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ディミニッシュ・コード
ディミニッシュ(diminish)コードとは根音から
例外なく規則的に短3度音程を積み重ねて
できるコードのことです。
例えばCディミニッシュであれば
C、E♭、G♭、Aという構成音になります。
似ていますが、しっかり理解すべきは
m7♭5(マイナーセブンフラットファイブ)
コードとの違いです。
譜例1
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127877815/picture_pc_f7f1867f6c3cd548bbce0995045e933d.gif)
譜例1のようにともにCを根音とする2つの
コードは下から3つ目の音まで全く同じです。
しかし、3つ目の音であるG♭の上に乗せる
4番目の音がdimコードが短3度上のAの音で
あるのに対して
m7♭5コードは長3度上のB♭の音になります。
m7♭5コードはメジャースケールでは7番目に、
マイナースケールであれば2番目に
ダイアトニックコード上に
あらわれる自然なコードといえます。
(ダイアトニックコード2のページ参照)
一方、dimコードは規則的な短3度音程の
積み重ねで成り立っているため人工的に
作ったコードといえるでしょう。
ではディミニッシュコードの構造について
続けていきます。
Cから4音連続の短3度堆積であるCdimコードの
根音(C)を1オクターブ転回するとE♭dimになり、
さらにE♭dimの根音(E♭)を1オクターブ転回
するとG♭dimになり、
さらにG♭dimの根音(G♭)を1オクターブ転回
するとAdimになります。
注目すべきは、これら4つの音程関係は
どう転回しても、どこまでいっても果てしなく
短3度の等間隔となり、
コードの機能はすべて同じになることです。
(どの音も根音になりえる)
つまり、楽譜にCdimと書いてあったら、
E♭dim、G♭dim、Adimを弾いてもよいことに
なります。
この考え方から、譜例2のように3つの
ディミニッシュグループが出来上がることが
わかります。
それぞれのグループ内のディミニッシュコードは
互換可能の同じ機能のコードと見做せます。
譜例2
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127877905/picture_pc_2778bafd36c5a2ea0ab323b212560dae.gif)
代表的なコードフォーム
(すべての音が根音となりえます)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127877955/picture_pc_999dd2203202e0d39908e48187b962e3.gif)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878013/picture_pc_900f5586f0e737109c6d732c04fb637b.gif)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878015/picture_pc_c02d2550675a3b1e3daf61fbb7bd00c1.gif)
ディミニッシュコードが使われる場面
1.短3度の上行、下降
譜例3はディアンスの
「タンゴ・アン・スカイ」の
6、7小節目です。
7小節目にディミニッシュコードが
全く同じフォームで
短3度下降してきます。
一見すると難しそうですが、
意外と簡単なギター的なフレーズで、
わかりやすい例です。
譜例3
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878303/picture_pc_62ccb5825f67c21b33a40e755089af54.gif)
2.経過音的使用(passing diminish)
経過音的使用のわかりやすい例です。
keyCでCM7→Dm7→Em7というシンプルな
ダイアトニックコード進行(譜例4)に
ディミニッシュコードを挿入します。
すると譜例5のようになり
なめらかで美しい進行ができあがります。
譜例4
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878354/picture_pc_c73e88932f3e985477b00b6d82413174.gif)
・・・ディミニッシュコードを挿入すると
譜例5
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878375/picture_pc_f129eb4914ff632ab2bcdcb1097be1cd.gif)
譜例6はボサノバの名曲
「チェガ・ジ・サウダージ」のイントロ部分。
ノンダイアトニックコードであるB♭m7の
直前にBdimが置かれてなめらかにコードが
連結されている。
譜例6
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878567/picture_pc_44adc8e7877a0d184e79fd452c20d960.gif)
ドミナントコードの代理
譜例7を見てください。
keyC(またはCm)のドミナントコードである
G7には♭9thの音程にあたるA♭を
付加することができます。
そしてこのA♭を付加した後、
根音(G)を省くと規則的な短3度重ねの
ディミニッシュコードができあがります。
譜例7
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878657/picture_pc_8bb0681ec3193400cc29d8ad80a9b8d5.gif)
つまりG7の代わりにBdimを弾くことが
可能になります。
さらに、先の考えを応用すればBdimと
構成音が同じである
Ddim、Fdim、A♭dimも使用できることが
わかります。
1つのドミナントコードに対して4つの
ディミニッシュコードが代理可能になり、
逆に咄嗟にどれが使えるかが
わかりにくくもあります。
そんな時は、G7とA♭dimに
着目するといいでしょう。
なぜなら、
ドミナントコードの半音上のディミニッシュと
いうシンプルな覚え方ができるからです。
譜例8はビートルズの「ミッシェル」の
冒頭です。
5小節目のCコードのドミナントコードはG7で、
その代理として使える
ディミニッシュコードとして
Ddimが配置されています。
譜例8
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127878699/picture_pc_71c51e91ba3691592bc6cc6626f75e4d.gif)
![](https://assets.st-note.com/img/1705451672794-GKNaneNiXs.png?width=800)
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