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怒りつつ退く戦法

2020年2月から広がったコロナ過は終わった。コロナにより始まったものとしてオンラインイベントがある。職場や大学で受ける学習はあった。それとは別に一般に公開されているオンラインイベントを探した。そこに参加した人も多いことだろう。中にはいまでも引き続きオンラインで行われているイベントもある。読者の皆さんはこれまでの対面環境に移行したのだろうか。移行していないとすればどこかがおかしい。

オンラインイベントでは悪質ないたずらや悪ふざけが多発した。その中にいれば不快感がつのる。不快を感じると気分転換をする。こだわりが強い場合は長く尾を引いていることもある。するとやがて毒になり学習効果は低下していく。場合によっては怒りっぽくなり日常生活にまで支障が出てしまう。そんなことになりかねない。

わたしがコロナ過により家ですることに飽き足らなかった。危険を承知で参加イベントがある。それは以下の通り。

1.GRIPS(政策大学院大学)
2.HBS日本支部(Harvard Business School Club of Japan)
3.NYMBA(ニューヨークで集まる日本人の会)
4.TSEP(東京政治経済研究会)
5.ダイヤモンド社ハーバード・ビジネス読書会
6.エコノミストを読む会
7.世界標準の経済理論読書会
8.Let's talk about our world

これらのイベントはHP、facebook、Peatix、 Meetupで探すことができる。

去年まで継続して参加してみた。いまではこれらのオンラインイベントからは遠ざかっている。中にはいまも頻繁にはもう出ないけど時々参加してみるものもある。これまでの痛い経験から参加を見合わせているものが増えた。イベントで起きる不快とはどういうことだろうか。

上のリストにある1と2が主催するイベント。これには参加しても問題がない。事件や事故がない。ないというよりは関心のあるテーマであれば積極的に参加した方がいいだろう。一般に公開されているものだから。しかも母体がしっかりしている。案内文もしっかりと書かれている。案内に忠実に開催されている。

ただし、この1と2についてはいずれも学習向けというよりはそれぞれの組織の入学プロモーションであること。そのため参加対象者は1では六本木の政策大学院に大学院生として入学を検討しているひと。2ではハーバード・ビジネス・スクールにいってMBAを取得したいと考えている人。これらのひとたちを対象としている。参加者はそれほど多くないはずであろう。

多くの日本人が政策大学院に入学するとは考えられない。またHBSへの入学者数は年々減ってきている。学費も2年間で3500万円。一日あたり何をしても5万円が消えていく。そういうところにはいきたがらないだろう。東京にはグロービスや一橋大学のビジネススクールがある。わざわざ海外に行く必要もなかろう。

3と4については母体がない。有志による運営である。そのため開催が不定期になっており運営者が毎回参加してくるとは限らない。むしろ運営から遠ざかっていく傾向がある。3は問題は少ないもののテーマが法律とビジネスの交錯するものが多い。そのためニューヨークという立地のリベラルな進歩的なテーマを扱うものが多かった。しあまりにも進歩的過ぎて日本のビジネスの事情にはそぐわないものが多い。参加人数も毎回30人程度であった。

4になると問題がいくつか発生した。それは主催者が課題図書を読んでこない。また運営側が毎回参加してこない。名前を貸しているだけという状態だ。ときどきビブリオバトルということで発表を依頼される。これを積極的に受けて発表をする人は少ない。

ほとんどの参加者が発表を受けることはなく断る人が多かった。少なくとも2022年末まではそういう状況だった。コミュニケーションの不足から衝突も多く発生した。参加することにはあまり感心しない。ほぼYouTubeで公開されており、わざわざリアルに参加する価値は少ない。

5についても同様である。ダイヤモンド社の月刊誌を使っている。ところが主催者が雑誌を読んでこない。読書会を開催することを趣味にしており雑誌を読んでこない。そのため何人かの参加者も雑誌を読んできておらず雑談をするだけになっている。

発言をしなくてもいいという聞き専という制度まである。意見を持たなくても参加できるというものだ。これはあまり本腰をいれて参加しないほうがいい。参加者の中には外出先の公園の広場から参加してくる。そのため気軽な雑談としか受け取れない。それでも主催者に気に入りられ、おとなしくしていればそれなりのメリットもあることだろう。

問題は最後の3つである。度を越した悪ふざけが発生している。まず6のエコノミストを読む会である。これは最初のころはとてもまともであった。学習効果も高くモチベーションの高い人たちが参加してきた。そのため参加をはじめて3年以内に海外の大学院に留学するものまで現れた。例をあげるとこうである。

ハーバード大学、ノースウェスタン大学、HEC、ロンドン大学、UCバークレー、そしてコロンビア大学。こういった著名な大学院に留学する参加者もいた。ところがこういうことは起こらなくなった。その理由が悪ふざけが多発しているためだ。

ひとつは日曜日のイベント2時間で記事を読んでこないで参加してくるひとたちがいる。未読でも何も問われない。また30分のディスカッションの間にカメラをオフにする。オフにしたまま他のことをしていて討議になんら参加しない。中には次のファシリテーションの順番のためにスライドを作っているものがいる。前のファシリテーターが交通整理をしている間に自分はカメラをオフにしてスライドを準備しており討議には加わらない。それも何も問われない。それを主催者がしていることすらある。

そうなるとルールを守るものが減っていく。発言をする場合になるべく1分以内にまとめて発言するようにルールにある。そうすることで他の参加者に発言の機会を与えようというものだ。そういう配慮を考えない。するとひとりは5分以上延々としゃべってほかの人に発言の機会を与えない。それを注意すると反発してくる。それをするのはアメリカに住んでいるアメリカ人である。これではたまったものではない。

ズーム会議のために半年に1度3千円の振り込みを依頼されている。しかし振り込みをしない。しらばっくれて会計担当に振り込みをしない。そういった参加者が見渡しただけでも2023年上半期には22人中半分近くはいた。つまり会費を納めなくても参加できてしまうのだ。

そうなるとひどくなっていく。中にはかなり年齢のいったひとがいて1年間一度もファシリテーションをしないで参加だけしてくるひともいる。現在70歳以上の参加者が4人いる。他の人はそれなりにやる。しかしこういったタダ乗り、ただ飯を食っている人が出てくるとだれてくる。どういうだらけたことが起きるのか。

選ばれた3つの記事を2時間で討議する。だれもファシリテーションやりたがらない。するとファシリテーターを決めるのにルーレットを使う。そのルーレットというのがインターネットからひっぱってきたサイトを使ってコロコロを回し始める。他人が選んだ記事をルーレットに当たったためにいやいやファシリテーションをやることになる。すると当たったらたまったものではない。次回からは参加してこない。

マンネリ化してきたらゲーム性をとりいれるのはある程度はしかたない。しかしルーレットを使うことまではしなくていいだろう。やりたいひとがいなければ無理にすることはなく、その討議をやめればいいのだ。

こういったことまで起きる。記事を読まないで生成AIでまとめをしよう。生成AIで論点を出力しようということまでいってくる参加者が出る。しかもそれに同調する参加者が増える。

生成AIの使用はいまのところ慎重にという記事が複数取り上げられているにもかかわらず、このような提案がされてしまうのである。2023年には9つの生成AIに関わる記事を9つ読んだ。各30分使って賛否を討議をしたにもかかわらず生成AIの使用を提案する。その賛否に費やした5時間近い時間はなんだったのか。

最悪なのは参加者の中に反社会的な人物がいることだ。経営コンサルタントに対して深い憎しみをいだいている。名指しで著名な経営コンサルタントをやじる。反省がない。挙句の果てには会に対して幼稚であると平気で非難するような投稿を繰り返す。それに対して主催者も野放しにしている。

主催者が離れて行っているのが原因である。Administrationといわれるひとたちは13人いる。しかし稼働している人は2人しかいない。イベントにも参加してこない。するとイベント内は弱肉強食状態でジャングル化している。

惹きつけるように掲げられているグループの概要、グループ・ルール、イベント・ガイドラインを守らない。読んできておらず、あるいは読めない人が集まる。

わたしはこういったことを指摘してきたが一向に改善がされなかった。そのため3月末より参加はしていない。不快感からくる怒り。その怒りつつ退くことにしたのである。

7についても個人の運営によるものだった。あまり参加しなかった。しかし朝7時からという読書会には好都合にもかかわらず、各部屋に入るとグーグーと寝ている参加者がいた。当然、課題図書などは読んできていない。そういう人たちと時間を過ごすことで時間の無駄になった。コミュニケーション欠如から主催者とも物別れになった。なんとも残念である。物別れになったのは4の読書会についてもいえる。

最後にLet's talk about our worldというイベントがある。これは30分どんなトピックでもいいので参加者どうして好きにおしゃべりをするというものだ。ところがこれですらトピックを持ってこない。いつまでも他人任せであり自分はどんなことに関心があるのかを表明しない。つまり暇つぶしにきているだけである。やがてスポーツだけには興味がないとわがままなことをいう。

悪ふざけやいやがらせをする参加者が出てくる。いつまでも不参加だったという不参加表明をイベント・ページでするようになる。ほとんど毎回、毎日繰り返す。ひとりは2か月間それを繰り返した。いやがらせに主催者はたまったものではない。

こういったところでは表向きはこういったほうがよい。よくわからないために参加を見合わせるようにしました。これは礼儀のある断り方である。しかし実際はあきれているのがほんとうで理性で考えれば怒りつつ退く戦法をとったということになる。

さてこのようなことが起きるのはなぜか。一般公開であること。誰でも参加できてしまう。しかもこのような悪質な行為をするひとはなんらかの恨みをもって参加してくるひとがいる。そして偏執症(パラノイア)であることだ。

偏執症になると物事にこだわるようになる。思い通りにいかないと変質行為をする。犯罪を犯す人、精神異常者(気違い、狂人)、そして変態といわれる人。こういった人たちが入ってくる。病歴があるのに明らかにしているわけではないのだ。一般常識は通用しない。常習性があり再現性がある。それらは60歳以上のシニアのひとたちに見られる傾向である。

4年が経過をしていろいろと痛い目にあった。これらのイベントに対しては主催者もなんらかの悩みを抱えていることだろう。しかしながらわたしの観察したところではなるべく出ない方がいい。定期的に参加しようというのはよくない。それは時間のロスになる。準備、実施、そして振り返りというサイクルはなく労力が無駄になる。そしてなにより不快感が増すだけだ。加害者には金銭的なロスは何も発生しない。

2011年から8年間、5つの大学で教員として授業を担当した。600回登壇し1200人の大学生を見てきた。いろいろないたずらがあったがここまでのいたずらというのはさすがに見たことはなかった。素性のはっきりしない一般社会人とは距離をおいたほうがいい。大学には素晴らしい学習環境が用意されている。

大学生の読者の皆さんはオンラインイベントへの参加を見合わせるように願う。参考になりますように。