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パワハラ対処法

最近、またパワハラで苦しんでいる人がいるという記事を読みました。そんなことを受けてちょっとわたしの過去の職場エピソードを交えながら、どうやったらパワハラから逃れ、対処できるのかについて文章を書いてみます。

この文章は、大学生の読者に向けてのものです。これから就職をする上での参考になれば幸いです。すでに就職をしているひとには参考になりません。また、現在、パワハラの被害にあっているひとにもあてはまりません。

読者の中で外資系企業や日系大手に就職しようとしている人たち向けです。その中で大学在学中に経済学部か工学部に属し働こうとしている人たちです。

また、エピソードの事例は、10年以上前のものです。各企業によって事件の発生、対処法はまちまちです。

この前提を踏まえて、以下にパワハラの定義、エピソードから得られた対処法をいくつか書きます。対処法としては、近づかない、IT部門にいかない、コンサルにはいかない、ちょっとがまん、逃げる、会社の設備を利用するといったことです。

パワハラの定義は、厚生労働省のガイドラインに従うといいでしょう。理解としては、立場を利用して、上の者が下の者に対して、嫌がっているのに、繰り返し、迷惑行為を行う。その結果、身体的、精神的苦痛を受け、被害を受ける、といったものでしょう。すべて証拠がなければなりません。

2年前の統計ですと全国で86,000件とありました。今は、90,000件以上あるはずです。これは届け出のあったもので届けられていない数は相当な数に上るといわれています。残念ながら、会社は公表しません。隠します。

わたしのエピソードは、外資系証券会社、外資系飲料メーカー、外資系コンサルティング会社、外資系ITソリューション企業、総合商社、そしてシステム・インテグレーターの順番です。

外資系証券会社、つまり、投資銀行のことをいいます。ここはリーマンショック以降はほとんどが壊滅したはずです。ただ、一部は残っているでしょう。外資系投資銀行というのは、金もうけのためにいくところです。そこは割り切りが必要です。

金儲け主義のところであれば、およそ手段を選ばないというのがあります。特にディーリングルームには近づかないほうがいいでしょう。ディーラーたちは、日々刻刻と変わる証券市場で一儲けしようとしている連中ばかりです。リスクをとって、機関投資家のお金を預かって、手数料を稼ぐ。とてもストレスの高い職場です。そんなところは、えげつない言葉が当然のように使われます。

そういうところには、近づかないことです。

次のエピソードは、渋谷にある外資系飲料メーカーです。ここは、情報システム部のことを書きます。金融のことに嫌気がさしていたので、メーカーに就職しよう、それならどこかということで働き始めました。今後伸びるであろうと考えていたのが情報技術(IT)ということもあり、情報システム部門にいきました。

メーカーの情報システム部門、いわゆるユーザー企業のIT部門にはいかないほうがいいです。システムエンジニアは孤立しやすく、プログラミングばかりしている年配の人たちは、人とのコミュニケーションを苦手とします。ですので機械を相手にするのは得意ですが、人という複雑怪奇な行動をするひとを管理、動機付け、やりとりができません。

ソフトスキルというものがない。そのため、会議中にメモをとりません。議事録はなく、共有もされません。発言をしない社内SEもいて、部門として孤立しています。

マーケティングの会社ということもありましょう。であったら、マーケティングの部門で働いたほうがいいです。ただ、どうもブランドにあぐらをかいているような連中がいたとも記憶しています。そこは注意です。ITをやりたいのなら、エンジニアが多いところに就職しましょう。そんなこともあり、その後、外資系コンサルティング・ファームに就職しました。

外資系コンサルティングとしてコンサルタントとして働くというのは、とても忙しく、厳しい職場です。いくら会社が大きいとはいえ、働いている人の数が多いだけで個人事業主のような働き方をします。ですので敵味方、できる人、できない人の差が激しい。そうなると容赦ないことが起きます。

顧客でさえ、暴言をはきますし、職場の上司ですら、厳しい小言を言います。顧客、上司、同僚と競争をしながらする仕事がコンサルティングです。それは覚悟しなければいけません。アクセンチュアであれば、1時間10万円以上を課金します。1回でも評価が悪ければ、次は挽回しないといけない。

挽回できないと残念ながら失職します。そうすると次の会社は、それに近い会社で外資系ITソリューション企業(i.e. i2 Technologies)です。品川にあり、とても優秀なコンサルタントとエンジニアが集まるところでした。ところが業績が傾き、アメリカからCFOがキャッシュがあると嘘をつき、1月後には、リストラです。

そういうところでは、上司が部下に対してそれは無茶苦茶なことをいいます。そういうところは、しょうがないですね。そのためにいい給与を要求しているわけです。これだけの仕事をする、だから高い給料をよこせ、これが外資系です。安い給料でがまんするひとは外資系にはいきません。

ここまでが外資系です。外資系はなかなかよい対処法がありません。お金がすべてですから、仕事で実績を出さないといけません。次の二つは、日系の大手です。外資系よりは、かなり多くの対処法があります。

ひとつめは、総合商社です。パワハラを受けたらどうするか。これは、運が悪いとわりきり、少しがまんするしかありません。3年がまんすれば、人事異動で別の部署に回されます。それで解決することがあります。

また、外資系のように仕事で実績をあげる必要はありません。終身雇用のためクビになることはありません。最低限の仕事をして、50%くらいの力でパフォーマンスをあげればいいのです。パワハラが起こる会社では、出世などは考えないほうよい。上に行ってもろくなことにはならない。給与はいいですが、ポツンと孤立しているだけです。

また、よく三菱で聞かれたのが、上に手柄をとられるということです。せっかく一生懸命やったのに自分には褒美がいかず、上長がかすめとっていく。いわゆる踏み台にされて、いいところだけとられ、自分は損をすることです。そういうところではあまりがんばらないことです。がんばらなくてもいい給与をもらえます。

それでも辛いということもあります。ただ、総合商社は福利厚生ができています。会社には休む部屋があり、そこではいい布団が利用できます。あんなにいい羽毛布団で休める機会はなかなかありません。たまになら使えます。そこで数時間休みましょう。会社の中で休めるのです。なんにもとがめられません。

産業カウンセラーがいます。利用しましょう。

20年も働いたのであれば、42歳にはなっています。そうしたら、働かないオジサンとしてやっていってもクビになりません。そして周りも部内でなにが起きていても知らんぷりです。でしたら、You Tube でも見ていましょう。実際、配属された部門では上長は、肘をついてパソコンに向かい、そういうことをしていました。定例ミーティングなど一度も開催していませんでした。

選挙が近づくと、密かにこの政党に投票してほしい、といった依頼がきます。そんなときには、だまって、にっこりしていましょう。依頼してくる相手がまともではないのです。政治、宗教にはまり込まないように。

最後に豊洲にあるシステム・インテグレーターです。産業カウンセラーがいます。相談しましょう。ビルの中には、常駐の医師がいて薬を出してくれます。一般のクリニックにいくより安いです。そういうところが行き届いています。

パワハラを受けると上司の上に相談できます。そうするとそのひとが人事に通してくれます。配置転換です。三井系はそういうところが柔軟です。三菱ではそういうわけにはいません。いずれの場合も、パワハラ被害にあったら、その後はそれほど仕事をしなくても構いません。一生懸命仕事をしなくても評価は下がりません。給料はよくはならないですがクビにはならないのです。

いかがでしたでしょうか。まとめますと、外資系にはなかなかいい対処法がありませんが、日系大手企業には対処法が多いということです。運が悪いとわりきる。3年、次の異動までがまんする。実績をあげない。出世をあきらめる。休むところで休む。産業カウンセラーに相談する。動画を見て過ごす。社内の医療機関を利用する。人事に相談する。

厳しい環境でパワハラが起きやすいのか嫌であれば外資系にはいかないことです。日系であれば大手にいく。スタートアップや中小企業にはいかないように。コロナ過です。どこでも業績は苦しい。苦しいときはやらかす上役が多く出現します。そんなときは、多くの対処法から冷静に選びだす。そのようにして自分を守る。

守ることで、要は、病気にはならないこと。もうひとつは、失職しないように。給料さえはいってくればいいのです。犯罪を犯さず、事件に巻き込まれないこと。それが最低ラインです。

将来、不運にもパワハラの被害者になったら、その時点で出世はあきらめましょう。もし結婚していて子供がいたら、まず伴侶にそのことを正確に伝え、子供たちにも理解してもらいましょう。可哀想ですが約束事をひとつかふたつあきらめてもらいましょう。給料さえもらい続ければなんとかなります。

どんなに優秀な大学を卒業しても、そして仕事でがんばってもパワハラの被害を受けたらとても苦しくなります。残念ながらパワハラはなくなりません。企業は隠し続け、被害件数は年々増えていきます。業績最優先ですのでコンプライアンス(法令遵守)は見せかけです。社内の周りも助けてはくれません。

絶望することはないですが、パワハラがなくなるというような奇跡は起きないのです。

大学生の就職にとってなんらかの参考になりますように。