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学習系オンラインイベントにおけるコソ泥の手口

2011年1月のある日曜日お昼過ぎ。わたしは友人たちと豊洲のベローチェにいた。ベローチェの外は雨。ぶるぶると震えながら6人でコーヒーを飲んでいた。しばらくするとひとりが都内で面白い読書会がある。そう紹介してくれた。エコノミストを読んで英語で議論をする。しかも日曜日の朝8時渋谷に集合。そんなものがあるのか。誰が来るんだろう。

実家のある千葉県東葛地区からは渋谷まで1時間半かかる。しかも朝8時集合は早すぎる。寝ている女房に朝ご飯をつくってくれとはいえない。早めにいってどこかでモーニングセットを食べよう。それから読書会のある会議室にいこう。震えながら朝起きるのは5時。まずもより駅まで歩く。渋谷駅を降りて朝ご飯。開始五分前やっとの思いで会議室についた。

ほんとうに誰かいるんだろうか。一体、誰が来るんだろう。ひとりもいなかったときはなかった。必ずだれかがいた。人数は3人。4人。多くても8人くらいだった。そりゃ、そうだろう。こんな難しい記事を朝8時から討論しようというのも無理があろう。しかしなぜか読書会は続いた。

いまでもfacebook内でEconomist Readersと検索をすればグループが存在する。メンバー数は958名。継続されており、開始から14年が経過している。ただ不可解なことが起きているのも事実である。かろうじて続いているけど残念なことにコソ泥のような行為も続いている。

今回の文章ではちょっとした手口を紹介します。学習系のイベントでは結構多いのではないでしょうか。

2011年から2012年くらいまでは渋谷のあるビル4階で行われていた。だれでも来れるわけではないし無料ではない。会議室代として月4千円を払う。そのように主催者から通達があった。毎週日曜日2時間。3つの記事について英語で議論をする。1回あたりは千円。単発では学習効果がない。そのため月単位の徴収だった。前月末までに4千円払ってほしいということだった。わたしにはよく理解できることだった。

そりゃ、そうだろう。主催者は会議室を探して、そこのオーナーと折衝をした。しかも長期にレンタルをしたい。そのように無理をいってお願いした。渋谷であるため安いわけはない。それでもたった月4千円で借りれた。しばらくするとどうだろう。ときどき主催者からこんな通知が流れた。

4千円を銀行送金していないひとは早く払ってください。主催者が立て替えています。なんだこれ? 友人間でこんなことになるのだろうか。こうやって通知がきて初めて気づいたかのように装い支払いをするという人がいた。支払いを忘れていたといってどこかに逃げることができてしまう。

facebook上でもできてしまう。facebookのアカウントを解約してしまえば逃げることができるからだ。

2012年から場所を新橋に移した。新橋駅のすぐそばにあるルノアール。会議室がいくつかあった。主催者があらかじめ予約をしておいて参加者は来た時だけ千円を現金で払う。これなら大丈夫だろう。わたしはそう勘違いをしてしまった。

コソ泥は起きた。終了の11時ぎりぎりまで討論は続く。狭い会議室にいる10人の参加者は一斉に会議室を出なければならない。出る前に千円を現金で主催者に渡す。主催者は名前を控えない。控える暇がないからだ。

次から次へと千円が舞う。すると中にいる者でどさくさに紛れて千円を払わずに会議室から逃げていくのである。主催者があとで枚数を数えても人数分と合わない。

なぜこんなバカなことが起きるのだろう。それは主催者が必ず参加者が千円札を用意してくるという安易な考えを持っていたからだった。参加者の中にはわざと1万円を出す。主催者は9千円のお釣りを払わなければならない。あとでいいです。参加者はその後うやむやにして逃げていく。こういった手口だった。普通は友達間であれば千円札をあらかじめ用意してくるのが常識だった。しかしそういった配慮はない。

そして現在オンライン上で行われている読書会。ここはZoomを使って同じように2時間討議する。費用は半年で3千円。1ヵ月4回開催されるため半年で24回を数える。そうなると1回あたりの費用はたったの125円。格安だ。しかしこれをコソ泥しようとするのである。

銀行送金でお金を納めるようになっている。上半期が終了すると6月末に3千円を支払う。また下半期が終了すると12月末までに3千円を支払う。これが期限だ。しかしこれをわざととぼけて支払いをしない。これはどうしたものか。

今年に入ってからも少なくとも2名は支払いをしていなかった。わたしが観察したところではあと他に2名はコソ泥のような動きをする。つまり7人くらいの読書会で4人はお金を納めない。

facebook上で行われているイベントである。友達どおしのつながりでできている読書会。しかもエコノミスト誌を読むようなひとたちの集まりのはずだった。そこでコソ泥容疑のかかるような行為が行われているのである。

なにか悲しい。わたしは友人には去年前もって連絡をした。上半期は6月ではなく1月に3千円を支払った。下半期も9月には支払いを終えた。なにか主催者の善意に対してこれくらいはした方がいいという思いがあった。しかし他の参加者の中にはそういう思いはない。

期限が2か月を過ぎても未払い。わざと忘れたかのように装い、払わずに逃げようとした。

14年続く読書会。これからも続くであろう。しかし昔はちょっとしたコソ泥容疑があったけどちゃんとした読書会だった。渋谷から新橋。そして2020年2月からオンライン。このオンラインになってからコソ泥だけではない。簡単な会議ルールも守れない参加者が増えた。これでは学習とはいえない。ネットワーキングすらする気になれない。

半年3千円。一回あたり125円。わずかな費用でも主催者の管理をなるべく楽にしよう。自ら支払いをして連絡をとる。それが友人というものではないだろうか。信頼関係を前提にするのが友人なのではないのだろうか。