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4度の和声
4度音程で積み重ねる和音を勉強します。
4度の音程とは例えばドからファの
距離のことをいいます。
(音程はドとレを2度、
ドとミを3度というようにあらわします)
4度には以下のように2種類あります。
完全4度は全音2つと半音1つ分の長さで、
増4度は全音3つ分の長さになります。
譜例1
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128079944/picture_pc_d15e6ff966dfe20a65d71185420b1ea6.gif)
伴奏で使う和声は3度堆積
(ド・ミ・ソとかレ・ファ・ラなど)が
一般的です。
4度堆積の和声は伴奏で使うには、
やや注意が必要ですが、とても魅力的な
響きを持っているので概念を理解して、
使えるようにしておきたい。
ドの音の上に1番近いファを重ねて
弾いてみると
フワッとした印象をうける。
ドの上にミや、ソを乗せてみるといかにもドに
重心があるように聴こえて
安定感があるのに対して
このファを乗せた4度の和声はなんだか、
どっちの音が主役なのか
わからない浮遊感があるのです。
4度和声の使用例を紹介していきます。
譜例2
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128079985/picture_pc_48b3686de2caf08eda7bf3f2d56723cc.gif?width=800)
譜例2はマイルス・デイビスの「So What」で
ビル・エバンスの弾いた
ピアノバッキングパターンですが
4度和声が使用されていて、気持ちいい。
この曲はドリアンスケールの曲としても有名。
譜例3
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080100/picture_pc_81488885b5090dc02e4fd87247e5de15.gif?width=800)
譜例3はドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」の
エンディング。(オリジナルキーはG♭)
赤い丸のついたところが4度和声。上昇していく
メロディーに4度の音が彩られ美しい。
譜例4
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080130/picture_pc_637b1a38efb9033cc7fd1d39573725fc.gif?width=800)
譜例4はヴィラ・ロボスのブラジル民謡組曲の
「マズルカ・ショーロ」のエンディング。
1小節目から7小節目まで一貫して4度和声の
アルペジオが連続し美しい。
譜例5
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080165/picture_pc_ea10d7532c80f06e7c939606a4a3b597.gif?width=800)
譜例5は武満徹さんが
ギターのためにアレンジした
「Over The Rainbow」の
Aメロの終わりの部分。
下から4度・3度・4度と
堆積した和音が同じフォームで
横ずれで弾けてしまう。
4度堆積は美しく、かつギター向き
(押さえ方が簡単)な和声でもある左証。
ここで、Cメジャースケール上に4声体による
4度堆積を書き出してみました。(譜例6)
和声が明るいか、暗いかを決定する重要な要素で
ある主音からの3度音程は皆無。
したがって、3度堆積和声では得ることのできない
浮遊感漂う独特なサウンドとなります。
注意を払えば、既成メロディーの
伴奏でも使えるし、
即興時の伴奏でも大いに役立つでしょう。
※P4は完全(Perfect)4度、
A4は増(Augment)4度の意味。
譜例6
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080193/picture_pc_ba2e3fe92081405f2df0e166c1fad268.gif?width=800)
これまで、美しい4度和声の使用例や、
その根拠を簡単に紹介してきました。
・・・しかし、実は4度和声にはもうひとつの
隠された顔があったのです。
譜例7
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080253/picture_pc_6821076a02720b4206e9ec427b17406f.gif?width=800)
譜例7はバルトークの
ピアノ練習曲集ミクロコスモスの
131番の出だし。
左手も右手も完全4度堆積。
これは美しいというより、なかなかの迫力。
譜例8
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128080294/picture_pc_2b9987f8dfcc479787f079021d655c58.gif?width=800)
譜例8はディープパープルの
「Smoke On The Water」の超有名なリフ。
4度堆積の和声でできていますが、
エレキギターにディストーション
(音を歪ませる機械)をかけると、
美しさとはかけ離れた重厚で凶悪な
雰囲気になってしまう。
暴力的なサウンドではありますが、
カッコいい・・・。
弾いてみるとわかりますが、この4度堆積は
同一ポジションに音が縦に揃っているので、
ギターでは抑える左手は指1本で
足りてしまうのです。(超楽チン)
ロックのリフでは4度堆積でつくったリフが
本当に多く存在します。
理論的につくったというより、
ギターで遊んでいたら
”偶然に見つけたカッコいい響き”
だったんでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1705629365108-dJ456Pt4HO.png?width=800)
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