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ファイナンスと経済の落とし穴

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経済学部に所属する大学生向けに書いています。金融や経済で気づいたことです。 抑制と均衡(Check and Balance)とは権力が特定部門に集中するのをさけ各部門間相互の均…
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#経済学

IMFで働くという選択肢

38年前の夏にアメリカから帰国。東京で仕事を探していた。何かをしなければならない。アメリカでのいろいろな経験を活かして何かできないか。そのくらいぼんやりとした考えであった。留学を振り返ってやはり授業でやったことに近い仕事。それは国際連合で働くことだった。なんかかっこよさそうに聞こえるけど東京での筆記試験はそれほど簡単ではなかった。 どこが試験会場だったかは忘れた。ただ試験問題はなんとなく覚えている。国連が果たす3つの使命。平和、経済開発、人権。それらの目標に向けて自分は何が

若手経済学博士の就職先

30年前にジョージア工科大学でMBAを取得。大学院のあるアトランタをあとにして東京にもどり最初からやり直し。日本コカ・コーラというところに就職した。コカ・コーラ本社はビジネススクールから見えるところに立っており、車で通学する傍らちらちら眺めていた。2年間、同じキャンパスに通いTECH通りからそびえ立つ本社がランドマークになっていった。 仕事をはじめてみるとコカ・コーラでの実務はビジネススクールで学んだこととはほど遠く、毎日が単調。新しいことをするような仕事はほとんどなかった

新しい資本主義への長い道のり

1981年の夏、アメリカを1か月旅行した。その旅行は今から考えるとのんびりと贅沢なもので中西部から東海岸を車で駆け巡るというものだった。シカゴからデトロイト、ナイアガラフォールズを経てボストンにはいる。そこから南下してニューヨーク、DCへと続いた。訪れた先のほとんどのところで大学のキャンパスにいった。 シカゴ大学、ミシガン大学、ハーバード大学、MIT、イェール大学、そしてペンシルバニア大学だった。そのうち、シカゴ大学とMITでは著名な学者から直々の講義を受けることができた。