1000円以下というところがあるにちがいない。そうやってネットで探し始めるときりがなくなる。あったとしても駅から遠いところにあるし、目的地にいくまでに時間がかかってしまう。

どうでしょうか。さまざまな手数料を節約することに使う時間。それをネットでずっと探し続ける。それってなにか無駄なことをしている。時間の浪費というふうにはいえないでしょうか。

95年のウィンドウズからすでに27年が過ぎました。最新のPCに搭載できるウィンドウズ11では、複数のウィンドウズが同時に開けるどころが、仮想技術により、複数のディスクトップまで開くことができます。それによりブラウザを複数開き、ネット内のサービスを探索することがさらに容易になってきています。でも、探索しすぎてもあまり意味がないのではないでしょうか。

数百円であれば、時間のかからないスムースな入場。数千円でなく、5千円や1万円を引き出して電子マネーにプールしておく。そして都内の駐車場では、短時間に用事を済ませる。1日の最大料金の安いところを探さない。そんなことで時間を浪費するのはよくないでしょう。

それをやっても1か月に数千円の節約になるだけで、どれだけ貴重な時間が奪われるか知れたものではないですね。

探索はほどほどに、手数料を少し払って、時間を買うことにしましょう。