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少子化の背景には何があるのか

わたしは半世紀以上前に生まれた。3人兄弟の末っ子でそんなこともありほとんど親から手をかけてもらうことなく育った。3番目というのはほったらかしになる。それがよかったのかどうかはわからない。

兄はわたしが中学2年のときに結婚をして3人の子供の親になった。その子供たちも結婚をして3人、2人と子供を持つに至った。一年後に姉は結婚した。大学時代の知り合いといっしょになり2人の子供を育てた。それぞれ結婚をして子供がいる。わたしは28歳で結婚をして長男を育てた。ということは3人兄弟はそれぞれ3人、2人、1人と子供を持つ。少子化なのか。

あるオンラインイベントで少子化について話す機会があった。どうも日本だけでなくアジア諸国で少子化傾向になってきたという。その中でいち早く少子化問題がとりだたされている日本。どういう事情によるものなのか。それについて話をした。この文章では少子化になっている背景について書きます。そしてわたしの意見を述べてみます。少子化をどうとらえるか。

背景としては少なくとも3つほどあるのではないか。ひとつは子供を持つというのは結婚を前提としていること。結婚をしないで子供を持つということが欧米よりも認めてられない。日本や韓国ではシングルマザーの割合は2%。対して欧米では3~6割。さてどういうことか。シングルで子供を育てることがかなり難しい背景がある。

まず民間企業で働くひとは結婚をしていることを前提にしているのではないか。健康保険の皆保険制度をあげてみよう。配偶者が会社で働いているともうひとりもその会社の保険に加入することができる。つまりどちらかが働いていればふたりとも健康保険に加入できるという仕組みになっているようです。会社が一部負担している。結婚しているとメリットになります。東京23区では医療費は18歳まで無料。医療費はかからない。

確定申告をするときに税金の控除ができます。配偶者であれば38万円までは税金がかからないように申告できる。そして年金でさえも優遇されます。定年まで勤めあげると配偶者も同じようにメリットをうけることができます。会社が年金機構をとおして支払いをしています。家庭という安定した基盤をもって会社で働いてくださいという前提がある。

日本の会社は結婚をしている労働者を前提にしている。

ところが子供を持つと教育費がかかります。あるファイナンシャルプランナーによるとオール公立で月3万くらいの出費になるといいます。それが大学卒業までの20年かけるとすると770万円。これだけの教育費を投じてやっと就職ができるわけです。そして私立になるとこの3倍がかかるという。

つまり月9万円。これを20年続けたとして2200万円になります。この数字をみるとびっくりするかもしれません。しかしながらこのくらいの負担が発生することは事実でしょう。

住宅事情が加わります。東京のマンションの平均価格は6千万円以上。これを年収6百万円の世帯が支払うとすれば係数は10(年)になります。現金一括というわけにはいきません。わたしの住む千葉県東葛地区でも一戸建てで6千万円というのはほぼ当たり前。そこに50代のひとが800万の年収で買うというから驚きです。計算が合わないのです。

一都三県で東京に近い地域のひとたち。子供が30歳を超えても親の家にいることは珍しくない。それは住宅事情によるものです。では田舎に住めばいいのではないか。富山県では地方創生のひとつとして都会から子供をつれて移り住んでくる人たちに補助金を出すという政策をとった。20万円を出すという。それでも東京から移住する人はいない。ほとんど雪の中で過ごすのはつらい。そういったところで子供を育てることはできない。

都内にいても生活が苦しくて結婚ができない。相手がいて子供がほしくても将来が不安で子供を持つことを躊躇する。そんな若い世代が多いのでしょう。わたしはパートナーと一緒に生活することには賛成です。それはお互いに一緒に生活するうえで苦楽をともにしていく。とても気持ちの安定につながるからです。いまでは結婚という形式をとっていなくてもいいかもしれません。ただし結婚をしていた方がメリットがあります。

では子供をもったほうがいいか。これはパートナーとじっくりと話す必要があります。両方がほしいと考えていれば子供を持った方がいいでしょう。しかし片方がいないほうがいいということであればじっくり話をする。そこで持たないという選択肢もありましょう。

さてここであげた以外にも子供を持たないという理由はあるでしょう。東京は恵まれておりパートナーを見つけていっしょに暮らすにはいい環境がそろっています。パートナーがいたほうがいい。ただ子供をもつということであればじっくりと話し合った方がいいでしょう。

親戚を含めて愛知県の豊田市で育ったわたしにとってはたくさん子供がいることはあたりまえのようでした。親になって子供を持つことが前提のような生活でした。ただいまは事情が違うようです。ふたりで幸せになるという選択肢があるようです。そのことのほうが大事という考えもありでしょう。生活のスタイルやお金というものがなければ育てることができない。そういった背景は十分に理解できるものです。