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布目真生「マーチャント・バンキング」1986
金融財政事情研究会から金融叢書の一つとして1986年に刊行。証券の引き受け・発行を行う金融機関として、アメリカについて投資銀行、イギリスのついてマーチャント・バンクを上げることがある。本書はそのマーチャント・バンクについての専門的な紹介である(写真は東京ドーム、2020年1月31日)。
著者の布目さん(1919-)はこの時点では、日本興業銀行の調査部を経て、学習院大学経済学部講師。やがて高知大学、さらに拓殖大学で教壇にも立たれた。本書は刊行当時、マーチャントバンクの専門書として注目された。
なおマーチャントバンクには手形に引受信用を供与する引受商社としての面と、証券発行に関与する発行商社としての面とがある。両大戦間期、前者については、クリアリングバンクの成長とともにその位置は後退したとされ、後者については、海外から国内にその業務の比重は大きく変化したとされる。本書は1960年代から1970年代以降の、多国籍銀行(コンソーシアム銀行)の登場という新たな金融動向についても終章で論じている。
本書刊行の翌年(1987年)、布目さんは萩原登さんと共訳で、スタンリー・D・チャップマン「マーチャント・バンキングの興隆」を有斐閣から出版された。当時(1980年代半ば)、イギリスの金融、とくに資本市場についての関心が日本でかなり高まった時期だったことを感じる。
#マーチャント・バンク #東京ドーム
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